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第10回事業再構築補助金の変更点
はじめに
こんにちは、ブログ担当のイッセイです。
今回は第10回事業再構築補助金の変更点についてみていきたいと思います。
「サプライチェーン強靭化枠」「産業構造転換枠」の申請枠新設、「従業員増員要件」「市場拡大要件」の新要件、「ワークライフバランスの取り組みに対する加点」「健康優良法人に対する加点」の新加点項目など政策課題を後押しする変更点が目白押しです。
2023年度の事業再構築補助金は計3回の公募が予定されています。成長枠の売上減少要件がなくなり対象事業者の増加が見込まれて採択率は低くなる可能性もあります。今年度で事業再構築補助金は最後になる可能性もありますので、早めに検討開始して採択を勝ちとりましょう!
それでは申請枠変更点や新要件・新加点項目とサプライチェーン強靭化枠について解説していきます。
今回お伝えしたいポイント1. 第10回事業再構築補助金の申請枠変更点
2.新要件、新加点項目について
3.サプライチェーン強靭化枠について
第9回まで | 第10回(今回) | |
申請枠 | 通常枠 | 成長枠(名称変更) |
グリーン成長枠 | グリーン成長枠エントリー型(新設)
グリーン成長枠スタンダード型 |
|
卒業促進枠(新設) | ||
大規模賃金引上枠 | 大規模賃金引上促進枠(変更なし) | |
産業構造転換枠(新設) | ||
サプライチェーン強靭化枠(新設) | ||
最低賃金枠 | 最低賃金枠(変更なし) | |
回復・再生応援枠
緊急対策枠 |
物価高高騰対策・回復・再生応援枠(申請枠統合) | |
成長枠 補助金額 (上限) |
【従業員数20人以下】 | |
2,000万円 | 2,000万円 | |
【従業員数21人~50人】 | ||
4,000万円 | 4,000万円 | |
【従業員数51人~100人】 | ||
6,000万円 | 5,000万円 | |
【従業員数101人以上】 | ||
8,000万円 | 7,000万円 | |
補助率 (成長枠) |
中小企業 2/3 | 中小企業 1/2 |
(6,000万円を超える部分は1/2) | (大規模賃上げの場合は2/3) | |
中堅企業1/2 | 中堅企業1/3 | |
(4,000万円を超える部分は1/3) | (大規模賃上げの場合は1/2) |
新申請枠について
1.サプライチェーン強靭化枠・・・今回変更点の目玉になります。
製造業で海外生産を行っている中小企業・中堅企業に対し、国内に生産拠点を整備する事業(国内回帰)が対象になります。詳細はのちほど解説します。
2.産業構造転換枠・・・業界再編を後押しします。
過去~今後のいずれか 10年間で、市場規模が 10%以上縮小する業種の事業者が、別の業種に事業転換する事業が対象になります。
3.グリーン成長枠(エントリー型)・・・グリーン成長枠の応募者をUPします。
・要件はスタンダード型に比べて付加価値額の年率成長率が4%(スタンダードは5%)と緩和されます。成長枠より上限金額が大きいことから成長枠等で申請を検討されていて、補助金額アップしたい事業者におすすめです。
成長枠補助金額・要件の変更
従業員数51人以上の補助金額上限が低下しました。
売上減少要件が撤廃されて対象事業者が大幅に増える見込みのため、上限金額を下げたのかもしれません。ただし市場拡大要件があるので対象業種は限定されます。
従業員数51人~100人:6,000万円⇒5,000万円
従業員数101人以上 :8,000万円⇒7,000万円
成長枠補助率の変更
成長枠の補助率が低下します。
ただし給与支給総額・事業所内賃金引上げを行う事業者(※)補助率は前回同様となります。
中小企業:2/3⇒1/2(大規模な賃上げ(※)を行う場合は2/3)
中堅企業:1/2⇒1/3(大規模な賃上げ(※)を行う場合は1/2)
※新設要件「補助率引き上げ要件」で解説します。
新設要件について
従業員増員要件:
【大規模賃金引上げ枠】は年率平均1.5%以上の従業員増員が必要あり。
補助率引き上げ要件:
【成長枠】で補助率引き上げを受ける場合、給与支給総額を年率平均6%以上増加させる+補助事業期間内に事業場内最低賃金を+45円引上げる必要あり。
市場拡大要件:
【成長枠】で取り組む補助事業は、過去~今後のいずれか 10年間で、市場規模が 10%以上拡大する業種の必要あり。
市場縮小要件:
【産業構造転換枠】の申請事業者は過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上縮小する業種に属しており、補助事業で別の業種に転換する必要あり。
給与支給増加要件:
【グリーン成長枠】は年率平均2%以上給与支給総額を増加させる必要あり。
卒業要件:
【卒業促進枠】は応募時点から事業期間中に、中小企業⇒中堅企業・大企業、特定事業者、特定事業者⇒中堅企業・大企業、中堅企業⇒大企業に規定する法人規模に成長する必要あり。
加点項目について
ワークライフバランスの取り組みに対する加点:
1.女性活躍推進法に基づく認定
2.次世代育成支援対策推進法に基づく認定
を応募時点で受けていると加点されます。
健康経営優良法人に対する加点:
令和4年度に健康優良法人に認定されていると加点されます。
※健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト(https://www.kenko-keiei.jp/)
審査項目について
審査項目は大きな変更はありません。
適格性(付加価値3-5%)、事業化点(ニーズ・マーケット・ユーザの検証は適格か)、再構築点(SWOT分析をもとに最適に選択された事業か、リスクは高いか、費用対効果は高いか)などを審査されます。
サプライチェーン強靭化枠について
最後に今回目玉となるサプライチェーン強靭化枠について解説します。
本申請枠は公募要項が別になっており、円安を背景とした市場環境に対して国内回帰を支援していくという政策メッセージと考えられます。
・対象事業者は、【海外生産を行っているメーカー】です。
・概要は、【海外生産を行っている製品の国内回帰を進め、国内生産拠点を整備する事業】です。
・主な要件は、【海外製造等要件】【導入設備の先進性要件】【新事業売上高10%等要件】です。
補助金額上限が最大5億円となっており、今回の目玉と言えるでしょう。
海外で生産を行っている事業者のみなさまは検討してみてはいかがでしょうか。
項目 | 要件 |
主な要件 | ①海外で製造・調達している製品であること。 ②取引先から国内での生産(増産)要請があること。 ③国内に生産拠点を整備する計画であること。 ④先進的な設備を導入し導入効果を証明すること。 ⑤新事業の市場規模が過去10年で10%以上拡大 |
補助金額 (サプライチェーン強靭化枠) |
1,000万円 ~ 5億円以内 |
補助率 | 中小企業 1/2 |
中堅企業1/3 | |
対象経費 | 建物費、機械装置費、システム構築費 |
まとめ
5人家族のパパ兼HKSパートナー診断士のイッセイです。
中小事業者のお役にたち、貢献するという志をもって日々案件に取り組んでいます。
事業者に寄り添った支援をしていまいります。