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「事業再構築補助金の概要」が発表されました
事業再構築補助金(3月公募開始予定)は、中小企業の思い切った事業再構築を支援するための補助金です。昨年末にリーフレットが公開されていましたが、2月15日に新たに制度概要が公表されました。このブログでは、今回新たにわかった点や注意点についてまとめています。なお、HKSでは制度概要を下記のリンクにまとめています。こちらのページもぜひご覧ください。
https://hksllc.co.jp/subsidy/saikouchiku/
支援対象に中堅企業(資本金10億円以下(調整中))が加わりました
本補助金では支援対象として、中小企業と別に新たに「中堅企業」というカテゴリが加わりました。「中堅企業」の定義はリーフレットには記載されていませんでしたが、今回の概要には、その見込みが記載されています。なお正確な定義は公募要領で案内されるようです。
公募は令和3年度内に複数回実施予定
3月の公募に間に合わなかった場合でも、応募の機会が予定されています。ただ、回数がまだ公開されていないなど不確定要素もあります。できるだけ早めの公募をお勧めします。
利用できる費用は設備投資とその付帯費用
本補助金が支援する費用が、設備投資や新しい事業の開始に必要な経費と明示されました。事業開始に必要な経費には、社員の研修費や広告宣伝費・販促費、また設備のリース費用、クラウド費用、専門家経費も含まれます。
なお、従業員の人件費・旅費、車両、汎用品(PC、スマートホン、家具)、販売商品の原材料費、消耗品費、光熱費、不動産の購入などは補助対象外です。
補助経費の事例:
小売業の業態転換 | 店舗縮小に係る建物改修の費用
新規オンラインサービス導入に係るシステム構築の費用 |
飲食業の業態転換 | 店舗縮小に係る建物改修の費用
新規サービスに係る機器導入費や広告宣伝のための費用 |
サービス業の新分野展開 | 建物改修の費用
新サービス提供のための機器導入費や研修費用 |
製造業の新分野展開 | 事業圧縮にかかる設備撤去の費用
製造のための新規設備導入にかかる費用 新規事業に従事する従業員への教育のための研修費用 |
事業計画策定と支援機関活用が必須
補助金交付の審査は提出された事業計画を基に行われます。下記のポイントを含んだ合理的で説得力ある事業計画を作成する必要があります。そのとき、認定経営革新等支援機関と相談して作成することが求められています。補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)も参加して策定する必要があります。
応募申請時には認定支援機関又は金融機関が確認したことが分かる確認書の提出が必要となるようです。なお、応募そのものは事業者様にて実施いただく必要があります。
- 認定経営革新等支援機関
中小企業を支援できる機関として、経済産業大臣が認定した機関です。中小企業庁のホームページで、認定経営革新等支援機関を検索することが可能です。(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/)
昨年比3か月間の業績悪化が要件(3か月は連続でなくてよい)
申請要件に「申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している。」とあります。この3か月は6か月のうちの任意の月でよく、連続している必要はありません。
補助事業期間は約1年
設備導入など補助事業は、交付決定後1年程度で完了する計画にする必要があります。また、策定した事業計画は、補助事業期間後もフォローアップされ、導入した資産の管理状況も厳格に管理されますので、ご留意ください。
他の補助金との併用はできない
ものづくり補助金などの他の補助事業との併用は、応募事業が同一の場合はできません。
卒業枠、V字回復枠では要件未達成の場合の留意点(補助金一部返還)
卒業枠では、事業計画期間終了後正当な理由なく中堅企業に成長していない場合、V字回復枠では、予見できない大きな事業環境の変化に直面するなどの正当な理由なく付加価値目標未達の場合、補助金の一部返還が求められる予定となっています。
- 卒業枠:事業計画期間内に、①組織再編、②新規設備投資、③グローバル展開のいずれかにより、資本金又は従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠(400社限定)
- V字回復枠:以下の要件を全て満たす中堅企業向けの特別枠。(100社限定)
1. 直前6か月間のうち任意の3か月の合計売上高がコロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して、15% 以上減少している中堅企業。
2.補助事業終了後3~5年で付加価値額又は従業員一人当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を達成を見込む事業計画を策定すること。
3.グローバル展開を果たす事業であること。
申請は「GビズIDプライムアカウント」が必要
申請は全て電子申請で、ものづくり補助金などと同様にGビズIDプライムアカウントが必要です。このIDの発行には通常2週間以内の時間を要しますが、現在混み合っているとのお知らせが出ています。2~3週間要する場合もあるようですので、事前のID取得をお勧めします。
おわりに
経済産業省のホームページには、公募期間は1カ月、公募要領は公募開始と同時に公表予定とあります(2月19日時点)。3月に公募をご検討中の事業者様にとって、時間的余裕があまりありません。そのため経営支援機関に早めに相談し、事業計画などの具体的検討に着手することをお勧めします。HKSも経営支援機関です。ぜひご相談ください。
そのほか現時点の詳細情報は、こちらをご覧ください。
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/index.html
補助金活用支援会(HKS)パートナー、中小企業診断士
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