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補助金の加点以外にもメリット多数!?「経営力向上計画」とは?

今回は、小規模事業者持続化補助金の審査で加点項目である「経営力向上計画」についてご紹介します。

今回お伝えしたいポイント1. 経営力向上計画の目的とは

2.認定されることによるメリットは何か?

3.具体的にどのような内容を策定するのか?

中小企業者を支援するための制度にはさまざまな種類があります。その中でも今回ご紹介する「経営力向上計画」は、比較的申請のハードルが高くありません。そして、経営力向上計画に認定されると、補助金の優先採択のみならず、税制優遇や融資などメリットがあります。

今回は、認定して得られるメリットを中心にご紹介していきますので、ぜひご参考にして頂ければ幸いです。

経営力向上計画の目的とは?

経営力向上計画を一言でいうと、 「中小企業が人材育成やコスト管理、設備投資などを行って自社の経営力を高めるために策定し実施する計画」 のことです。

(図参照:関東信越厚生局ホームページ)

経営力向上計画は、中小企業庁が定めた制度であり、中小企業等経営強化法により施行されています。策定した事業計画を中小企業庁に申請し、認定されることで税制の優遇や金融支援、法的支援を受けることができます。

また、事業計画の策定や申請手続きにおいては、経営革新等支援機関のサポートを受けることができます。どのように申請すべきかよくわからない事業者でも安心して手続きを行うことができます。

以下、よくある質問をいくつかご紹介します。(クリックすると開きます)

経営力向上計画の事業分野と提出先は?
事業分野によって提出先が異なりますので、まず「日本標準産業分類」で、該当する事業分野の中分類・細分類項目名をご確認ください。分類名は計画に記載することが必要です。
(日本標準産業分類)
申請方法は?
紙による郵送又は電子申請で行います。電子申請は、 「経営力向上計画申請プラットフォーム」から申請してください。なお、電子申請には、GビズIDアカウントが必要となります。アカウントの取得には約2週間程度かかりますので、計画的な取得をお願いします。
計画書を作るのは大変?
国が出す支援制度と聞くと、「申請が複雑で大変そう・・」と思われる事業者様も多いと思います。しかし、経営力向上計画は申請書様式は3枚程度となっており、それほど難しくはありません。また、 HKSでも経営力向上計画の策定支援をしておりますので、ご不明な点はご相談頂ければと思います。
認定までにどれくらいかかるの?
電子申請の場合は、申請してから認定までに、標準で2週間程度と公表されています。計画書の着手から認定まで1か月程度は見ておく必要があると思います。

~MEMO~

令和4年5月31日時点で、経営力向上計画に認定されている事業者は、全国累計140,690社となっています。これまで多くの中小企業・小規模事業者に対して、中小企業強化税制(即時償却等)による税制面の支援や、資金繰り等の支援を実施しています。

認定されることによるメリットは?

経営力向上計画を策定して、国に申請して認定を受けると、小規模持続化補助金の優遇措置以外にも、税制措置や法的支援、金融支援を受けられるというメリットがあります。

(図参照:経営力向上計画の手引き)

経営力向上計画を策定する前に、上図の3つの制度の利用を検討し、事前確認・準備を行います。

ここでは、税制措置、法的支援、金融支援についてご紹介します。

(1)税制措置

経営力向上計画による税制支援は、「中小企業経営強化税制」です。

中小企業経営強化税制は、設備等の取得に対する税制措置であり、法人税や所得税を全額または一部控除できます。

(図参照:中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き)

例えば、機械装置や設備等を導入する予定がある場合、その資産の全額控除してもらえたり、10%もしくは7%控除してもらえたりします。

ただし、税金の控除は、下記の条件に該当する必要がありますので、注意が必要となります。

・個人事業主は青色申告書を提出していること(白色申告書は対象外)

・法人は資本金または出資金の額が1億円以下であること

・資本金または出資金を有しない法人のうち、常時使用する従業員数が1,000人以下の法人であること

・個人事業主も常時使用する従業員が1,000人以下であること

(2)法的支援
経営力向上計画の法的支援は、以下の3つの特例があり、主に事業承継等を行う際に利用できます。
 1.業法上の許認可承継の特例 

以下7つの許認可事業の継承等を行う場合は、承継される事業者から許認可に関わる地位を引継ぐことができます。

①旅館業、②建設業、③火薬類製造業、④火薬類販売業、⑤一般旅客自動車運送業、⑥一般貨物自動車運送業、⑦一般ガス導管業

 

 2.組合発起人数の特例 

企業組合又は協業組合を設立する場合は、通常発起人が最低でも4人以上必要ですが、特例により3人で可能となります。

 

 3.事業譲渡時の免責的責務引受 

事業譲渡により他者から取得する経営資源を活用する場合は、通常債権者からの個別の同意が必要ですが、特例により債権者から1ヶ月以内に返事がなければ債権者の同意があったものとみなすことが可能となります。

(3)金融支援
経営力向上計画が認定された事業者は、政策金融機関の融資、民間金融機関の融資に対する通常とは別枠での信用保証、債務保証等の資金調達に関する支援などを受けることができます。新たな事業を展開する場合の投資などにおいて資金調達方法は非常に重要ですので、金融支援が受けられる点は大きなメリットです。

具体的な金融支援の種類は、以下の7つです。

①日本政策金融公庫による融資、②中小企業信用保険法の特例、③中小企業投資育成株式会社法の特例、④日本政策金融公庫によるスタンドバイ・クレジット、⑤日本政策金融公庫によるクロスボーダーローン、⑥中小企業基盤設備機構による債務保証、⑦食品等流通合理化促進機構による債務保証

 

(図参照:中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き)
ここでは、金融支援策一つひとつの紹介は割愛させて頂きますが、ご興味がありましたらこちらの手引きをぜひご参照ください。

何を策定する必要があるの?

経営力向上計画の策定では、3つのステップがあります。

 1.事業分野の確認 

先ず、該当する事業分野を確認する必要があります。事業分野確認は「日本標準産業分類」から確認することができます。

 

 2.事業分野別指針の確認 

次に、事業分野別指針が策定されている業種に関しては、基本指針を踏まえて策定することが必要です。

事業分野別指針、基本方針の確認は、「中小企業庁:事業分野別指針及び基本方針」から確認できます。

 

 3.申請書の作成 

中小企業庁の「経営力向上計画申請書作成の手引き」を活用して申請を作成していきます。手引きの中に具体的な申請書の記載例がありますので安心です。

以上の3つのステップで、経営力向上計画を策定していきます。

なお、策定後の申請手続きについては、上記手引きをご参考ください。

さいごに

今回は経営力向上計画についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

経営力向上計画は、認定されると金融支援や税制優遇、法的支援、補助金の優遇制度など多数のメリットがあります。設備投資等をご検討されている事業者様はぜひご活用下さい。

なお、HKSでは小規模持続化補助金等の申請時に、経営力向上計画の作成をお勧めしております。多くの支援実績がございますので、よろしければご相談下さい!

今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。

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