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物価高騰の波を乗り越えろ!中小企業お助け情報!!

電気代や原材料の値上げ、止まらない人件費の高騰――。経営者の皆さんも「もう限界だ!」と感じたことはありませんか?

特に中小企業では、少しのコスト増がそのまま経営を揺るがします。そんな逆境を乗り越えるために、自治体が用意している強力な支援制度があります。本記事では、渋谷区の「緊急中小企業支援資金(人件費・物価高騰対策)」を例に、資金繰りの安定化や事業再生に役立つ情報をわかりやすく紹介します。

今回お伝えしたいポイント1. 物価高騰が中小企業に与える影響

2.渋谷区の緊急支援「人件費・物価高騰対策」融資制度

3.具体的な活用事例とメリット

4.申請の流れと注意点

5.中小企業が生き残るための戦略

物価高騰が中小企業に与える影響

ここ数年、日本経済は大きな転換点を迎えています。原油やガスなどエネルギー価格の上昇、輸入原材料の価格高騰、円安による仕入れコストの増大――これらが複合的に中小企業の経営を直撃しています。

特に、飲食業・小売業・製造業では、仕入れや光熱費が大幅に増加し、利益を圧迫しています。例えば、売上が横ばいでも原材料費が10%上昇すれば、営業利益率は一気に縮小します。従業員の給与水準を引き上げなければ人材流出につながる一方、売価に転嫁しすぎれば顧客離れを招きかねません。

この「板挟み状態」は、中小企業にとって極めて深刻です。経営者にとっては、短期的には資金繰りを安定させる手段を確保し、長期的には収益構造を強化することが求められています。

こうした状況を踏まえ、国や自治体は「資金繰り支援」「補助金制度」「経営改善相談窓口」など、多様な支援策を打ち出しています。これらを知らない・使わないこと自体が、経営リスクとなる時代に突入しているのです。

渋谷区の緊急支援「人件費・物価高騰対策」融資制度

渋谷区では、中小企業の経営改善を目的とした「緊急中小企業支援資金(人件費・物価高騰対策)」を用意しています。

この制度の特徴を整理すると以下の通りです。

  • 受付期間:令和8年3月31日まで
  • 融資限度額2,000万円以内
  • 資金用途:運転資金
  • 貸付期間:7年以内(据置1年含む)
  • 利率無利子(区が利子補給:1.7%以内)
  • 対象者
    ① 1年以上事業を営み、直近3か月の売上高・売上総利益・営業利益いずれかが前年同期比10%以上減少した事業者
    ② 創業1年未満で、直近1か月と創業後の任意3か月平均を比べて10%以上減少している事業者
  • 信用保証料:自己負担(利息ゼロとのバランスに注意)
  • 対象外条件:渋谷区外へ移転した場合や事業廃止時など

特筆すべきは「無利子で2,000万円まで借りられる」という点です。通常、中小企業が金融機関から資金を借りる場合、利息負担が重くのしかかります。例えば年利1.5%で2,000万円を借りれば、年間30万円の利息が発生しますが、本制度ではこれを区が肩代わりしてくれます。

これは資金繰りの安定化に直結する大きなメリットであり、特に急激なコスト増に直面している企業にとっては極めて有効な施策です。

具体的な活用事例とメリット

実際にこの制度を活用すれば、どのようなメリットがあるのでしょうか。想定されるケースをいくつか紹介します。

事例1:飲食店のケース

コロナ禍を乗り越えたものの、光熱費と食材費の高騰でキャッシュ不足に直面。無利子融資により6か月分の人件費を確保し、経営を安定化。新メニュー開発に時間と資金を回すことができた。

事例2:製造業のケース

原材料費が20%上昇。通常であれば仕入れの分割発注で対応するところを、融資を利用してまとめ買いすることでコスト抑制に成功。結果的に利益率を維持できた。

事例3:創業間もないIT企業のケース

創業半年で顧客基盤が不安定な時期に、人件費負担が重くのしかかる。制度を利用して1年分の運転資金を確保。余裕をもって新規案件獲得に集中できた。

これらに共通するのは「資金繰りに余裕が生まれることで、攻めの戦略が可能になる」という点です。借入=マイナスと捉えるのではなく、「事業の選択肢を広げる投資」として考えることが重要です。

申請の流れと注意点

制度を利用する際は、以下の流れを理解しておきましょう。

1.オンラインで事前予約(経営相談員との面談が必須)
2.必要書類の準備(決算書、納税証明書、売上台帳など)
3.区役所での面談と書類提出
4.金融機関・信用保証協会による審査
5.融資実行

ここで重要なのは 「売上減少の証明」 です。
売上高だけでなく「売上総利益」や「営業利益」でも比較が可能なので、自社のどの数値が最も条件に適合するかを事前に把握しておくとスムーズです。

また、注意点として以下を押さえておきましょう。

  • 締切間際は予約が集中しやすいので早めに行動する。
  • 信用保証料は自己負担になるため、コスト計算を忘れない。
  • 渋谷区外への移転や事業廃止で利子補給が打ち切られる点に注意。
  • バーチャルオフィスでの登記は原則対象外。

これらを見落とすと、せっかくの制度を活用できない恐れがあります。

中小企業が生き残るための戦略

制度を活用して資金繰りを安定させた後、経営者が考えるべきは「持続可能な事業モデルの構築」です。

1.コスト構造の見直し

固定費の削減や仕入先の再検討を進めることで、利益率を改善。小さな積み重ねが中期的には大きな成果を生みます。

2.デジタル活用による効率化

クラウド会計ソフトや在庫管理システムを導入することで、業務効率を高め、少人数での運営を実現。オンライン販売チャネルの開拓も有効です。

3.新規事業の開拓

既存事業に依存しすぎるリスクを避けるため、関連分野への多角化を検討。小規模でも副収益源を持つことが、危機時の安定につながります。

4.補助金・助成金の併用

例えば「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」などを併用すれば、設備投資や販路拡大を低リスクで実施できます。融資で資金繰りを確保しつつ、補助金で投資を行うという二段構えが効果的です。

物価高騰の波は長期化が予想されます。中小企業が生き残るためには、ただ「耐える」のではなく「攻めと守りを両立」させる経営姿勢が不可欠です。

渋谷区の融資制度を足がかりに、次の一歩を踏み出す準備を整えましょう。

おわりに

物価高騰の荒波を乗り越えるには、最新の支援制度を正しく理解し、素早く行動に移すことが欠かせません。融資や補助金の活用はもちろん、自社に合った経営戦略を描くことで、厳しい時代をチャンスに変えることができます。私たちは中小企業の皆さまの伴走パートナーとして、具体的な解決策をご提案します。ぜひお気軽にご相談ください。

 

今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。

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