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「事業再構築補助金」第3回公募結果 〜採択率低下?〜

事業再構築補助金の第3回公募の採択結果が11月30日に発表されました。応募状況と採択結果について、事業再構築補助金事務局から公表された資料をもとに分析します。

♦ 事業再構築補助金事務局「第3回公募の結果について」もあわせてご覧ください。

 

第3回公募の採択率は44.4% 〜第2回よりわずかに減少〜

 ①  応募件数:20,307件
 ②  申請要件を満たした件数:18,519件(91.2%)
 ③  採択件数:9,021件
 ④  採択率(③÷①):44.4%

応募件数は、これまでで最も少ない20,307件で第2回公募から493件減少しました。申請件数(書類不備等がなく、申請要件を満たした件数)は、第2回より884件増加しました。応募件数に対する申請件数の割合は91.2%で、3回の公募の中で最も高くなりました(第1回;86.5%、第2回;88.1%)。書類の不備はかなり改善されてきていますが、まだ審査に進めなかったものが1,788件ありました。

第3回公募から “大規模賃金引上枠”と“最低賃金枠”が新たに設けられました。“グローバルV字回復枠”もありますが、事務局から公表された資料に記載がないので、応募がなかったものと推測されます。また、前回までは中小企業者等と中堅企業等別に公募結果が示されていましたが、今回は区別されていません。

採択率を5つの枠別に見てみると、最低賃金枠が最も高く80.0%、次いで緊急事態宣言特別枠66.7%大規模賃金引上枠60.0%となっています。通常枠は37.0%で前回の36.3%より0.7ポイント増加しています。全体の合計では、今回の採択率は第2回の44.9%から0.5ポイント下がり44.4%でした。全体の採択率は5割弱ですが、最も応募の多い通常枠の採択率は4割に満たないので、応募の半数近くが採択されると誤解しないよう注意が必要です。

製造業、宿泊業・飲食サービス業で採択数、採択割合が高く

業種別では、これまでと同様、応募の構成比は製造業と卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業が高く、この3業種で全体の5割以上を占めています。採択の構成比でもこの3業種の割合が高くなっています。前回と同様に、製造業と宿泊業・飲食サービス業の採択率が50%を超えています。
採択はありませんでしたが、農業、林業から203件の応募がありました。

都道府県別では採択率が全体的に底上げ

都道府県別に応募・採択状況を見てみると、採択率が最も高かったのは富山県で50.9%、次いで鳥取県50.0%でした。富山県は第2回公募の採択率が最も高かった県で2回連続での高採択です。

第2回公募では採択率50%を超えるところは8県ありましたが、今回は2件です。しかし、全体の平均採択率を上回るところは、第2回(平均採択率44.9%)の21府県から第3回(平均採択率44.4%)は26府県に拡大しました。また。採択率が最も低いところと高いところの差は第2回の35ポイント(最低25.5%、最高60.5%)に対し、第3回は19.3ポイント(最高50.9%、最低31.6%)でした。都道府県ごとの採択率の差が縮小しており、全体的に採択率が底上げされてきています。

応募金額は補助上限額を意識か

応募金額と採択金額の分布状況を見ると、応募金額では1,500万円以下が43%、採択金額でも47%と全体の約4割強を占めています。
第3回公募では、第2回と比較し3,001万円〜4,500万円以下が、応募は9%から20%、採択は9.1%から19%に増加しました。6,001万円〜1億円以下でも、応募と採択でそれぞれ第2回0.3%が第3回3%、第2回0.3%が第3回5%に増加しました。第2回公募時より応募と採択の金額分布が高額に若干シフトしています。

※ 事業再構築補助金事務局「事業再構築補助金第3回公募の結果」p6より

応募金額件数の分布をみると、3,000万円を超えると金融機関の確認が必要となり金額を抑えている可能性があるため、3,000万円以下の応募が多くなっていますが、3,501万円〜4,000万円以下の層が655件から3,104件と4.7倍に増加しています。事務局でも分析していますが、通常枠の補助上限額である4,000万円、6,000万円、8,000万円付近の応募が多い傾向にあります。

実際の採択金額の総額は示されていませんが、応募金額別件数と応募総件数から平均応募金額を算出すると、1申請あたり2,317万円になります。同様に算出した第1回公募時の平均応募金額は2,315万円、第2回は2,501万円でした。
今回の採択件数9,021件にこの平均応募金額2,317万円を掛け合わせると、約2,090億円となり、国の事業再構築補助金の予算額1兆1,485億の約18%となります。第1回と第2回公募時の試算では、それぞれ約2,000億円(約17%)、約2,335億円(約20%)でしたので、3回の公募で、6,425億円(約56%)を消化したものと想定されます。この予算であと2回の公募が予定されていますが、これまでの応募、採択状況からみると、まだ予算は充分残っていると考えて良さそうです。

認定支援機関別では士業(税理士関係を除く)が健闘

認定支援機関別に応募・採択状況をみると、前回までと同様に地銀と信用金庫の応募件数、採択件数が多くなっています。採択率は、公益財団法人が最も高く、次いでその他金融機関、中小企業診断士で50%を超えています。

※ 事業再構築補助金事務局「事業再構築補助金第3回公募の結果」p7より

全体の平均採択率(44.4%)を上回る機関種別は約半数の9機関です。認定支援機関種別ごとに応募、採択状況を見ると下表のとおりです。応募件数と採択率は必ずしも比例していません。

さいごに

11月26日に令和3年度補正予算案が閣議決定されました。この中でも事業再構築補助金の予算が6,123億円計上されています。この補助金活用支援会のブログでも紹介していますので、そちらの記事もご覧ください。

♦ 【速報】来年度の補助金について(2021年度補正予算閣議決定)

♦ 事業再構築補助金事務局のサイトでも令和3年度補正予算案の事業再構築補助金について詳しく説明しています。

事業再構築補助金第4回公募の締切りは12月21日(火)です。第5回公募は令和4年1月中に開始され、令和4年には3回程度公募が実施される予定とのことです。
補助金活用支援会(HKS)では、事業再構築補助金やものづくり補助金など、中小企業の皆様が補助金を活用するお手伝いをさせていただいております。お気軽にお問合せください。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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  1. 2021年 12月 07日
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