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パートナーシップ構築宣言って何!?補助金の加点だけじゃない!制度のポイントを解説

聞いたことはあるけど、どんな制度かわからない、という方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、「パートナーシップ構築宣言」について紹介いたします。

いくつかの補助金の加点措置が受けられるなどのメリットがあるこの制度、中身を見ていきます。

 

今回お伝えしたいポイント1. パートナーシップ構築宣言はどんな制度か?
2. 宣言することのメリットは何か?
3. 宣言する際の注意点は何か?

 

パートナーシップ構築宣言ってどんな制度?

パートナーシップ構築宣言は、経済産業省で実施している取組です。一言で言うと「良好な取引関係を築くことに協力的な事業者である」ことを宣言する制度です。

正式な定義は以下の経済産業省の定義をご確認下さい。

 

「企業が「発注者」の立場で自社の取引方針を宣言する取組」です。企業は代表者の名前で、「サプライチェーン全体の共存共栄と新たな連携(企業間連携、IT実装支援、専門人材マッチング、グリーン調達等)」「振興基準の遵守」に重点的に取り組むことを宣言します。

「パートナーシップ構築宣言」では、

  1. サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を越えた新たな連携
  2. 親事業者と下請事業者との望ましい取引慣行(下請中小企業振興法に基づく「振興基準」)の遵守

を宣言し、本ポータルサイトに掲載することで、各企業の取組の「見える化」を行います。

 

 

「パートナーシップ構築宣言」の仕組みは、関係閣僚(内閣府、経産省、厚労省、農水省、国交省及び内閣官房副長官)と経団連会長、日商会頭、連合会長をメンバーとする「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」において、令和2年5月に創設されました。

 

令和5年3月現在で、全国累計で19,096社が登録されています。

最近では令和4年11月には「パートナーシップ構築シンポジウム」が開催され、令和5年1月には経済三団体連名による「パートナーシップ構築宣言の実効性向上」に向けた要請が発信されるなど、政府・経済団体ともに推進している制度といえそうです。エネルギー価格高騰を背景に、適切な価格転嫁を行なえるような、サプライチェーン全体での機運醸成を狙い、制度の拡大・浸透を進めているようです。

 

「パートナーシップ構築宣言」登録事業者向けアンケート調査結果サマリーによると、登録事業者が宣言の検討をした際に「共存共栄の精神に賛同した」が6割を超え、次いで「取組姿勢を発信できる」が5割弱でした。一方で、課題となった項目は「特にない」が6割超で最多でした。

パートナーシップ構築宣言を公表している発注側事業者のうち、全体の94%が本宣言を「意識している」と回答しており、宣言の効果は高く感じられます。

 

別の中小企業庁が実施した調査では、パートナーシップ構築宣言を知っており、宣言しているまたは宣言する予定の企業においては、仕入先(外注先)との価格協議の場を設けている割合がそうでない企業より多い結果とのことです。一方でパートナーシップ構築宣言を公表している販売先が「いる」企業が全体で6.6%にとどまるなど、制度の活用が十分にされていない面も見受けられます。

(参照:中小企業庁 令和3年度取引条件改善状況調査結果概要)

 

このように、宣言の効果は高く、登録にあたっての課題はあまりない一方、取引先がこの宣言を理解していなければ効果がないため、関係者に制度趣旨を理解してもらう取組も求められるかもしれません。

 

宣言するとどんなメリットがあるの?

・宣言が公式ポータルサイトに掲載・公表される

・ロゴマークを使用できる

・達成できるSDGs目標がある

・一部の補助金の加点措置を受けることができる

(1)宣言が公式ポータルサイトに掲載・公表される

宣言が公式ポータルサイトに掲載・公表されます。登録企業の名前も掲載される為、宣言に協力的な優良事業者であることをPRできます。

登録企業リストはこちら

(2)ロゴマークを使用できる

ロゴマークを名刺等に使うことができ、取引先との共存共栄の関係を築こうとする会社(ホワイト企業)であることをアピールできます。

(3)達成できるSDGs目標がある

「宣言」の取組を実践することで達成できるSDGsの目標があり、同時達成ができます。

具体的には、以下の目標に取り組んでいることになります。

目標3:すべての人に健康と福祉を

目標8:働きがいも経済成長も

目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう

目標10:人や国の不平等をなくそう

目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

(4)一部の補助金の加点措置を受けることができる

一部の補助金の加点措置を受けることができます。その中にはものづくり補助金や事業再構築補助金も含まれます。

また、各地方自治体独自の取組もありますので、詳細は以下のポータルサイトのリンクをご確認下さい。

補助金の加点措置についてはこちら

 

ものづくり補助金の加点項目についてはこちらの記事も参照ください。

どうやって登録するの?

宣言にあたっては、以下の5つのステップで登録を行います。ポータルサイトにも登録方法の詳細について記載されています。

(参照:日本商工会議所特設サイト

Step1 ポータルサイトからひな形をダウンロード
Step2 自社の取組内容にあわせて宣言文に加筆・修正
Step3 PDF形式に変換
Step4 登録画面に必要事項を記載して、アップロード
Step5 内容に問題なければ登録・公表されます

宣言に当たって注意点は?

宣言の気になる点や注意点ををいくつかご紹介します。(クリックすると開きます)

宣言することのデメリットはあるの?
「パートナーシップ構築宣言」は自主的な取り組みですので、公的機関による強制的な調査や、宣言の内容を違反した場合の罰則はありません。ただし、主務大臣から「振興基準」に基づき指導または助言が行われた場合など本宣言が履行されていないと認められる場合には、本宣言の掲載が取りやめになることがあります。
時間はどれくらいかかるの?
通常、登録内容についての修正依頼事項がない場合、ご登録いただいた日の3~4日後に宣言文がポータルサイトにアップロードされます。
補助金の締切直前に宣言したいんだけど?

補助金の加点措置にされたい場合、締切までにパートナーシップ構築宣言の公開が必要になる場合があります。

例えば、第9回「事業再構築補助金」では締切の令和5年3月24日(金)18:00時点までで公表されている必要があります。そのため、ポータルサイトによると、令和5年3月16日(木)17:00までに登録申請の実施が必要となっています。修正が発生した場合に間に合わなくなる可能性がある為、早めに登録をしておく方が安心です。

(参照:事業再構築補助金公募要領(第9回))

 

さいごに

今回はパートナーシップ構築宣言についてご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。

 

昨今、エネルギー価格や原材料価格の高騰を背景に、価格転嫁や交渉に苦労されている事業者様も多くいらっしゃるのではないでしょうか。サプライチェーン全体で適正な価格交渉が出来る雰囲気を醸成するために、パートナーシップ構築宣言を活用していくのが政府の方針であり、共存・共栄の取組に共感される事業者様は宣言の登録を検討されてはいかがでしょうか。

 

なお、HKSでは各種補助金の申請にあたり、本制度も活用しての支援実績も多くございます。よろしければぜひご相談下さい。

 

 

以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。

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