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【最新情報】2025年度 事業承継・M&A補助金について

今回は「事業承継・M&A補助金」についてご紹介します。

今回は、2025年8月25日から申請受付が開始された、「事業承継・M&A補助金」をご紹介します。
この補助金は、2025年度より、事業承継・引継ぎ補助金から名称が変更されました。今回公募が開始された第12次は、「事業承継促進枠」、「専門家活用枠」、「PMI推進枠」、「廃業・再チャレンジ枠」の4つ枠どれかを選んで申請することとなります。
中小企業・小規模事業者が円滑に経営資源を引き継ぐことや、成長戦略としてのM&Aを実現することを後押しする補助金ですので是非ご覧ください。

本記事では、本補助金の概要と、4つの申請枠の内容や対象事業者、対象経費等をご説明します。
本事業の公募要領等はこちら

今回お伝えしたいポイント1.  どのような補助金か?

2.事業承継やM&Aにかかる、どの経費が対象になるのか 

3.4つの申請枠について詳しく解説!

補助金の概要

①4つの申請枠の概要

事業承継・M&A補助金には4つの申請枠があります。その内容について、一覧にしております。

 

②各申請枠の補助率・対象経費・最大補助額の一覧

それぞれの申請枠で、対象経費や補助率、補助上限が異なってきますので適した申請枠でご検討下さい。

③スケジュール

今回の第12次のスケジュールは以下となります。
8月22日(金)から公募受付が開始され、9月19日(金)17時が申請締め切りとなります。その後、10月下旬に採択が発表され、交付申請等の手続きに進んでいきます。
交付決定後、補助事業完了日までは12か月以内となっています。
申請にあたっては、「gBizIDプライム」が必要となりますので、事前に取得しておくことをおすすめします。


(出典)事業承継・M&A補助金事務局「2025年事業承継・M&A補助金」パンフレット

 

4つの申請枠について

ここから、事業承継・M&A補助金の4つの申請枠について、もう一段階詳しく解説してきます。

①事業承継促進枠

事業承継促進枠とは、親族内承継や従業員承継等の事業承継を契機として経営や事業を引き継ぐ予定である中小企業者及び個人事業主が、引き継ぐ予定である経営資源を活用するための設備投資等に係る取り組みを行う際の費用の一部を補助することで、中小企業者等の生産性を向上させることを目的とした枠です
※詳細は、公募要領を参照(リンク)。

 

主なポイントとして以下3点がございます。

①一定期間内に親族内承継や従業員承継等の事業承継によって、経営資源の引継ぎを実施すること

公募申請期日から5年後まで(12次の場合、2030年9月18日まで)の事業承継対象期間内に事業承継を完了することが必要です。

(出典)事業承継・M&A補助金事務局「2025年事業承継・M&A補助金」パンフレット
②一定の条件を満たす承継予定者(事業を受ける側)と被承継者間(事業を渡す側)で実質的な事業承継が行われること

承継予定者の要件

・会社役員として3年以上の経験を有する者

・継続して3年以上雇用され業務に従事した経験を有する者

・雇用され業務に従事した経験を通算3年以上有する者

・被承継者の親族であり、対象会社の代表の経験が無い者

※個人事業主の場合、承継予定者と被承継者による共同申請が必須です

 

実質的な事業承継の内容

・経営権・所有権(株式・持ち分等)のいずれもが被承継者から承継者に譲渡されるもの。

・実質的な事業承継の実施が客観的に確認できるもの。

 

③事業承継により引き継ぐ経営資源を活用して行う生産性向上等に係る取組であること

生産性向上要件とは

承継予定の中小企業者等の「付加価値額」又は「1人当たりの付加価値額」の伸び率が3%/年の向上を含む計画を指します。

付加価値額の計算方法は、法人・個人事業主の場合でそれぞれ以下の通り。

[法人]   付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費

[個人事業主]付加価値額 = 営業利益 + 減価償却費 + 福利厚生費 + 給料賃金

 

補助対象経費並びに、補助率、補助上限額は以下となります。


(出典)事業承継・M&A補助金事務局「2025年事業承継・M&A補助金」パンフレット

 

②専門家活用枠

専門家活用枠とは、後継者不在や経営力強化を背景とした事業再編・事業統合等の経営資源引継ぎ(M&A)のニーズをもつ中小企業者及び個人事業主が、経営資源の引継ぎに際して活用する専門家の費用等の一部を補助することによって、地域の需要や雇用の維持・創造等を通じた経済の活性化を図ることを目的とした枠です。

支援類型として以下3つがあり、承継やM&Aの立場によって異なります。

(出典)事業承継・M&A補助金事務局「2025年事業承継・M&A補助金」パンフレット

 

100億宣言とは

上記特例の「100億宣言」とは、「売上高100億円」を目指す中小企業が、その目標及び実現に向けた取り組みの実施を行っていくことを宣言するものです。 宣言を行った企業は、宣言取得による補助金・税制の活用に加え、100億企業成長ポータルへの掲載などが可能になります。詳細は以下のポータルサイトでご確認ください。
ポータルサイトはこちら

 

補助対象経費並びに、補助率、補助上限額は以下となります。

(出典)事業承継・M&A補助金事務局「2025年事業承継・M&A補助金」パンフレット

 

デュー・ディリジェンス(DD)とは

対象企業である譲り渡し側における各種のリスク等を精査するため、主に買い手がFAや士業等専門家に依頼して実施する調査です。調査項目は、M&Aの規模や実施希望者の意向等により異なりますが、一般的に、資産・負債等に関する財務調査(財務DD)や株式・契約内容等に関する法務調査(法務DD)等から構成されます。

 

PMI

PMI推進枠とは、経営資源の引継ぎ(M&A)を行った又は行う予定の中小企業者及び個人事業主が、事業再編・事業統合等の取り組み(以下、「PMI」という。)に際して活用する専門家の費用及び統合に伴う設備投資費用等の一部を補助することによって、中小企業者等の事業再編・統合後の生産性向上を通じた経済の活性化を図ることを目的とした枠です。

 

PMI推進枠では、M&A成立後に行われる経営統合作業(PMI)の具体的な内容に応じて「専門家活用類型」、「事業統合投資類型」の2つの類型にわかれます。
「専門家活用類型」はPMIの計画や実行段階、「事業統合投資類型」は統合効果を最大化させる段階と、PMIの経過時間に前後関係があり2類型を同一公募回で同時申請することは認められないため、自社のPMI実行状況をご確認の上で、適切な類型で申請を実施してください。

なおPMI推進枠(PMI専門家活用類型)の申請パターンについては、交付申請時点で既に事業再編・統合に伴う経営資源の譲り受けが完了済(クロージング済)であることを要件とする「単独申請」と、専門家活用枠(買い手支援類型(I型))との同時公募回での申請を行う「同時申請」の2パターンが存在します。


(出典)事業承継・M&A補助金事務局「2025年事業承継・M&A補助金」パンフレット

 

補助対象経費並びに、補助率、補助上限額は以下となります。


(出典)事業承継・M&A補助金事務局「2025年事業承継・M&A補助金」パンフレット

 

④廃業・再チャレンジ枠

廃業・再チャレンジ枠とは、M&Aによって事業を譲り渡せなかった中小企業者等の株主や個人事業主が、地域の新たな需要の創造や雇用の創出にも資する新たなチャレンジをするために、既存事業を廃業する場合にかかる経費の一部を補助する枠です。

 

廃業・再チャレンジ枠では、当枠のみの単独で申請を行う「再チャレンジ申請」と、事業承継促進枠や専門家活用枠、PMI推進枠と併せて申請を行う「併用申請」の場合で要件が異なります。
なお、再チャレンジ申請として単独で申請する際は、「2020年1月1日から2025年9月19日(公募申請期日)までの間に、売り手としてM&Aに着手し、6か月以上取り組んでいること」が条件となる点に注意が必要です。


(出典)事業承継・M&A補助金事務局「2025年事業承継・M&A補助金」パンフレット

 

補助対象経費並びに、補助率、補助上限額は以下となります。


(出典)事業承継・M&A補助金事務局「2025年事業承継・M&A補助金」パンフレット

 

さいごに

今回は「事業承継・M&A補助金」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。とくにスタートアップ業界においては、東証グロース市場の上場維持基準の見直し(上場後5年経過後の時価総額100億円以上)がなされてから、事業成長の1つの手法としてもM&Aが改めて注目されています。今後も事業承継やM&Aは活性化していくと想定され、本補助金は、対象となる事業者にとってはM&A後の成長やPMI等に活用できる制度になっておりますので、ぜひご検討ください。
なお、HKSでは各種補助金において、多くの支援実績がございますので、よろしければご相談下さい!

今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。

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