HKSブログ

事業再構築補助金|新築建物の申請ポイントと注意点について

事業再構築補助金は、先日10月5日に第7回公募分の申請が締め切られて間もないですが、すでに次回の第8回公募(応募締切:2023年1月13日)が開始されております。

事業再構築補助金のHPはコチラ↓

事業者様におかれましては、第9回以降はあるの!?それとも終わっちゃうの?と気になられていると思います。現時点では、次回の第8回公募が最後の予定であるため、検討中の事業者様におかれましては、できるだけ第8回の公募分で応募されることをおすすめします。

ただ、政府が発表した令和5年度の概算要求等のポイントの内容からは、あと数回の公募があるのでは!?と期待されます。次年度も、事業再構築補助金を活用して、新たなビジネスモデルへの転換にチャレンジする機会があることを願っております。

さて、今回のブログの本題に入りたいと思います。

事業再構築補助金の第6回公募以降においては、補助対象経費のうち“建物費”について、原則として改修費用に限ることとし、新築の場合には一定の制限を設ける」となりました。第5回公募分までは「新築費用」も認められていたのに…急になぜ!?と疑問に感じてしまいます。

あくまで推測ですが、建設費用等の高騰の影響により、新築に制限を入れることで、できるだけ多くの事業者様へ補助金を交付したいという意図があるのかもしれません。(※基本的に既存建物の改修より新築のほうが費用が高くなるため)

とはいえ、第6回公募分の結果を見ると、新築費用で申請して採択された事業者様は多くいらっしゃいますので、「新築である必要性について明確な理由を示すことで、新築費用であっても認められる」ことが分かりました。ただ一方で、新築費用で採択された場合には、「条件付き採択」となりすので、申請時には十分な注意が必要であることも分かりました。

このような結果を受けて、今回のブログでは、新築建物を申請するポイントと注意点等について、ご説明したいと思います。

建物新築の必要性における判断事例

事業再構築補助金のホームページには、新築費用が例外的に認められる場合として以下の記載があります。

“事業再構築補助金を活用して建物を新築する場合は、建物を新築することが補助事業の実施に真に必要不可欠であり、既存の建物を改築する等の代替手段がないことを“新築の必要性に関する説明書”にてご説明いただき、採択審査及び交付審査でそれが認められる必要があります。”

ポイントは、補助事業を実施するために「真に必要不可欠」且つ「代替手段が存在しない」場合、例外的に新築費用も認めるということです。

では、実際問題として、どのようなケースが認められるのでしょうか?

そのケースを探るヒントとして、必要性を認める場合と認めない場合の判断事例が公開されていますので、解説していきたいと思います。

先ずは、「必要性を認めるケース」です。

(引用:事業再構築補助金HP 建物新築の必要性における判断事例より)

必要性を認めるケース①新築でないと逆にコストがかかる

“生鮮魚介類の加工業を手がけている事業者が、新たに冷凍加工食品事業に進出するため、新たに冷凍倉庫が必要となる。加工工場から最も近い冷凍倉庫の空きスペースまでは車でも一定の時間を要するため、その場合冷凍輸送費が発生し補助事業の採算がとれない。このため、既存の加工工場に隣接する場所に冷凍倉庫を新築することが最も経済効率的である。”(引用部分)

ケース①は、「輸送費が発生し補助事業の採算が取れない」という所、つまり、既存工場に隣接した場所でないと、事業実施後に輸送費というランニングコストがかかるから、どうしても冷凍倉庫を新築する必要があるということですね。

ポイントは、「新築でないと逆にコストがかかる」という理由で、真に必要不可欠であることを示しているケースと言えます。

必要性を認めるケース②既存の改装や中古購入が不可能

“山間部の農家が、畑から採れたての野菜を用いて新たにレストラン運営を行うため、新たに店舗が必要となる。当該農家は現在所有している事業用の建物がない上、事業の実施を計画している地域に購入が可能な既存の建物がない。加えて、ブランド構築の観点からは、畑に隣接する場所でレストラン運営を行うことが最も望ましいため、新たにレストラン用の建物を新築することが必要不可欠である。”(引用部分)

ケース②は、事業用の建物を所有していない、また購入できる中古物件がないため、新築でレストラン店舗を建てるしか手段がないということです。また、ブランド構築が補助事業実施に必要不可欠であるということです。

ポイントは、「建物の改装や中古購入が不可能」という理由で代替手段がないことを示すと共に、「ブランド構築には新築が必要」という理由で、真に必要不可欠であることを示しているケースと言えます。

実際には、このケース②のように、「真に必要不可欠であること」及び「代替手段がないこと」の両方を示す必要があると思います。


ここまで、必要性を認めるケースを解説してきました。

今度は“必要性が認められないケース”を見ていきましょう。

必要性が認められないケース①既存設備の改修手段がある

“温泉旅館を営む事業者がワーケーション需要に応える新事業を行うため、温泉客向けの既存の宿泊設備では対応できないため、ワーケーション向けの離れの新築を検討。しかし、既存事業がコロナによる需要減少で客室の稼働率が下がっているため、既存事業を縮小し、空いている客室を改修することでワーケーション需要を受け入れる態勢を整えることができるため、ワーケーション向けの宿泊施設を新築する必要はない。”(引用部分)

ケース①は、やや分かりづらいですが、つまり、稼働率が下がっている既存の客室を改装することで、ワーケーション事業に対応できるため、新築である必要性がないということです。

ポイントは、旅館とワーケーションは共に宿泊事業でサービスが同質であること。また、コロナの影響で客室の稼働率が低下している状況であるため、客室の改修という代替手段があるということでしょうか。

必要性が認められないケース②新築建物と補助事業が無関係

“本社建物と工場を別にする金属製品製造事業者が、新たに金属製品販売業に進出するため、人員を増強して新たな営業部門を設置。老朽化した本社建物が手狭になるため、既存の本社建物を取り壊して建て替えることを検討。しかし、新たな営業部門用のオフィススペースは、既存の貸しオフィスの賃貸やリモートワークで代替可能であり、本社建物の老朽化は補助事業と無関係であるため、本社建物の建て替えは必要ない。”(引用部分)

ケース②では、賃貸やリモートワークでも営業部門を強化できるため、新築である必要性がないということです。

このケースは認められない理由が分かりやすいですね。人員を増強した際に手狭になるから老朽化した本社を新たに建て替えたいというのは、補助事業の実施と無関係であるため、真に必要不可欠と認められない典型的なケースだと思います。

新築の必要性に関する説明書

ここで再度、新築費用が例外的に認められる場合の以下の記載を見ていきましょう。

事業再構築補助金を活用して建物を新築する場合は、建物を新築することが補助事業の実施に真に必要不可欠であり、既存の建物を改築する等の代替手段がないことを“新築の必要性に関する説明書”にてご説明いただき、採択審査及び交付審査でそれが認められる必要があります。
(引用:事業再構築補助金HP 建物新築の必要性における判断事例より)

新築費用を申請する場合には、「新築の必要性に関する説明書」を作成し、申請時に提出する必要があります。以下は、事業再構築補助金ホームページ「申請に関する資料」内で公開されている様式です。

(参照:事業再構築補助金ホームページ 申請に関する資料より

新築の必要性に関する説明書に記載する内容は、以下の2つです。

1.補助事業の概要及び建物費の詳細
2.新築が必要である理由

ここからは、サンプル例を使って、一つずつ具体的な記載内容を確認していきましょう。

※以下のサンプル例は、当方が独自に作成したものです。公式のものではございませんので、参考までにして頂きますようお願い致します。

1.補助事業の概要及び建物費の詳細

①補助事業の概要

補助事業の内容のみを記載するのではなく、事業計画書を要約するようなイメージ(会社概要やコロナの影響等も含む)が望ましいと思います。なぜなら、事業計画書と新築の必要性に関する説明書の審査員は、別の者であることが想定されますので、この新築の必要性に関する説明書の内容だけで、申請する企業の特徴が分かるようにしておくべきだからです。

なお、補助事業の内容については、新築費用が補助事業に重要であることにも触れておきましょう。例えば、上述した必要性を認めるケース②のような場合、ブランド構築の観点から、畑に隣接する場所でレストラン運営を行うといった内容です。

②建物費で計上する経費の詳細

上のサンプル例のように、できるだけ具体的な工事品目と金額を記載することが望ましいです。

なお、応募申請時には見積書の提出は不要ですが、できれば現時点での見積書を取り寄せておくとよいですね。その際、1社だけでなく、2社の見積書を取り寄せておくことをおススメします。

2.新築が必要である理由

新築が必要な理由については、①補助事業の実施に真に必要不可欠な理由②改築する等の代替手段がない理由、の2つに分けて記載することが望ましいす。

※以下のサンプル例は、上述した「建物新築の判断事例」における必要性が認められるケース①及び②を参考に作成しております。実際には、より具体的に記載する必要があると思いますので、参考までにして頂きますようお願い致します。

①補助事業の実施に真に必要不可欠である理由

真に必要不可欠な理由について、2~3つは具体的に記載することが望ましいです。

サンプル例では、上述した必要性が認められるケース①及び②を参考に、経済効率的な理由とブランド構築的な理由を記載しております。例えば、物理的(移動距離)を分かりやすくするため、地図等を掲載しておくといいですね。この新築の必要性に関する説明書は、フォントサイズなど自由に記載することが可能となっています。

②既存の建物を改装する等の代替手段がない理由

ここでも、代替手段がない理由について、2~3つは具体的に記載することが望ましいです。

サンプル例では、上述した必要性が認められるケース②を参考に、既存の建物を所有していない点と中古で購入可能な建物が存在しない点を記載しております。実際には、もう少し具体的に記載しておくといいと思います。

新築費用の申請は全て「条件付き採択」となる

新築費用を含む申請による採択の場合には、全て「条件付き採択」となることが確認されています。

これは、採択になったとしても、公募要領や補助事業の手引き等に記載されている、新築建物に関するルールを遵守していない場合には、対象経費として認められないということです。

新築建物に関するルールは少しややこしい所がありますので要注意です。どのようなルールがあるのか具体的に見ていきましょう。

公募要領のP.25には、以下の記載があります。

(参照:事業再構築補助金 公募要領(第7回))

建物の新築に関するルールとして、特に※6と※7の箇所は要注意です。

※6 補助事業の実施に真に必要不可欠であること“及び”代替手段が存在しない場合に限り認められる

これまで解説してきた内容ですが、新築の必要性に関する説明書には、「真に必要不可欠であること+代替手段が存在しないこと」を記載する必要があります。

 

※7 事業計画の内容に基づき採択された場合も、新築の必要性に関する説明書の内容に基づき、建物の新築については補助対象経費として認められない場合がある

事業計画と新築の必要性に関する説明書に相違点がないようにしましょう。そのため、“事業計画書”と“新築の必要性に関する説明書”の内容について整合性を図ると共に、採択後にはその内容に沿った事業を実施する必要があります。

さらに、公募要領のP.29には以下の記載もあります。

抵当権の設定に関するルールも必ず遵守する必要がありますので、該当する場合には要注意です。

抵当権に関する内容については、以下の記事が非常に分かりやすいです。ぜひご参照下さい。

せっかく採択されたのに、交付申請や実績報告等の際に経費対象外になってしまった…ということの無いように、事前に公募要領をしっかり理解すると共に、採択後にはコチラの「補助事業の手引き」を熟読しておきましょう。

さいごに

今回は、事業再構築補助金における「新築建物の申請ポイント&注意点」をご紹介しました。

第6回公募分から、新築建物の場合に一定の制限が設けられましたが、新築であることの合理的な理由を示すことで認められる可能性はあります。ぜひ、本記事を参考にして頂ければ幸いです。

事業再構築補助金に限らず、各種補助金ではその目的に応じて、さまざまな制約があります。実際に採択されても、ルールを見逃していたために、せっかく採択された補助金をフル活用できなかったケースも残念ながらお見かけします。補助金活用をご検討している事業者様においては、申請前から早め早めの検討が必要です。

HKSは常に補助金に関する最新情報を入手しており、事業者様のニーズに応じて、最適な補助金の活用方法をご提案し、準備事項のご案内を差し上げております。充実した体制で事業者様のサポートを行っていますので、ぜひHKSまでご相談ください。

 

関連記事

コメントは利用できません。