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自社をブランディングする目的で映像を制作・配信するための補助金J-LOD⑤をご存じですか?

補助金「J-LOD⑤」とは

J-LOD⑤(ジェイロッド・ファイブ)とは、「デジタル配信を念頭に置いたストーリー性のある映像の制作・発信を行う事業の支援」のための補助金です。

デジタル配信を念頭に置いた映像の配信とは、何のことでしょうか?

最近、Web動画、インターネット動画が盛り上がっています。
ユーチューバーやインフルエンサーなど、多数のフォロワーを集める有名人がエンターテインメント要素の強い動画を配信して人気を集めるなど社会現象と言えるような状況も生まれていますが、一方で、企業によるインターネットの動画配信、いわゆる「デジタル配信」も加速度的に増えています

電通が毎年発表する「日本の広告費」において、2019年にインターネット広告費がテレビ広告費を抜いて逆転したことは、大きなニュースになりました。
実際インターネット広告に限らず、企業が自社のブランディングや集客効果を狙うための動画を制作し、インターネットで配信するケースが急増しています。
これは、ホームページやブログといった文字メディアに比べて「映像」には短時間でリッチな情報を伝達できる力があり、感情や記憶を刺激できるため、マーケティング面でより高い効果が見込まれる点がメリットとして認識されていることが背景にあります。

ただし、映像を制作してデジタル配信するためには、テレビCMほどではありませんが、費用がかかります。
本補助金は、政策としてこの費用を補助することによって、企業がブランディングの観点から映像による情報発信を行う取り組みを支援するものです。
また同時に、映像コンテンツの活用を促すことでコンテンツの新たな流通市場を創出し、コンテンツ産業の裾野を広げることも目的としています。

この後半部分があるため、当補助金は、映像産業振興機構「VIPO」という団体が管轄しています。

昨今のコロナ禍の状況もあり、オンラインを介したデジタルでのマーケティングや販促活動への期待が高まっています。

もし、この記事をお読みのあなたが経営者であるならば、「24時間・365日、リアルな接触なしで集客が可能」と聞けば、きっとデジタルマーケティングの魅力をお感じ頂けることでしょう。
まして、それが「自社をブランディングできるような映像を配信する」という形であれば、より高い効果が期待できるはずです。

これまで「我が社ではなかなか・・・」と考えていた経営者様も、J-LOD⑤の補助金を利用すれば実現可能かもしれません。

ではどのような補助金なのかを詳しく見ていきましょう。

ココがポイント!

・企業による映像を活用したブランディングの取り組みと、コンテンツ産業のすそ野拡大の両面を目的とした施策

・映像にストーリー性があり、企業姿勢や理念に結びついている必要がある

・テレビCMはNG、デジタル配信を行う映像の制作である必要がある

・補助金の上限は1社につき1,000万円で、補助率は対象経費の1/2

・今年度の公募要項はこれから発表されるかも?!

令和2年度補正予算の公募要項はまだ未発表

令和2年度補正予算におけるJ-LOD⑤の公募要項は、まだ発表されていません。

2021年3月4日に令和2年度「コンテンツグローバル需要創出促進・基盤強化事業費補助金」に係る補助事業者(事務局)が前年と同じく映像産業振興機構に決定したことが発表されたため、3月末には動きがあるものと弊社では予測しています。

そこで今回の記事では、前年の公募要項を参考にご紹介していきたいと思います。

J-LODとは

J-LODは「コンテンツグローバル需要創出促進・基盤整備事業費補助金」の通称です。
この補助金は、経済産業省令和2年度補正予算による「コンテンツグローバル需要創出促進・基盤整備事業費補助金」を活用し、映像産業振興機構補助金事業部が事務局となって実施するものです。

この補助金は、日本発のコンテンツ等の海外展開を促進し、日本ブーム創出を通じた関連産業の海外展開の拡大および訪日外国人等の促進につなげるとともに、コンテンツ産業が持続的に発展するエコシステムを構築することを目的としています。

何だか関係ない業界の話を聴いているようですね。
実際、J-LOD①から④までは主にコンテンツを輸出入したり制作するエンタテインメント業界向けの補助金です。

J-LOD⑤も「コンテンツの流通市場を創出しコンテンツ産業の裾野を広げる」ことを目的としている点では同じですが、J-LOD⑤はその目的達成のために、自社をブランディングする目的で映像を制作・配信(流通)しようとする事業者側を支援する点が、他と異なります。

【J-LOD①】
コンテンツ等の海外展開を行う際のローカライズ及びプロモーションを行う事業の支援
コンテンツが主体となった又はコンテンツを有効活用した海外展開を行う際のローカライズおよびプロモーションを行う事業に係る費用について、その費用負担を軽減するため、当該事業を主体となって実施する企業・団体に必要経費の一部を補助します。

【J-LOD②】
海外向けコンテンツ制作に資する資金調達・人材育成を行う事業の支援
海外展開を目指すコンテンツの本格的な制作に必要な資金調達のための試作映像等の企画・開発を行う事業に係る費用について、その費用負担を軽減するため、当該事業を主体となって実施する企業・団体に必要経費の一部を補助します。

【J-LOD③】
先進性の高いコンテンツの開発/制作・発信を行う事業の支援
デジタル技術を活用した先進性の高いコンテンツを開発/制作し、世界に向けて発表・発信を行う事業に係る費用について、その費用負担を軽減するため、当該事業を主体となって実施する企業・団体に必要経費の一部を補助します。

【J-LOD④】
コンテンツのサプライチェーンの生産性向上に資するシステム開発を行う事業の支援
コンテンツのサプライチェーンの生産性向上に資するシステム開発を行う事業に係る費用について、その費用負担を軽減するため、当該事業を主体となって実施する企業・団体に必要経費の一部を補助します。

【J-LOD⑤】
デジタル配信を念頭においたストーリー性のある映像の制作・発信を行う事業の支援
デジタル配信を念頭においたストーリー性のある映像の制作・発信を行う事業に係る費用について、その費用負担を軽減するため、当該事業を主体となって実施する企業・団体に必要経費の一部を補助します。

J-LOD⑤は、企業のブランディングのために、自社の姿勢や理念に対する顧客の共感を呼ぶストーリー性のある映像(ブランデッドコンテンツ)を制作する事業について、映像制作・発信、効果検証等に必要な経費の一部を支援します、とされています。

2020年3月31日~10月30日の公募時に公表された際のチラシはコチラをご覧下さい。

対象となるコンテンツ

具体的にどのようなコンテンツを対象としているのでしょうか。
前年は、以下のコンテンツを対象としていました。

映像

※デジタル配信に適した長さのもの(推奨 1~3 分、最長 15 分)
※ジャンルは問いません(ドキュメンタリー、アニメーション含む)

テレビ放送用のCMは、通常15秒か30秒、長いものでストーリー仕立てのCMだと1分や3分なので、「推奨」はこれを念頭に置いているものと思われます。

これに対し、対象外としているコンテンツは次の通りでした。

・製品・サービスの直接的な購買を目的としたもの
・単なる企業・製品紹介、経営者のメッセージのみを映像化したものなど、ストーリー性が無いもしくは薄いもの
・ストーリー性があっても企業姿勢や理念に結びついていないもの(関連の薄いストーリー作品中でのプロダクトプレイスメントによる演出など)

公募要項にはもう少し補足がありました。
この補助金では、以下の要件をすべて満たした事業を対象としています、と書かれています。つまり「アンド条件」です。

①主としてデジタル配信を行う映像の制作であること
※デジタル配信とは、動画配信プラットフォーム、SNS、クラウドファンディング等
※上映のみ及びテレビ放映のみは対象外

②ブランディングを目的として、事業者の姿勢や理念に対する共感を呼ぶストーリー性のある映像を新たに制作する事業であること
※ブランディングとは、事業者自体または事業者の製品・サービスの認知向上や理解促進など、ブランドへの態度変容等を目的とした手法のこと

③完成した映像を発信し、その効果を測定すること

このように、①映像をデジタル配信する先はYouTube等のプラットフォームやFacebookやTwitter等のSNS、もしくはクラウドファインディング等であり、②共感を呼ぶストーリー性のある映像を「新たに」制作する事業であり、③効果測定することまでを必須とされていました。

この辺りは令和2年度版も変わり無さそうです。

補助金の上限と対象経費

補助金の上限は、令和元年においては次の通りでした。

(画像はクリックで拡大します)

 

では補助対象経費と対象外経費とはそれぞれどのようなものでしょうか。
以下の経費が補助金の対象とされていました。

いずれの費用も、補助を受ける事業のために事業者自身が支出したもののみが対象です。
なお費用によっては補助対象額に制限をかけることがあるそうです。

なお、この補助金では以下が対象外とされていました。

旅費交通費や飲食代(出演者の弁当代や会食費)が対象とならない点にはご注意下さい。
財源は税金ですから、会食費などがNGというのは納得です。

応募方法と採否のポイント

応募方法ですが、前年は応募フォームから必要事項を入力し、必要書類を添付のうえ、応募する仕組みでした。

事前に「事業者登録」を行った上で、応募書類を提出します。
それぞれの必要書類は以下の通りでした。

【事業者登録書類】
・事業者登録フォーム(ウェブサイトからダウンロード)
・登記簿謄本
・直近2期分の決算書
・会社案内やパンフレット等の補足資料(任意)

 

【応募書類】
・事業応募フォーム(ウェブサイトからダウンロード)
・収支計画フォーム(ウェブサイトからダウンロード)
・実施体制図
・企画内容(絵コンテ)
・補足資料(既存の見積書等)

 

申請書類を記載する上で押さえておきたいポイントは以下の6つです。

①ブランディングの目的の明確化
自社の現状や課題を整理し、それらを踏まえたブランディングの目的とコンセプトを明確に掲げる

②ペルソナの設定
目的の達成のために、誰のどのような行動を期待するのかを決める

③デジタルメディアの活用
メディアの特性を理解し、それぞれを連携させた計画をたてる

④映像コンテンツの種類と表現手法
ブランディングの目的を踏まえて、コンテンツの種類や表現手法、映像の尺を選定し、見た人がシェアしたくなるようなコンテンツを制作する

⑤期待する効果とその計測
ブランデッドコンテンツ視聴者の行動・意識などにどのような影響が出るかポイントを決め、その計測方法を考える

⑥コンテンツ制作費は企業側から提示する
コンテンツ制作費、媒体費、効果検証に関する費用も含めた全体予算を策定し、制作会社に制作費予算を提示する

そして肝心の審査基準ですが、応募された事業は審査委員により「コンテンツ力」「戦略性」「事業内容」「費用の合理性」の観点から審査されます。

前年は加点ポイントとセットで審査基準が公表されていました。
加点ポイントは必須ではありませんが、採択される可能性を高めるためにぜひ訴求したいところです。

(画像はクリックで拡大します)

 

戦略性や事業内容の加点ポイントに「海外展開発信力」や「コーディネーターとの連携」がある点が特徴です。

スケジュール(予想)

前年のスケジュールは次の通りでした。

実施期間:2020年3月31日~2021年3月31日
申請期限:2020年10月30日

そして、事業の募集開始は「2020年3月31日」でした。
したがって「今年もそろそろ・・・」というわけです。

全体スケジュールは以下の通りで、10月末までに申請して翌年2月末までに「事業完了」する必要があります。

「事業完了」とは、映像を制作・配信し、全ての支払いを終え、効果を測定し、実績報告書を提出することまでを言います。
原則として「すべての作業の終了日から90日以内」に事業完了すべしとされています。

(画像はクリックで拡大します)

 

 

なお、前年は4月から10月まで毎月月末、計7回の応募締切がありました。

応募締切と採否連絡日は次の通りでした。

(画像はクリックで拡大します)

 

申請のちょうど1カ月後に採否通知があります。

まとめ

今年度もコンテンツグローバル需要創出促進・基盤強化事業費補助金が募集されることは間違いありませんが、J-LODの⑤がどのような公募要項となるか、前年と同様の規模や採択基準、スケジュールとなるのかは、続報をお待ちください。

このように、御社も当補助金を利用することによって「デジタルマーケティング」に取り組めるチャンスであるかもしれません。

弊社では、J-LOD⑤についてもご相談を受け付けさせていただきますので、デジタル配信を念頭に置いたストーリー性のある映像の制作・発信を行う事業に関心がおありの事業者様は、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。

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