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【2025年版】省エネ設備の更新や導入でもらえる補助金とは

今回お伝えしたいポイント・2025年の省エネ補助金の概要について
資源エネルギー庁から「更なる省エネ・非化石転換・DRの促進に向けた政策について」の資料が公表されました。
この資料の中には「令和6年度補正予算案における省エネ支援パッケージ」が掲載されており、
事業者及び家庭向けの省エネ設備の更新や導入に使える「省エネ補助金」が2025年も実施されます。
今回のブログでは「2025年省エネ補助金の概要(事業者向け)」についてご紹介していきます。
ちなみに、昨年2024年の省エネ補助金の正式名称は「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」でしたが、今年2025年からは 「省エネ・非化石転換補助金」 に変わっています。
省エネ・非化石転換補助金(省エネ補助金)の概要
省エネ・非化石転換補助金は、 「Ⅰ.工場・事業場型、Ⅱ.電化・脱炭素燃転型、Ⅲ.設備単位型、Ⅳ.EMS型」 という4つの申請類型があります。
※赤文字で記載されているのは昨年の省エネ補助金からの変更点です。
工場や事業場全体の電化や脱炭素を目指して設備の更新や導入を考える際は、(Ⅰ,Ⅱ, Ⅳ)が適切です。
一方で、一般的な省エネ設備の更新を考える際は、(Ⅲ)が適切でしょう。
後述の2024年採択実績でもご紹介しますが、申請類型別の件数を見ると(Ⅲ)設備単位型の申請が9割超となっており大部分を占めています。
以下、それぞれの申請類型についてご紹介します。
Ⅰ.工場・事業場型
Ⅰ.工場・事業場型は、工場や事業場全体での大幅な省エネルギー化を図る取組みを支援するものです。
対象となる取組み例としては、省エネ可能な生産設備等の更新、工場のエネルギー管理システムの導入、照明設備のLED化、建物の断熱性能向上などが挙げられます。
「先進枠」「一般枠」「中小企業投資促進枠」 の3つの申請枠が用意されています。
①先進枠
補助対象設備として採択されている先進設備・システムのみが対象となります。補助率が他の枠と比較して優遇されている一方で、高い省エネ目標の達成を求められます。
②一般枠
オーダーメイドの設備または指定設備(省エネ効果が高い特定の設備)が対象となります。特別な要件が少ない工場・事業場型の中で一般的な申請枠となっています。
③中小企業投資促進枠
中小企業のみが申請可能な特別枠で、オーダーメイドの設備または指定設備(省エネ効果が高い特定の設備)が対象になります。他の枠と比較して省エネ要件が緩和されています。また、投資回収年数の要件も緩和されており、中小企業が工場・事業場型での申請を行う場合有利な申請枠となっています。
※各申請枠の省エネ要件は、上表を参照ください。
Ⅱ.電化・脱炭素燃転型
Ⅱ.電化・脱炭素燃転型は、化石燃料から電気への転換や低炭素燃料への転換など、電化や脱炭素目的の燃料転換を伴う設備等の導入を支援する申請類型です。
Ⅱ.電化・脱炭素燃転型は、中小企業に限り「工事費」も補助対象に含まれます。また、ヒートポンプなどの一部機器においては併用も認められている点が特徴です。
Ⅲ.設備単位型
Ⅲ.設備単位型は、省エネ効果の高い特定の設備(指定設備)を更新する取組みを支援する類型です。指定設備とは、エネルギー消費効率等の基準を満たし、あらかじめリストに登録されている特定の設備です。
昨年2024年の設備単位型では、省エネ要件は設けられていませんでしたが、今年2025年からは省エネ数値を満たす取組みであることが要件として追加されました。
また、省エネ法に基づく定期報告義務がない事業者については、エネルギーの合理化に関する中長期計画を策定することが新たに条件として追加されました。
Ⅳ.EMS型
Ⅳ.EMS型は、あらかじめ効果が高いと定められたエネルギーマネジメントシステム(指定EMS)を用いて、効果的にエネルギー使用量削減及びエネルギー需要最適化を図る取組みを支援する申請類型です。
EMS型は省エネ要件があります。具体的には、以下の3つです。
①指定EMSを導入する範囲内において設備又は工程単位のエネルギー消費状況を把握・表示・分析し、運用改善を実施すること。
②EMSを活用した省エネの中長期計画を作成、改善による成果の公表(2%改善を目安)すること。
③導入事業者自らが制御・運用改善に取り組める機能を具備していること。
(※具備していない場合には、運用改善の提案を出来る事業者との契約(補助対象外)を結ぶことが新たに設定されています。)
一方で、従来の省エネ効果2%の事前確認要件及び投資回収年数要件は設けないとされています。
2024年の採択実績について
参考までに昨年2024年の省エネ補助金の採択実績は下図のようになっています。
2024年は、Ⅲ.設備単位型の申請件数が圧倒的に多くなっています。しかしながら、2025年は省エネ数値の要件が加えられた影響により申請件数が減少する一方で、予算の関係から採択率が高まる可能性があります。
2025年の省エネ補助金のスケジュール
2025年の省エネ補助金のスケジュールは現時点で未定ですが、例年通りであれば2~3月頃には公募が開始され、締切は4月末頃になると想定されます。
上述の2024年の採択実績の通り、申請類型によって複数の公募が行われたため、2025年も何度か公募される可能性があります。
さいごに
今回は「2025年の省エネ補助金」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
省エネ設備の更新や導入は、環境に優しいだけでなく、長期的にみると経済的なメリットも大きくなる可能性があります。しかし、当然ながら設備投資の負担が大きいため更新や導入に踏み切れない事業者様は多いのではないでしょうか。
そのような事業者様が本記事を参考にして頂けたなら嬉しいです。
なお、ハイブリッド経営サポートは認定支援機関に登録されており、多くの支援実績がございますので、よろしければご相談下さい!
今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。

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ひとこと:補助金の制度は要件等が複雑で分かりにくい所があるかと思います。多くの中小企業の皆様に補助金制度を活用して頂けるよう、分かりやすく読みやすい情報をお届けしていきます。