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資金調達の新しい道:ものづくり補助金におけるPOファイナンス

はじめに
ものづくり補助金の公募要領の6ページ(16次)に次の記載があります。

事業資金の調達については、金融機関の判断によるつなぎ融資(①ものづくり補助金対応POファイナンス*1、②交付決定債権譲渡*2) や概算払*3を利用することが可能です。

*1 本補助金の交付決定通知を電子記録債権化し、これを譲渡担保として金融機関から融資を受けられるサービス。
*2 本補助金の交付決定債権を金融機関等に譲渡し、譲渡債権の対価として資金を調達する手法。
*3 補助金交付決定額の90%を上限として、「支払済み補助対象経費×補助率」の額を支払う制度。なお、支払済み経費の証憑(請求書及び金融機関の振込金受取書等)の提出が必要。

ものづくり補助金対応POファイナンス」にはリンクまで貼ってあります。今回はリンク先(Tranzax株式会社*1のHP)に記載されている内容の要約を中心に、POファイナンス®(以下POファイナンス)をわかりやすく説明致します。

今回お伝えしたいポイント1.POファイナンスの概要  

2.POファイナンスのメリット

3.POファイナンスの活用方法

POファイナンスとは

Tranzax株式会社が提供する商標登録された金融サービスです。「PO(purchase order=受発注)ファイナンス®は、発注企業、納入企業、金融機関をインターネット上でつなぎ、受発注書を電子記録債権化*2することにより、これまでは難しかった金融機関による受発注時点からの担保融資を可能としたサービスです。(Tranzax社HP)」とあります。
金融機関が資金提供する手法にファクタリング(売掛債権譲渡等)や手形割引がありますが、これらは納品、請求が発生し金額が確定している債権が対象です。一方POファイナンスはこれまで担保にならなかった納品前の時点での受発注書など将来債権を担保とすることが可能となっています。

(出所:Tranzax社HP)

【用語解説】

*1 Tranzax株式会社 電子記録債権を利用し様々な決済・金融サービスを提供するFinTech企業。グループのTranzax電子債権株式会社は国から指定を受けた日本で唯一の独立系電子債権記録機関。電子債権記録機関とは、電子記録債権法の定めに則り、記録原簿を備え、電子記録債権の発生・譲渡・消滅等の電子債権記録業務を行う。日本で唯一将来債権を電子記録債権化できる会社。
*2 電子記録債権 2008年12月1日に施行された「電子記録債権法」(2007年法律第102号)により創設された債権で、主務大臣が指定する「電子債権記録機関」が管理する記録原簿への債権情報の記録により、当該債権の発生・譲渡等がなされる、手形債権あるいは売掛債権等の指名債権とは異なる新しい類型の金銭債権のこと。

(出所:Tranzax社HPより要約)

ものづくり補助金対応POファイナンスとは

補助金におけるPOファイナンスは、2019年4月、平成30年度補正予算「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」(ものづくり補助金)のつなぎ融資を円滑にする仕組みとして採用されました。
【補助金POファイナンスの仕組み】

(出所:Tranzax社HP)

「POファイナンス」を活用することで、提携する金融機関からつなぎ融資としての資金調達が可能になります。ポイントは、受発注時点、すなわち補助金では交付決定通知をもって電子記録債権を発生させ、譲渡(担保)が可能になり、より早く資金調達がしやすくなるということです。補助金の場合交付決定通知の段階では金額が確定しませんが、POファイナンスは、具体的な金額が確定しない場合でも可能になります。
【補助金の流れとPOファイナンス】

補助金POファイナンスの補助事業会社のメリット

① 早い段階で融資が受けやすくなる
交付確定通知の段階で債権を担保として金融機関に譲渡でき、債権の存在及び権利の帰属が法的に担保されます。担保の確実性が相対的に高いため、金融機関が融資を行いやすくなります。
特に担保余力がない場合、財務状況が脆弱で信用力がまだ低い場合など、信用補完が強化され効果的と思われます。
②手続きが簡便
POファイナンスを利用することになったら、最初に利用申込のみ行いその後のPOファイナンスシステムの操作はTranzaxが代行します。また補助金は決済銀行(信託)に振り込まれ、直接、融資金の返済に充てられるため、金融機関との融資返済手続きに関する煩わしさがなくなります。

POファイナンスの提携金融機関

POファイナンスを利用できる提携金融機関の一覧は以下の通りで、まだ一部の金融機関に限られています。

政府系金融機関 商工組合中央金庫
地方銀行 横浜銀行、中国銀行、西京銀行、福岡銀行、静岡銀行、熊本銀行
信用金庫・信用組合 城南信用金庫、西武信用金庫、大阪シティ信用金庫、城北信用金庫、東京東信用金庫、朝日信用金庫、豊田信用金庫、文化産業信用組合、観音寺信用金庫
ノンバンク 株式会社セゾンファンデックス(東京・大阪での契約が可能な方)
AGビジネスサポート株式会社(事業再構築補助金とものづくり補助金のみの対応)

 (出所:Tranzax社HP.2023年11月末現在)

POファイナンスの利用料

金融機関への融資の支払金利のほかに以下のコストがかかります。
○利用者登録手数料 :無料
○ファシリティ手数料:金融機関の融資金利の半分(上限年率1%)
○事務代行手数料  :10,000円(税別)

POファイナンスの活用方法

補助金の交付確定通知があれば必ずPOファイナンスが受けられるとは限りません。あくまで金融機関の融資審査があります。事業計画が計画書通り問題なく実施されるかが、当然ながら一番重要なポイントになります。
事業計画の段階で補助金部分の資金確保は自己資金、あるいは借入で計画はされていると思います。但し、自己資金の温存や金融機関との関係性、条件により、POファイナンスも資金調達多様化の一環として検討をしてみても良いかと思います。

さいごに

POファイナンスは、ものづくり補助金のほか事業再構築補助金や東京都中小企業振興公社のいくつかの補助金などに対応しています。今後申請する場合は参考にしてみてください。
HKSでは中小企業者様の事業計画を総合的にサポート致します。補助金に関するご相談は、経験と実績のHKSまでぜひご連絡下さい。

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