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地元で事業を始める小規模事業者を後押し! 「ローカル10,000プロジェクト」の(地方単独事業)をご紹介します。

今回は、「ローカル10,000プロジェクト」(地方単独事業)についてご紹介します。

今回お伝えしたいポイント1.   ローカル10,000プロジェクトとは

2.地方単独事業とは

3.ローカル10,000プロジェクト活用例

総務省は、ローカルスタートアップ*1)など地方での事業者の起業を後押しする「ローカル10,000プロジェクト」を実施しています。

令和6年度から、従来の(国庫補助事業)に加え、初期費用を補助する際に審査要件を緩和した(地方単独事業)を開始しました。

今回は、その「ローカル10,000プロジェクト」についてご紹介します。

※1)ローカルスタートアップとは 「+」を押すと開きます

人口減少・少子高齢化の進行が著しい地方において、地域力の維持・強化を図るためには、良質な雇用の確保が課題となっています。総務省は、地域の人材・資源・資金を活用した地域課題の解決に資する起業・新規事業を「ローカルスタートアップ」と定義しています。

出典:総務省. 「ローカルスタートアップ支援制度推進要綱」

 ローカル10,000プロジェクトとは

ローカル10,000プロジェクト(地域経済循環創造事業交付金=国庫補助事業)とは、産学金官の連携*2)により、地方の人材・資源・資金を活用した新たなビジネスを立ち上げようとする民間事業者の初期投資費用(施設整備・改修費、機械装置費、備品費、調査研究費)を支援するものです。

支援対象の要件として、

①地域密着型(地域資源の活用)

②地域課題への対応(公共的な課題の解決)

③地域金融機関等による融資、地域活性化ファンドによる出資、民間クラウドファンディング

④新規性(新規事業)

⑤モデル性(他の地方自治体が参考にしやすいかどうか)

があり、有識者(総務省)の審査を経て該当すると認められた事業が対象となります。

令和5年度は、23件の事業に交付されています。

■ローカル10,000プロジェクト(国庫補助事業)事業スキーム

 

※1)産学金官連携とは 「+」を押すと開きます

例えば、企業の新製品・新技術の開発や技術的課題を解決するなどのために、大学・高専公的研究機関の研究者から技術指導を受けたり、研究者と一緒に共同研究などを行う取組に、産業支援機関金融機関が、窓口相談や情報提供、伴走支援など一緒になって取り組むことを言います。

出典:経済産業省. 近畿経済産業局「はじめての産学官金連携ガイドブック」

ローカル10,000プロジェクト(地方単独事業)とは

令和6年度から、従来の(国庫補助事業)に加え、小規模事業者の起業を後押しする初期費用を補助する際に審査要件を緩和した(地方単独事業)が始まりました。

地方単独事業では、初期費用の対象経費を市町村が事業者に補助するとき、国が1事業者あたり最大で1,500万円の特別交付税を充てることになりました。

国庫補助事業では、最大5,000万円だった金額を下げる分、審査要件を緩和したわけです。

地方単独事業では、

・国庫補助事業と異なり、先行事例の横展開等を推進するため、モデル性(他の自治体のモデルになること)は問いません。

・国庫補助事業と異なり、融資額が小さい場合、交付額が小さい場合、(不動産等の)担保付融資の場合、

 ソフト経費(広告宣伝費、商品開発費)が中心となる場合も柔軟に活用可能となっています。

国が選んだ有識者による審査を不要としました。市町村の有識者の審査又は商工会議所の確認を経ることで柔軟に活用可能となっています。

これにより通常1~2ヵ月かかる審査時間が大幅に短縮することが見込まれます。

 

■ローカル10,000プロジェクト国庫補助事業と地方単独事業

補足※1)国・地方負担割合
原則、公費による交付額の1/2です。
但し、以下については、国費の補助率のかさ上げを行ないます。
・条件不利地域で財政力の弱い市町村(財政力指数0.5 未満)は2/3
特に財政力の弱い市町村(財政力指数0.25 未満)は3/4
・脱炭素に資する地域再エネの活用等に関連する事業は3/4
・生産性向上に資するデジタル技術の活用に関連する事業は9/10
補足※2)公費による交付額の上限
原則2,500 万円、融資額(又は出資額)が公費による交付額の1.5倍以上2倍未満の場合は、上限3,500万円、 2倍以上の場合は上限5,000万円です。
・交付金2,500万円を申請する場合、融資額(又は出資額)は最低2,500万円必要です。
・交付金3,500万円を申請する場合、融資額(又は出資額)は最低5,250万円必要です。
・交付金5,000万円を申請する場合、融資額(又は出資額)は最低1億円必要です。

 

■対象となる経費の例

ローカル10,000プロジェクト活用例

ローカル10,000プロジェクトの活用例として、例えば、

・遊休施設を改修したコワーキングスペースの整備

・地域の農産物を加工した新商品の開発

・クラフトビールの製造・工場見学

・サイクリング観光拠点整備(海の駅改修、サイクルショップ建設)

等の分野の事業があげられます。

具体例として、奈良県天理市の「里山ライフ×アートを基軸とした工房付きゲストハウス整備事業」では、

工房付きゲストハウス

②芸術家との交流

③移住定住促進

④森林資源の活用

といった要素が事業に組み込まれており、地域の文化力向上や経済循環に寄与するものとなっています。

■ローカル10,000プロジェクト施策例 (奈良県天理市)

出典:奈良県天理市. 「ローカル10,000プロジェクト施策例 (奈良県天理市)

71499543.pdf (city.tenri.nara.jp)

おわりに

今回は「ローカル10,000プロジェクト」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

ローカル10,000プロジェクト(地方単独事業)は、審査要件が緩和され、小規模事業でも助成が受けやすいものとなっています。

ローカル10,000プロジェクトを活用して地域を元気にしたいと考えている方は、まず地方自治体または地域金融機関に相談してみてはいかがでしょうか。

なお、HKSでは、事業計画書のブラッシュアップや各種補助金申請等の支援において、多くの支援実績がございますので、よろしければご相談下さい!

今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。

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