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事業再構築に向けた”138”の事業アイディア

事業再構築をする上での”悩み”

昨今のコロナウイルスの影響で多くの人の行動様式が変わってきました。まさに常識が変わる瞬間に立ち会ったともいえるこの2年間、多くの事業者様も新環境に適応するための変化の必要性を感じた期間であったのではないでしょうか。

国としても変化に対する支援策を充実させています。特に注目を浴びているのが、事業再構築補助金です。まさにコロナ渦で変わった新たな環境に対応するために、事業者が既存事業を再構築するのにかかる費用を最大1億円まで補助する施策です。本補助金を活用して約45.000事業者が新たな事業の再構築にチャレンジしています。(第5回公募までの累積採択数より)

一方で、「再構築したくても事業アイディアが見つからない」「変化しないといけないのは分かるが、何をやっていいのかわからない」など、事業アイディアの着想段階で悩まれている事業者様も多いのではないでしょうか。

8月29日(月)に経済産業省から「事業再構築に向けた事業計画作成ガイドブック」が公表されました。そこでは、事業アイディア着想段階でお困りの事業者様に役立つ情報が多く掲載されています。国として有望と思われる事業がリストアップされており、とても参考になる情報となっていますので紹介したいと思います。

【事業再構築に関する参考資料はこちらを参照】
〉事業再構築に向けた事業計画作成ガイドブック
〉事業再構築補助金公募要領(第7回)

【主要7業種別】具体的な138の事業アイディア

「事業再構築に向けた事業計画作成ガイドブック(経済産業省)」では、事業再構築補助金で提出された事業計画を分析し、業種ごとに有望度別テーマを公表しています。

有望度別テーマとは、「事業再構築に向けた事業計画作成ガイドブック」の中では、「申請数(申請率)」と「採択率」の2軸で分類し、有望度が高程度、中程度、低程度の3段階で評価したものです。有望度が高いテーマは「申請数が多く」「採択率が高い」テーマです。

本ブログでは有望度が「高程度」「中程度」に絞って、ガイドブックに掲載されている事業テーマを紹介していきたいと思います。早速ですが、ガイドブックに掲載されている事業テーマを紹介していきたいと思います。

飲食業:16テーマ

※「事業再構築に向けた事業計画作成ガイドブック(経済産業省)」P.41より引用
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宿泊業:14テーマ

※「事業再構築に向けた事業計画作成ガイドブック(経済産業省)」P.44より引用
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製造業(機械):16テーマ

※「事業再構築に向けた事業計画作成ガイドブック(経済産業省)」P.47より引用
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製造業(金属):14テーマ

※「事業再構築に向けた事業計画作成ガイドブック(経済産業省)」P.50より引用
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製造業(化学・繊維):14テーマ

※「事業再構築に向けた事業計画作成ガイドブック(経済産業省)」P.53より引用
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製造業(その他):13テーマ

※「事業再構築に向けた事業計画作成ガイドブック(経済産業省)」P.56より引用
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卸売業:13テーマ

※「事業再構築に向けた事業計画作成ガイドブック(経済産業省)」P.60より引用
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小売業:13テーマ

※「事業再構築に向けた事業計画作成ガイドブック(経済産業省)」P.64より引用
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建設業:11テーマ

※「事業再構築に向けた事業計画作成ガイドブック(経済産業省)」P.68より引用
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生活関連サービス業・娯楽業:14テーマ

※「事業再構築に向けた事業計画作成ガイドブック(経済産業省)」P.72より引用
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事業再構築に向けたテーマ検討の進め方

ここまで事業再構築補助金の分析結果から有望度が高程度・中程度の事業テーマを紹介してきました。ただし、自社事業の再構築を成功に導くためには、単に有望度の高いテーマではなく、“自社にとって有望な事業テーマ”を見定めることが重要になります。よりよい事業テーマを見定めるステップとして、「①幅出し」「②評価」の2つのステップを通じて選定していくことが大切です。それぞれ簡単に説明していきます。

図:テーマ検討の進め方

※「事業再構築に向けた事業計画作成ガイドブック(経済産業省)」P.15より引用
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①事業テーマ候補の”幅出し”

先ほど紹介した事業テーマなどを参考材料に、自社の関連業種から新たな事業テーマとなりそうなものを複数洗い出します。この段階ではあまり絞り込まず、多くのアイディアを出すことを意識して、事業テーマ候補の幅出しをしていきます。ちなみに、アイディアを多く出すには一人で考え込まずに、従業員などと一緒に複数人でブレインストーミング(※)を実施することも有効です。

(※)ブレーンストーミングとはアイディア出しを目的とした会議形式を指します。「他人の意見を批判しない(批判厳禁)」「現実的にならずにとにかく数を重視する(量が質を生む)」など、グランドルールを決めて実施します。

図:飲食業の幅出し例

※「事業再構築に向けた事業計画作成ガイドブック(経済産業省)」P.16より引用
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②事業テーマ候補の”評価”

幅出しした事業テーマ候補を、複数の観点(評価軸)から詳細に評価するステップです。特に観点(評価軸)として外せないのが、「事業環境」「自社の強み」「課題/リスク」です。それぞれの観点(評価軸)を設定したうえで、可能であれば複数人に評価してもらうことで、客観的にも有望度が高い事業テーマに絞られていきます。

図:飲食業の評価例

※「事業再構築に向けた事業計画作成ガイドブック(経済産業省)」P.17より引用
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事業テーマ検討時の最重要ポイント

有望度が高いテーマは、だれが見ても魅力的な事業領域である人気テーマとも言えます。裏を返せば競合も多くなる領域です。だからこそ、競合他社といかにして差別化を図るか、という観点がとても重要です。この“差別化”を考えるうえで欠かせないのが自社の強みを把握することです。したがって、事業テーマを検討していく中では、「自社の強みを活かしてどう差別化が出来るか」をしっかりと言語化していきましょう。

※強みや弱みを分析するSWOT分析については以下の記事を参照

最後に

ここまで事業再構築補助金の分析結果をもとに、有望度の高い事業テーマやその選定ステップについてお伝えしてきました。最後にお伝えしたいのが「事業再構築は自社のありたい姿を実現するための手段にすぎない」ということです。事業再構築補助金に挑戦する際には、再構築自体を目的とせずに、どういう姿を目指して自社は再構築という手段をとるのか、という視点で今一度、事業再構築の必要性について考えてみてください。

私たちHKSは、認定支援機関として事業者様のありたい姿の実現に向けた支援を行っています。何かお困りごとがありましたらWebから問い合わせが簡単にできますので、ぜひご相談ください。

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