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補助金獲得最後の壁!プレゼン審査通過のポイント総まとめ

今回は、「補助金のプレゼンテーション審査対策」についてご紹介します。

今回お伝えしたいポイント1.  プレゼン審査が実施される主要な補助金制度とは?

2.書類審査・プレゼン審査の通過率とその違い

3.通過のために必要な準備・話し方・対応力の具体策

昨今、特に大型の補助金でプレゼン審査が導入されるケースが増え、採択のカギを握る存在になっています。

しかしながら、「書類は通ったのに、プレゼンで落ちた」という声も少なくありません。

そのような中、「どこを見られるのか分からない」と不安な方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、プレゼン審査の特徴や評価ポイント、通過のための準備方法をご紹介します。

補助金申請を控えた経営者の方は、ぜひご一読ください。

補助金制度の詳細は、各公式ホームページをご確認ください。

👉ものづくり補助金 公式サイト
👉大規模成長投資補助金
👉成長加速化補助金

プレゼンテーション審査がある補助金制度とは?

すべての補助金でプレゼン審査があるわけではありませんが、以下の国の大型補助金では、書類審査を通過した後に、経営者本人によるプレゼン審査が実施されます。

補助金名 審査形式 対応者 特徴
ものづくり補助金 Zoom面談(30分) 代表者1名のみ 一定の基準を満たした事業者を対象に実施。対象となる基準は未公開
大規模成長投資補助金 対面プレゼン(約60分) 代表者+
最大2名
外部有識者による厳格審査。金融機関の同席による加点あり。コンサルティング会社等の同席不可。
成長加速化補助金 対面プレゼン 代表者中心 詳細未定。大規模成長投資補助金と同様となる見込み

その他にも、都道府県の補助金においては、口頭審査が第二次審査として必須となっているケースも多く存在します。

これらの制度では、口頭審査を、「計画の効果・実現可能性等について定性面も含めた」審査の場として位置付けています。

近年は書類作成の質が高まっている中、プレゼンが実質的な“決定打”になるケースもあるようです。

 

例えば、大規模成長投資補助金の3次公募要領には、下記のようなスケジュールでプレゼン審査が組み込まれています。

(出所:大規模成長投資補助金 公募要領(3次公募)

書類審査・プレゼン審査の通過率とは?

大規模補助金では、準備不足では通らない、“狭き門”になりつつある

書類を通過しても、その後のプレゼンで評価が下がれば、不採択になることも珍しくありません。

例えば、大規模成長投資補助金では最終的な採択率は10〜15%前後という非常に狭き門。書類だけ完璧でも、プレゼンを軽視すれば高確率で不採択となります。

これは、どれだけ魅力的な事業計画でも、“伝わらなければ実現できない”と判断される厳しい現実です。

以下は、各補助金の最新の通過状況をもとに整理した表です。

補助金名 書類通過率(目安) プレゼン通過率(目安) 最終採択率(目安)
ものづくり補助金 30〜50%(公募回により変動) 非公表(審査対象は一部) 30〜50%(公募回により変動)
大規模成長投資補助金 約35%(実績) 約40〜43%(実績) 約15%
成長加速化補助金 30~40%

(大規模成長投資補助金と同等と想定)

30~40%

(大規模成長投資補助金と同等と想定)

約15%

(大規模成長投資補助金と同等と想定)

なぜプレゼン対策が必須なのか?

  • ✅ 審査員はプレゼンで“本気度”と“実行力”を見極める
  • ✅ 回答に詰まると「理解していない=信頼できない」と見なされる
  • ✅ 「社長本人が語れるかどうか」が重視される(丸投げ型は落とされやすい)
  • ✅ 良い計画でも、伝え方が稚拙だと「実現性が低い」と判断される

プレゼン審査は、準備の差がそのまま採択の差につながります。だからこそ、事前準備・構成・練習までを徹底することが、採択のカギとなります。

プレゼンテーション審査の評価基準とは?

採否を分ける審査基準と、評価される話し方

プレゼン審査では、単に計画を説明するだけでは足りません。
書類審査と共通した審査基準と、プレゼン審査のみで見られる審査の観点があると考えられます。

<書類審査と共通した審査基準>

例えば、大規模成長投資補助金では下記のような審査基準が書類・プレゼンで審査されています。

(出所:中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金説明会)

 

<プレゼン審査のみで見られるポイント>

上記の審査基準に加えて、プレゼン審査では、下記のようなポイントがあると考えられます。

プレゼンでは、以下の5つの観点で評価されます。

評価項目 見られるポイント
経営者の熱意・主体性 自分の言葉で補助事業を語れているか、事業に対して本気か
資料・説明力 補助事業を説明するスライド・論理の構成、ロジック・簡潔さ

特に注目されるのが「経営者の本気度」。代理作成された申請書を“丸暗記”しても通用しません

審査員が問いたいのは、「この人ならやり遂げるだろうか?」という確信です。

 

✅ 経営者の「言葉の重み」が採否を分ける

とりわけ重視されるのが、「経営者本人が語っているかどうか」。
実際に、次のような発言・態度がプレゼン審査で不利に働いた事例もあります。

  • 「この部分は担当者がやっているので…」→ 熱意・関与の薄さを疑われる
  • 「そこは専門家に任せてまして…」→ 実行責任が不明と判断される
  • 「そういう数字は詳しくは覚えてないです…」→ 経営者の理解不足とみなされる

どれだけ申請書の作成を支援者に頼ったとしても、最終的に語るのは経営者自身。自分の言葉で語れない限り、審査員の信頼は得られません。

プレゼン審査を突破するための方法

準備で9割が決まる。構成・練習・想定問答がカギ

補助金のプレゼン審査は、限られた時間で「事業の信頼性」と「経営者の本気度」を伝える場です。

以下に、合格するために必須の準備・実践のポイントを「準備編」と「当日編」に分けて紹介します。

 

✅ 【準備編】資料作成と想定問答で“伝える準備”を固める

 ① 「課題 → 解決策 → 実行体制 → 成果」で事前のカンペを作る

審査員は1日に何件もプレゼンを聞いています。結論までに迷わせない構成が鍵となります。

応募書類を作成する時点で、プレゼン審査で何を・どう伝えるかを、クリアにしておく必要があります。

スライドの構成例 ポイント
① 社会課題・業界トレンド 「なぜこの事業が必要なのか?」を最初に共有
② 自社の強み・解決策 技術・商品・サービスの具体性を示す
③ 補助金の使い道と効果 なぜ補助金が必要か/導入で何が変わるか
④ 実行体制・資金計画 誰が、いつ、どうやって実現するか
⑤ 成果・KPI・波及効果 売上目標、地域雇用、賃上げ、地域連携など

 

また、資料構成や発表時間を踏まえた、原稿を用意しておくことが効果的です。

特に、自分の発表がどのページを指しているのか、などについては適宜原稿内で補足しておくと、
プレゼン中の迷いがなくなります。

 

②想定問答を10~15問用意し、ロールプレイで練習

審査員からの質問には、以下のようなパターンが想定されます。

想定質問 チェックすべき回答のポイント
この売上目標の根拠は? 数字の裏付け、市場調査、既存顧客の反応
他社との差別化は? 技術面・価格・サービスなど具体的に
自己資金・借入はどのように調達? 銀行の内諾状況や資金繰りの見通し
本当にこの人材で実現可能か? 役割・責任・実績を明確にしておく

回答は1分以内に答えられるように要約しておくこと。
第三者(同僚・専門家)に協力してもらい、模擬面接形式で練習すると効果的です。

 

✅ 【当日編】伝え方・姿勢・質疑対応が“信頼感”を決定づける

■ ① 話し方の鉄則:「PREP法」+「具体性」

補助金プレゼンは時間が短い(例:10〜15分)。
その中で審査員の信頼を勝ち取るには、構造化された話し方が必須です。

  • PREP法:
    • Point(結論)
    • Reason(理由)
    • Example(事例・数字)
    • Point(もう一度結論)

例:
「当社はA市場で売上10億円の達成が可能です。理由は、既に5億円の見込み客が存在し、類似商材のリピート率が80%を超えているからです。この成長余地を活かすための設備投資が本事業です。」

 

■ ② 質疑応答は「誠実・簡潔・冷静」に対応

  • 否定されたら一度「ご指摘ありがとうございます」と受け止める
  • 「お答えできません」はNG。可能な範囲で方向性だけでも示す
  • 書類と違う内容を言ってしまわないよう注意(整合性が大事)

審査員は専門家もいれば、事業経験のない方もいます
「業界を知らない人にも伝わる言葉選び」も重要です。

おわりに|プレゼンは、最後の関門であり最大のチャンス

今回は「補助金のプレゼンテーション審査対策」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

なお、HKSでは補助金申請において、書類審査だけでなく、採択までの伴走支援に多くの実績がございますので、よろしければご相談下さい!

今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。

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