HKSブログ
【中小企業の挑戦を後押し!】中小企業新事業進出促進補助金について解説します!

今回は、2025年に新設された「中小企業新事業進出促進補助金」についてご紹介します。
今回お伝えしたいポイント1.本補助金の概要
2.特徴的な要件について
3.申請のポイント・注意点
中小企業新事業進出促進補助金は、新規事業への進出により、企業の成長・拡大を図る中小企業を対象とした補助金です。
既存の事業とは異なる、新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援します。
今回は、最近発表された公募要領からの情報等から詳細について解説します。本補助金の概要・詳細については、本ブログでも過去に紹介いたしましたので、よろしければこちらもご参照ください。
補助金のパンフレットのリンクはこちら:中小企業新事業進出補助金パンフレット
また、4月30日には説明会も行われ、後日アーカイブ動画も配信予定とされています。こちらのリンク先に、最新情報がアップされる予定なので、よろしければ参考にされてください。
補助金の概要
1.目的
本補助金の目的は以下の通りです。
2.補助対象者、補助率・補助金額、対象経費
補助対象者は、企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行う中小企業等です。
補助率は、一律で補助対象経費の1/2です。
補助下限は750万円で、補助上限は従業員数によって異なり、大幅な賃上げによる特例を受けると増加します。最大は9,000万円です。
補助対象経費は以下の通りです。機械装置・システム構築費、建物費のいずれかを含む必要があります。
3.スケジュール
直近の第一回公募申請スケジュールは以下の通りです。
公募要領公開:令和7年4月22日(火)
申請受付開始:令和7年6月頃(予定)
公募締め切り:令和7年7月10日(木)18:00まで
採択発表:令和7年10月頃(予定)
要件について
補助対象者は、補助対象事業の要件を満たす3~5年の事業計画に取り組むことが必要です。
補助対象事業の要件は以下の通りです。賃上げや最低賃金に関する要件は、目標値未達の場合に補助金返還義務が発生する点にもご注意ください。
1.新事業進出要件
新市場進出要件については、「新事業進出指針」「新事業進出指針の手引き」を参照の上、検討が必要です。
以下に示す通り、製品等の新規性、市場の新規性、新規事業の売上高が一定以上ある必要があります。
2.付加価値額要件
3.賃上げ要件
以下の賃上げは要件になっています。
いずれかが要件になっていますが、応募申請時点では、一人当たり給与支給総額目標値及び給与支給総額目標値の両方を設定する必要があります。
(1)補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、一人当たり給与支給総額の年平均成長率を、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間(令和元年度を基準とし、令和2年度~令和6年度の5年間をいう。)の年平均成長率(以下 「一人当たり給与支給総額基準値」という。)以上増加させること
(2)補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、給与支給総額の年平均成長率を2.5%(以下 「給与支給総額基準値」という。)以上増加させること
計画の達成状況の確認のため、事業化状況報告時には決算書・賃金台帳等の提出が必要です。
4.事業場内最賃水準要件
事業場内最低賃金にも要件があります。
こちらも、要件達成状況確認のため、事業化状況報告時に、賃金台帳等の提出が必要です。
5.ワークライフバランス要件
応募申請時までに、仕事と家庭の両立の取組を支援する情報サイト「両立支援のひろば」に策定した一般事業主行動計画を公表する必要があります。掲載には1~2週間程度の期間を要するとされており、早めに準備をされることをおすすめします。
6.金融機関要件 ※該当する場合は必要
金融機関等から資金提供を受けて補助事業を実施する場合は、「金融機関による確認書」が必要です。必要な場合、金融機関での発行にもお時間が必要な場合もあり、こちらも早めに準備を進められるのが重要です。
7.賃上げ特例要件 ※該当する場合は必要
賃上げ特例の適用を受ける場合は、以下の追加要件を満たす必要があります。
(1)補助事業実施期間内に、給与支給総額を年平均6.0%以上増加させること
(2)補助事業実施期間内に、事業場内最低賃金を年額50円以上引き上げること
申請のポイント・注意点
1.申請のポイント
公募要領によると、以下の観点で審査が行われます。新規事業としての適格性のみならず、様々な視点で審査されます。公募要領を確認して、適切な事業計画の作成が必要です。
その他、加点項目や減点項目等も設定されています。
2.注意点
- 他の補助金もそうですが、事後精算です。つまり、事業完了後に報告してから支払われるため、自己資金や金融機関の協力が必要です。また、交付決定前の費用は補助対象経費として認められません。公募予定と事業計画が見合うものかどうか、確認しながら計画を立てることが必要です。
- 特に賃上げ関連では、目標値未達の場合に、補助金の返還義務が発生する場合があります。賃上げは非常に重要なことではありますが、くれぐれも無理のない計画にすることが肝要です。
- 申請者は、事業計画の作成、実行及び成果目標の達成に責任をもって取り組む必要があります。必要に応じて口頭審査をされる場合もあり、申請者様ご自身が、語れるような計画を作成することが求められています。もちろん、計画やブラッシュアップに当たっては、私どものような専門家にご相談頂ければ、適切にサポートさせて頂きます。
最後に
今回は「新事業進出補助金」についてご紹介しました。いかがでしたでしょうか。
「中小企業新事業進出促進補助金」は、将来の成長を目指す中小企業にとって大きなチャンスですが、準備不足では採択されません。計画性と実現力が問われるからこそ、しっかりとした準備と書類作成がカギを握ります。
本補助金は今年から新設されたものですが、HKSでは、ものづくり補助金や事業再構築補助金その他、補助金について豊富な支援実績があり、計画策定から採択後のフォローまでしっかりとサポートいたします。本補助金にご興味を持たれた事業者様は、ぜひHKSまでご相談ください。
今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。

補助金活用支援会(HKS)パートナー、中小企業診断士
ひとこと:事業者様に分かりやすい解説を心掛けております。お気軽にご相談下さい。