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【事業計画名の書き方】
文字数がオーバーするとどうなる? 事業計画名の書き方を解説
~ ChatGPTも使ってみよう~

事業計画名の書き方が分かった!

はじめに

「事業計画名は事業計画の顔」「事業計画名の書き方が採択を左右する」なんてよく言われます。
こんなことを聞くと「素敵な事業計画名を考えなくちゃ」って思いますよね。
補助金の申請書を書き始めると、最初の方に「事業計画名」を書く欄があります。
「素敵な事業計画名を考えなくちゃ」というプレッシャーがかかるので、ここで考え込んでしまい最初の段階で行き詰まってしまうという声を聞きます。
また「いい感じの事業計画名ができたんだけど、どうしても文字数が2~3文字オーバーしちゃう。オーバーすると採択は難しくなるの?」といった質問もよく聞きます。
このような時、どうしたらいいのでしょうか。
このブログで考えていきましょう

今回お伝えしたいポイント1.   事業計画名にはどのような内容やキーワードを盛り込むべきか

2.文字数をオーバーするとどうなるか

3.話題のChatGPTの使い方

事業計画名の重要性

審査員の第一印象を左右する

冒頭で「事業計画名は最初の方に書く項目」と言いましたが、審査員の立場に立つと「最初の方に見る項目」になります。
つまり審査員の第一印象は、事業計画名で左右されてしまうということです。
あなたが初対面の人からお願いごとをされたとき、第一印象がいい人だと願いをかなえてあげたいなという気持ちになりませんか。逆に第一印象が悪い人だとなんとか断れないかな、なんて思いがちです。
補助金も同じ。第一印象がいいと肯定的な思いで事業計画を見るし、逆だと悪いところばかりが目につきがちです。
審査員の第一印象を良くしておくのに越したことはありませんね。

審査員の理解度を左右する

もしあなたが知らない人から急に話しかけられて延々と話を聞かされたとしたらどうでしょう。困惑して、話の内容が頭に入ってこないかもしれません。
同じようなシチュエーションでも最初に「これからこんなことを話すよ。これとこれが大事なところだから聞き逃さないでね」といった言葉があったらどうでしょう。おそらく、よく理解できるでしょう。
最初に、これからどういうことが話されるかが分かっていると、話し手の一言ひとことが話全体のどこに位置付けられるのかが分かり体系的に理解できます。
事業計画名も前述の最初のひとことと同じような役割を担っています。的確な事業計画名ならば、その後の事業計画の一文一文がよく理解でき、かつ他の記述との関連性もわかるため、審査員の理解度が飛躍的に高まるのです。
第一印象が悪く、よく理解できない事業計画だと採択されるのは難しいですよね。ですので事業計画名は大事なのです。

事業計画名に盛り込む内容とキーワード

事業計画名に盛り込む内容

まず、事業計画名にはどのようなことを書けばいいのかを考えてみましょう。
次のようなことを盛り込むのがよいと筆者は考えます。
・ 補助事業で何に取り組むのか
・ 何を導入するのか
・ 何を実現したいのか
・ 取り組みの背景は何か
・ 何を活かした事業なのか
文字数制限もありますので全部盛り込むことはできなくても、3項目、少なくとも2項目は記載するようにしてください。

キーワードも大事

事業計画名に盛り込むと効果的なキーワードやフレーズがあります。
・ 補助金の趣旨にあっていることが分かるキーワード
補助事業が補助金の趣旨に合っているかどうかは、審査の重要なポイントです。
ものづくり補助金ならば「経営革新」「生産性アップ」などのキーワードが入っていれば、その事業が趣旨に合っていることが即座に審査員に伝わります。
・ 国の指針に合致したキーワード
国の補助金なら、国の指針にもとづいた補助金が打ち出されているはずです。
ですから、国の指針に合うキーワードが書かれていると高得点が期待できます。
今ですと「グリーン化」「DX」「スタートアップ」などが当てはまります。
地方自治体の場合でも基本的に国の施策の実現を担っているので基本的な考え方は国の場合と同じですが、地方ならではの事情もありますのでそれを加味して考えるといいでしょう。
・ 審査員の感情に訴えるキーワード
審査員は、通常何件もの審査を行います。しかし画期的な事業がそうあるわけではありません。「日本初!」「日本のエーゲ海」「被災地にあかりを灯す」など審査員の感情を動かすキーワードやフレーズで審査員が面白そうな事業だなと思ってくれれば好意的に評価してくれることが期待できます。

適切な文字数は?

まず主要補助金が求めている文字数を見てみましょう。
事業再構築補助金…30字程度、ものづくり補助金…30字以内
小規模事業持続化補助金…30文字以内。
表現に多少のばらつきがありますが、すべて30字が基準となっています。
なぜ「30字」なのでしょうか。
例えば「EC事業に進出」という事業計画名を見てどう思いますか。
何をするのは分かりますが、事業の魅力が全く伝わってきません。
必要な情報を盛り込むには、ある程度の文字数が必要になります。
それでは情報を詰め込めばいいかというと、それはそれで問題があります。
情報が多いということは文字数が多い長い文になるということですから、審査員が理解しづらくなる、どこが重要なポイントなのかわからなくなる、ひいては審査員に悪い印象を抱かせる、などの弊害がでてきます。
例えば
「○○県△△市の特産品を最新で生産性の高い設備を導入して、EC販売とOEM生産をかけあわせた事業を行い、販路拡大を目指す画期的な事業」
という事業計画名を見て直感的に理解できますか。何を強調したいのか分かりますか。
長すぎても問題がでてきますね。
これは私の推測ですが、30字というのは情報をある程度盛り込め、かつ審査員が理解しやすい文字数だと判断して定めたのだと思います。
ですので、やはり30字程度の事業計画名が適切なのではないかと思います。

採択された事業計画名は何文字か

それでは、実際に採択された事業計画名を見てみましょう。
第9回事業再構築補助金で採択された事業計画書の事業計画名文字数を見てみますと、統計値は以下のようになりました。
・ 最大文字数;63文字
・ 最小文字数:7文字
・ 平均   :31文字
これを見てどう思われましたか。
私は「最大文字数63文字ってすごいなあ」と思いました。
規定の2倍以上の文字数でも採択されていることに驚きました。
それも1人だけではなく、結構多くの方が何十文字もオーバーしています。
中小機構が『補助金交付候補者の採択事例紹介「事業計画書」』(https://jigyou-saikouchiku.go.jp/cases.php)を公表しています。
ここに11社の採択事例が掲載されていますが、このうちなんと過半数の6社が事業計画名の文字数をオーバーしており最も長いものは43文字もあります。
オフィシャルなサイトが、お手本となる事例として文字数オーバーの事例を多数掲載しているのですから、実態は文字数オーバーを認めているととられてもしょうがないですね。

1文字、2文字オーバーして苦労している方には、朗報となったのではないでしょうか。
ただし第9回採択者の平均値は31文字です。大半の採択者は規定を守って30文字程度で書いています。
私の知り合いの審査員は「ルールを守っていない事業計画は、それを考慮して採点している」と言っていましたので、やはりルールを守って30字前後にするのがいいように思います。

ChatGPTでブラッシュアップ

話題のChatGPT。文章を自動的に生成してくれるAIです。
事業計画名を考えるのに、ChatGPTは使えるでしょうか。
前項であげた『補助金交付候補者の採択事例紹介「事業計画書」』の最初に載っている下記の事例を題材にして調査してみました。

ChatGPTに事業計画名を考えてもらう

ChatGPTに、以下のような指示を与えました。

ChatGPTが出した答えは「コワーキングステイ」。
私の質問が悪かったのかもしれませんが、これでは使えないですね。
でも追加で情報を与えたら、次のような答えが返ってきました。
「ワーケーションステイ:宿泊とビジネスの融合、新領域への進出」
素晴らしいとは言えませんが、それなりの水準になってきました。
現段階では、まだ素晴らしい事業計画名を考えてもらうのは難しいようです。
しかし質問を工夫したり情報を追加したりすることにより、採択レベルの事業計画名ができるかもしれません。
そこまでいかなくても、新しい視点・切り口を提供してもらうことは可能でしょう。

ChatGPTに事業計画名をブラッシュアップしてもらう

ChatGPTに、以下のような指示を与えました。

回答は以下のようなものでした。

また、先述の5つの要素が含まれているかに絞って評価してもらいました。
回答は

パーフェクトな回答ではないですが、かなりいけてるように感じます。
ChatGPTの回答を鵜吞みにするのはリスクがありますが、ChatGPTが指摘したことを参考にして見直し、ブラッシュアップするのには役立つのではないかと思います。

おわりに

「事業計画名の書き方」について立て続けに質問をいただいたので、本ブログでまとめてみました。
いかがでしたでしょうか。中小企業の皆様の参考になれば幸いです。

HKSでは補助金において多くの支援実績があります。悩んだときは、ぜひご相談ください。

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