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事業再構築補助金申請時に活用したい「ワーク・ライフ・バランス等の取組に対する加点」を解説します!

第10回事業再構築補助金の公募要領が公開され、申請受付が開始されました。
今回から新たに加点項目として導入された項目である、「ワーク・ライフ・バランス等の取組に対する加点」について解説します。
中小規模の事業者様には積極的に活用頂き、採択をより確実にして頂ければと思います。

今回お伝えしたいポイント1.   事業再構築補助金:「ライフ・ワーク・バランス等の取組」加点制度の概要

2.加点制度を適用するための具体的な方法

事業再構築補助金の加点制度

事業再構築補助金の審査において、採択が有利となる加点制度が設けられています。政府が目指す政策を後押しするため、政策に対して積極的な事業者を優先的に採択するための制度です。事業再構築補助金は第10回に内容が大幅に変更されていますが、その変更点については以前のブログでもご紹介しています。

 

こちらの記事でも紹介していますが、加点項目についても変更されており、
以下の2点が加点項目として新設されています。

  • ワーク・ライフ・バランス等の取組に対する加点
  • 健康経営優良法人に認定された事業者に対する加点

 

両者ともいずれの申請枠であっても利用できる加点項目ですが、前者の「ワーク・ライフ・バランス等の取組に対する加点」については、準備期間が比較的短くて済み、従業員数100名以下の事業者様については、これから準備を進めても第10回の締切である、6月30日にも十分間に合いますので、活用をぜひご検討ください。

ライフ・ワーク・バランスの取組は、社会全体の課題となっていますが、政府としては、厚生労働省が中心となり労働政策として推進しています。

●厚生労働省「仕事と生活の調和」

 

厚生労働省の推進している政策に沿って、事業運営を進めている事業者を優遇する制度と言えます。さらに、補助金の採択時に有利になるだけではなく、社会的な課題に積極的に取り組むことで、従業員の労働環境の改善新規採用時のアピールにもなりますので、ぜひ活用頂ければと思います。

「ライフ・ワーク・バランス等の取組」加点制度の概要

「ライフ・ワーク・バランス等の取組」とは具体的に何を実施している企業なのか、公募要領を見てみましょう。
●事業再構築補助金 公募要領(第10回)

49ページに具体的な内容が記載されていますので、引用します。

 

1. 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく認定
(えるぼし1段階目~3段階目又はプラチナえるぼしのいずれかの認定)を受けている者
又は従業員数100人以下であって、「女性の活躍推進データベース」に女性活躍推進法に
基づく一般事業主行動計画を公表している者
※厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」
(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/)

2. 次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく認定
(くるみん、トライくるみん又はプラチナくるみんのいずれかの認定)を受けた者
又は従業員数100人以下であって、「一般事業主行動計画公表サイト(両立支援のひろば)」に
次世代法に基づく一般事業主行動計画を公表している者
※厚生労働省「一般事業主行動計画公表サイト(両立支援のひろば)」
(https://ryouritsu.mhlw.go.jp/hiroba/search_int.php)

 

前者は「女性の社会進出」、後者は「仕事と子育ての両立」を目的とした観点となっています。
また、従業員数100名超か、未満で要件が異なりますが、まとめると次の通りです。

従業員数100名超の場合は、認定を受けている必要があり、ハードルが高くなっていますが、100名以下の場合は、いずれも一般事業主行動計画を策定し、特定のサイトに公表すること、が要件になっていることが分かります。要件はいずれかを選択すればよいとなっていますが、従業員数100名以下の中小企業に対してはいずれも同様の要件になっており、厚生労働省としては二つの施策は切り離せないものとして推進されています。

●厚生労働省「女性の活躍・両立支援総合サイト」

 

女性活用・仕事と子育ての両立は大企業だけではなく中小企業にも広げていきたいとの意図で、リソースの限られた中小企業でもできる範囲で進める制度として、「一般事業主行動計画の策定と公表」を用意しており、補助金の加点項目をインセンティブとしていることが分かります。

加点要件:一般事業主行動計画の策定と公表

従業員100名以下の中小規模の事業者様は、「ライフ・ワーク・バランス等の取組」の加点として、「一般事業主行動計画の策定と公表」が必須となりますが、その具体的な方法をご説明します。

先ほどご紹介した、厚生労働省「女性の活躍・両立支援総合サイト」に必要なリンクが置いてありますが、具体的な方法は以下をご参照ください。

 

登録フローによると、一般事業主行動計画を公表サイトから登録後、5営業日以内で掲載完了メールが届き登録が完了します。余裕をもって準備が必要ですが、事業再構築補助金の申請時に併せて実施可能です。

Step1: 女性の活躍・両立支援総合サイトにて、基本情報を登録する

Step2:「女性の活躍推進企業データベース」「両立支援のひろば」に公開する
– 事業者様の情報の登録、一般事業主行動計画の添付、一般事業主行動計画の概要を記載して登録
– 各サイトの入力・送信が完了すると、「受付メール」が届く
– サイト管理者による掲載の手続きが完了すると「掲載完了メール」が届き、公表が完了。
「掲載完了メール」は「受付メール」が届いてから、5営業日以内

(出所:厚生労働省 「女性の活躍推進企業データベース」「両立支援のひろば」への登録方法)

 

次に、公表する一般事業主行動計画はどのように策定すればよいのでしょうか?
厚生労働省では以下のサイトを通じて、一般事業主行動計画に記載する内容や計画案について、様々な課題に対応した策定例やモデル計画を公開しています。次のリンクを参照頂き、事業者様の課題に併せて、行動計画を策定頂ければと思います。

  • 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画(2.モデル行動計画をご参照ください)
    モデル行動計画

(出所: 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画)

 

(出所:女性活用推進法に基づく一般事業主行動計画)

 

こうした策定例やモデル計画を参考に行動計画を作成し、PDFファイルとして公表サイトに添付することで公開が完了します。

政府としても積極的に取り組みたい政策であり、策定例やモデル計画がかなり多様に用意されていますので、あまり身構えることなく、事業者様の身の丈に合った行動計画が策定可能です。

補助金採択への加点だけでは終わらせないために

ライフ・ワーク・バランス等への取組を進めるのであれば、事業再構築補助金の加点項目だけで終わらせるのではなく、事業者様の積極的な課題解決につなげてはいかがでしょうか。

モデル行動計画や策定例では事業者様のよくある悩みが挙げられています。それぞれの解決策を検討することを通じて、人員確保や人材の定着に苦労している事業者様の人事施策として取り組んでみましょう。

厚生労働省から「中小企業のための女性活用『行動計画』策定プログラム」が公開されています。

中小企業のための女性活用『行動計画』策定プログラム

こちらの「取組一覧」「目標一覧」には人事施策として網羅的な課題と解決策が挙げられています。
加点要件への取組をきっかけに、事業者様の事業基盤の確立、人事組織制度の見直しにぜひ生かして頂ければと思います。

おわりに

事業再構築補助金の申請時に活用したい、「ワーク・ライフ・バランス等の取組に対する加点」について解説しました。
第10回公募が令和5年6月30日(金)18時締切で開始していますが、加点項目として十分間に合いますので、申請を検討されている事業者様はぜひ活用頂ければと思います。

令和5年4月6日に発表された第8回公募では、採択率が51.3%と過去最高とはなりましたが、約半数は採択されていないことも事実ですので、今回の記事を参考して頂き、加点を得て採択につなげて頂ければ幸いです。

HKSでは、事業再構築補助金の申請や補助金の活用方法を提案しサポートを行っております。ぜひご相談ください。

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