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事業再構築補助金 第10回公募が始まりました!
新たに追加された「市場拡大要件」「市場縮小要件」とは?

3月30日より、事業再構築補助金 第10回の公募が開始されました。

1月15日付HKSブログ「事業再構築補助金(令和4年度第二次補正予算)の概要をスッキリ解説!」でも概要をお知らせしましたが、第9回から大きく変更になっている部分があります。

今回はその中でも、成長枠・サプライチェーン強靭化枠に適用される「市場拡大要件」、産業構造転換枠に適用される「市場縮小要件」について分かりやすくご説明します。ぜひ最後までお読み下さい。

今回お伝えしたいポイント1.   事業再構築補助金 第10回の概要

2.「市場拡大要件」「市場縮小要件」はどんな場合に適用されるのか?

3.「市場拡大要件」「市場縮小要件」の対象となる業種は?

事業再構築補助金 第10回公募の概要

事業再構築補助金は、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業・業種転換、事業再編、国内回帰またはこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的としています。

今回の第10回公募からは、従来の申請枠の類型が大きく見直され、下記の通り「物価高騰対策・回復再生応援枠」「産業構造転換枠」「サプライチェーン強靱化枠」「成長枠」が新設されることになりました。

なお、応募期間は令和5年3月30日(木)から令和5年6月30日(金)18:00までとなっていますので、ご注意下さい。

(出所:中小企業庁 事業再構築補助金ホームページ 「事業再構築補助金の概要」)*画像はクリックで拡大できます。

「市場拡大要件」「市場縮小要件」とは?

上記の全ての枠に共通する必須要件として、

・事業計画について認定経営革新機関等の確認を受けること
・付加価値額を向上させること

の2点がありますが、それに加えて各枠の特性に応じた追加要件が規定されています。今回新設された「成長枠」「サプライチェーン強靭化枠」「産業構造転換枠」については、「市場拡大要件」「市場縮小要件」が適用されることになりました。

適用される枠 要件 内容
成長枠

サプライチェーン強靭化枠

①市場拡大要件 事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること
産業構造転換枠 ②市場縮小要件 ・現在の主たる事業が過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上縮小する業種・業態に属しており、当該業種・業態から別の業種・業態に転換すること

または

・地域における基幹大企業が撤退することにより、市町村内総生産の10%以上が失われると見込まれる地域で事業を実施しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の10%以上を占めること。

 

「成長枠」は、成長分野に向けた大胆な事業再構築に取り組む事業者を支援するもの、「サプライチェーン強靭化枠」は、海外に展開している部品等の製造の国内回帰を進めて国内サプライチェーンの強靱化及び地域産業の活性化に取り組む事業者を対象とするもの、という制度の趣旨から、10年間で市場規模10%以上の拡大という基準が設けられたと考えられます。

一方、「産業構造転換枠」は、国内市場の縮小などの産業構造変化を受けて事業者に事業再構築を促すものなので、対象業種を判定する上で、10年間で市場規模が10%以上縮小という判断基準が設けられたと思われます。

①市場拡大要件の対象となる業種・業態

「成長枠」および「サプライチェーン強靭化枠」における、市場拡大要件の対象となる業種・業態は、次の通りとなります。

A. 経済産業省が指定した業種・業態
*但し、サプライチェーン強靭化枠は製造業に限定されます。

経済産業省「工業統計調査」「企業活動基本調査」を基に、2009年~2019年の間に市場規模が10%以上拡大している業種が日本標準産業分類(小分類)別に指定されています。2023年3月30日現在では109業種が対象となっており、うち製造業が80業種と、全体の73%を占めています。内訳をみると、電気機械器具製造業を除いて幅広い業種が対象となっていることが分かります。続いて、卸・小売が13業種(全体の12%)、サービス業が8業種(7%)となっています。

 

B.  事務局が予め指定した業種・業態(上記A)以外で、業界団体等の申請により認められた業種・業態

令和5年3月30日現在のリストでは、次の4業種が対象となります。

・宇宙機器産業
・宇宙利用サービス産業
・リチウムイオン蓄電池の製造に使用するために特に設計又は加工した部素材の製造業
・アート産業

これらは、日本標準産業分類とは異なる区分になりますが、各業界団体が将来的に市場が10%以上拡大することを根拠をもって示し、経済産業省に認められたことによってリストに追加されたものです。

 

C.  上記A・B以外に、応募時に要件を満たす業種・業態であることを証するデータを提出し、認められた場合

公募要領にはこのように書かれているものの、応募者自らが市場の成長を表す客観的なデータを提示し、経済産業省の承認を得る必要がありますので、現実的には上記AまたはBの業種リストに掲載される業種のみが対象と考えた方が良さそうです。

②市場縮小要件の対象となる業種・業態、地域

「産業構造転換枠」における市場縮小要件の対象となる業種・業態は次の通りです。

A. 事務局が指定した業種・業態 

令和5年3月30日現在のリストでは、次の2業種が掲載されています。

・出版業(電子出版のみの事業者は除く)及び書籍・雑誌小売業
・粘土かわら製造業

これらは、各業界団体等が要件を満たすことを示し、経済産業省に認められたものです。

 

B. 上記A・B以外に応募時に要件を満たす業種・業態であることを証するデータを提出し、認められた場合

 

C. 地域における基幹大企業が撤退することにより、市町村内総生産の10%以上が失われると見込まれる地域で事業を実施しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の10%以上を占める事業者も対象となります。この対象地域として認められるためには、自治体が資料を作成して証明することが求められており、現時点では次の3地域・企業が対象となっています。

市区町村名 地域における基幹大企業
広島県呉市 日本製鉄株式会社
和歌山県有田市 ENEOS株式会社(和歌山精油所)
北海道名寄市 王子マテリア株式会社(名寄工場)

 

産業構造転換枠については、このように事務局が指定している業種や地域が現時点では極めて限られています。これらの業種以外の企業様がこの枠に応募しようとする場合は、応募者自らが市場の縮小を表す客観的なデータを提示する必要がありますので、応募のハードルがかなり高いと考えられます。

さいごに

事業再構築補助金 第10回から一部の枠に適用される「市場拡大要件」「市場縮小要件」を中心にご説明しました。対象となる業種や地域は順次拡大していくと思われますので、応募を検討される際は、最新の情報を事業再構築補助金ホームページの「事務局からのご案内」で確認されるか、またはHKSにお気軽にお問い合わせ下さい。

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HKSでは事業再構築補助金において、多くの支援実績がございますので、よろしければご相談下さい!

今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。

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