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えるぼし・くるみん認定って何!? 制度と補助金への活用について解説します
はじめに
女性活躍等の取り組みは日本にとって重要な課題の一つといえます。
そのなかでも、えるぼし・くるみん認定は、就業環境の整備に活用できるとともに、様々な補助金の加点項目の一つになっているメリットもあります。
今回はそれらについて解説いたします。
今回お伝えしたいポイント1. えるぼし・くるみん認定とは何か
2.どんなメリットがあるのか
3.どうやって対応するのか
制度の概要
「えるぼし」「くるみん」ともに、都道府県労働局への申請により、厚生労働大臣の認定を受けることができる制度です。
どちらも女性活躍に取り組む企業を認定するものとなりますが、根拠となる法律や目的が異なっています。
えるぼしとは
えるぼしとは、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく認定制度で、一定の基準を満たし、女性活躍推進に関する状況などが優良な企業に発行される認定マークです。
厚生労働省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」によると、採用されてから仕事をしていく上で、女性が能力を発揮しやすい職場環境であるかという観点から、以下5つの評価項目が定められていて、その実績を「女性の活躍推進企業データベース」に毎年公表することが必要です。
- 採用
- 継続就業
- 労働時間等の働き方
- 管理職比率
- 多様なキャリアコース
えるぼし認定には3段階あり、上記5つの評価項目に対する実績がえるぼしの基準を満たしている項目数に応じて取得できる段階が決まります。
画像元:厚生労働省 職場情報総合サイト「しょくばらぼ」
えるぼし認定企業のうち、より高い水準の要件を満たした企業は「プラチナえるぼし認定」を受けることができます。
画像元:厚生労働省 職場情報総合サイト「しょくばらぼ」
えるぼし認定を受けている企業数は2023年6月末時点で2,270社にのぼります。
くるみんとは
くるみんとは、次世代育成支援対策推進法に基づく認定制度で、「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた証です。一般事業主行動計画を策定した企業のうち、計画に定めた目標を達成し、一定の基準を満たした企業は、申請を行うことによって「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けることができます。
この認定を受けた企業の証が、「くるみんマーク」です。より高い基準を満たすことで、「プラチナくるみん認定」を受けることもできます。
2022年12月末時点でくるみん認定は4062社、プラチナくるみん認定は535社に達しています。
2022年4月からは新たな認定制度「トライくるみん」がスタートし、ますます注目が高まっています。
画像元:厚生労働省ウェブサイト
くるみん認定企業は2023年3月末時点で4,131社にのぼります。
くるみん認定を受けた企業は厚生労働省のウェブサイトで一覧が公開されます。事業者としては、学生や社会一般へのイメージアップや優秀な従業員の採用・定着などにつなげることができます。
厚生労働省ウェブサイト「くるみん認定、プラチナくるみん認定及びトライくるみん認定企業名都道府県別一覧」
メリット
えるぼし・くるみんの認定を受けることで、以下のようなメリットが期待できます。
採用やマーケティングに活用するとともに、公的な優遇制度を活用できます。
- 認定を受けた企業名は厚生労働省のホームページに掲載される
- 自社の製品や広告、採用活動において認定マークを使用することが可能
- 企業ブランドの向上、イメージの向上による優秀な人材の確保
- 公共調達や低利融資の優遇措置を受けられる
対象となる補助金
加点措置の対象
中小企業庁のウェブサイトに、中小企業向け補助金における優遇による両立支援に向けた取り組み が掲載されています。
それによると、加点措置の対象となる補助金は以下の通りです。
- 事業再構築補助金
- ものづくり補助金
- IT導入補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- 事業承継・引継ぎ補助金
順次各補助金で開始されており、今後の公募回については対象になる予定です。
詳しくは、中小企業庁のサイトにあるチラシもご覧ください。
本ブログでも、事業再構築補助金におけるワーク・ライフ・バランス等の取組に対する加点について扱っています。よろしければこちらも参考にされてください。
加点措置の内容
応募申請時点で、以下のいずれかに該当していることが条件です。
(1)女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく認定(えるぼし1~3段階目、あるいはプラチナえるぼしのいずれか)を受けている。あるいは、従業員数100人以下であって女性の活躍推進データベースに女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している。
(2)次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく認定(くるみん、トライくるみん、あるいはプラチナくるみんのいずれか)を受けた。あるいは、従業員数100人以下であって一般事業主行動計画公表サイト(両立支援のひろば)に次世代法に基づく一般事業主行動計画を公表している。
加点措置を受けるには
補助金の加点措置を受けるためには、常時雇用する労働者が101人以上の場合はえるぼし・くるみんの認定を受ける必要があります。
常時雇用する労働者が100人以下であれば、以下のいずれかのケースでも該当します。
- 女性の活躍推進データベースに女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を公表
- 一般事業主行動計画公表サイト(両立支援のひろば)に次世代法に基づく一般事業主行動計画を公表
えるぼし認定を受けるには、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定・届出の上、女性の活躍に関する情報公表を行い、えるぼし認定申請を行う必要があります。
厚生労働省のパンフレットに詳細な手順があります。
くるみん認定を受けるには、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定の上、公表・労働者に周知して行動計画の実施後、くるみん認定申請を行う必要があります。
こちらも、詳細手順については厚生労働省の次世代育成支援対策推進法関係パンフレットをご参照ください。
従業員100人以下の企業は要件が緩和されており、一般事業主行動計画を策定し、公表することで加点措置を得ることができます。
おおまかな手順は以下の通りです。
- 一般事業主行動計画を策定する。
- 女性の活躍・両立支援総合サイトに会社の基本情報を入力し、新規登録する。
- 上記サイトに一般事業主行動計画を登録する。
上記サイト内に、手順の案内が記載されたパンフレットがありますので、こちらもご参照ください。
関連する助成金
えるぼし・くるみんともに国をあげて取り組んでいる重要課題に対する取り組みです。そのため、関連した助成金などの仕組みがあります。以下で一部を紹介いたします。
くるみん助成金
くるみんの認定によって、助成金に申請できるメリットもあります。
くるみん認定・くるみんプラス認定・プラチナくるみん認定・プラチナくるみんプラス認定を受けた中小事業主に対し、助成金を交付する制度があります。
要件を満たすと、対象経費に対して上限50万円の助成金を申請できます。
【申請受付期間】
前期 令和5年5月26日(金)~ 令和5年9月15日(金)
後期 令和5年10月20日(金) ~ 令和6年2月15日(木)
詳しくは、くるみん助成金ポータルサイトを参照下さい。
女性の活躍推進助成金
他にも、女性が働きやすい職場環境づくりに活用できる助成金があります。
例えば、東京都および東京しごと財団の雇用環境整備事業では、女性の新規採用・職域拡大を目的として、職場環境の整備に係る費用の一部を助成する制度があります。
トイレ・更衣室やベビールーム等、目的に合った設備の整備費用について助成を受けることができます。
詳しくは公益財団法人東京しごと財団のウェブサイトをご参照ください。
まとめ
えるぼし・くるみん認定を中心に、女性活躍等の取り組みと関連する補助金・助成金についてみてきました。いかがでしたでしょうか。
国が推進する施策を活用することで、事業者様にもメリットがあるとともに、補助金の獲得確率を高めることができる制度です。自社の取り組みが該当するようでしたら、ぜひとも積極的な活用をお勧めいたします。
HKSではこのような制度も活用し、様々な補助金申請のサポートをさせて頂いております。
よろしければ是非ともご相談ください!
今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。
補助金活用支援会(HKS)パートナー、中小企業診断士
ひとこと:事業者様に分かりやすい解説を心掛けております。お気軽にご相談下さい。