HKSブログ

補助金で終わらせない、中小企業診断士の活用法

今回は、中小企業診断士という士業についてご紹介したいと思います。

今回お伝えしたいポイント1.   中小企業診断士の活用は補助金だけではありません

2.中小企業診断士は体系的に経営理論を学んだ実務家です

3.中小企業診断士は横断的に多くの企業を見ています。理論と実践が相まって企業をベストに変化させるノウハウを有しています

はじめに~中小企業診断士は「補助金の人」…だけではありません

HKSは構成員が国家資格である中小企業診断士の資格を有しています。

しかしながら、事業者さんは「中小企業診断士とは、そもそも何をする人なのか」、「経営者にとって、どのような場面で役に立つのか」という疑問をお持ちかもしれません。

あるいは、中小企業診断士に対して、「補助金の申請を手伝ってくれる人」「何となく経営の相談ができそうな人」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

実際、都道府県のよろず支援拠点や、各種補助金の申請場面で、中小企業診断士が関わるケースは非常に多く、経営支援の入口として補助金がきっかけになることも少なくありません。

ただし――

それだけにとどまってしまうのは、実にもったいない!

ここでは、中小企業診断士の背景にある知見や経験をご紹介しながら、事業者の皆さまが中小企業診断士をより有効に活用するための視点をお伝えします。

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中小企業診断士は、経営を「体系的」に学んでいます

中小企業診断士の大きな特徴の一つは、経営に関する分野を体系的・横断的に学んでいることです。

この資格を取得する過程では、経営に関する多くの知識を学びます。

例えば次の通りです。

◆1次試験

科目 内容
経済学・経済政策 マクロ経済・ミクロ経済、金融・財政政策、景気動向などを扱います。
財務・会計 財務諸表分析、原価計算、管理会計、投資意思決定などを扱います。
企業経営理論 経営戦略論、組織論、人事・労務管理、マーケティング理論を含みます。
運営管理 生産管理(製造業)および店舗・サービス管理(小売・サービス業)を扱います。
経営法務 会社法、契約法、知的財産権、コンプライアンスなどを扱います。
経営情報システム IT、情報システム、DX、データ活用、セキュリティなどを扱います。
中小企業経営・中小企業政策 中小企業の実態、経営課題、各種支援施策・補助金制度などを扱います。

◆2次試験

(筆記試験)

科目 内容
事例Ⅰ(組織・人事) 組織設計、人事制度、後継者問題、企業文化などを扱います。
事例Ⅱ(マーケティング・流通) 市場分析、顧客戦略、商品・価格・販路、プロモーションなどを扱います。
事例Ⅲ(生産・技術) 生産管理、工程改善、品質管理、外注管理などを扱います。
事例Ⅳ(財務・会計) 財務分析、投資判断、CVP分析、管理会計などを扱います。

(口述試験)(※)

中小企業の診断及び助言に関する実務の事例

いわゆる面接試験です。筆記試験合格者のみが受験できます。

(※)令和8年度試験からは口述試験は廃止される方向で検討が進められています。

 

試験科目で扱われているテーマはいずれも、すでに事業者の皆さんが日々向き合っていることばかりではないでしょうか。

中小企業診断士は、これらのいろんな観点を「点」ではなく「構造」として捉える訓練を受けている点にあります。

企業にとって重要なのは、「今どうなっているか」を整理することだけではありません。

企業の未来に向けた判断を適時に行っていく必要があります。

-いまここでなされた判断は、将来どのような影響を持ち得るのか

-想定されるリスクはどこにあるのか

-数年後、どのような経営課題が表に出てきそうか

こうした問いを立てながら、現在と将来をつなげて考える視点を持っているのが中小企業診断士です。

補助金支援の「その先」まで見据えた支援ができる存在です。

事業者さんにとっての転ばぬ先の杖を提供する存在とも言えるでしょう。

中小企業診断士が助言する補助金の事業計画書が、単なる申請書類にとどまらず、将来を見据えた経営の整理資料になり得るのは、この体系的な視点があるからです。

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中小企業診断士は、実務の現場を知っています

もう一つ、ぜひ知っていただきたい点があります。

それは、中小企業診断士が実務経験を持つ社会人であるということです。

第一線で経営支援を行うプロのコンサルタントはもちろん、資格保有者の多数を占める企業勤務の中小企業診断士もおり、企業の現場を知るプロフェッショナルです。

たとえばこんな人です。

金融機関で中小企業と向き合ってきた人

製造業やサービス業の現場を経験してきた人

営業、企画、管理部門で意思決定に関わってきた人

このような多様なバックグラウンドを持つ人が中小企業診断士として活動しています。

そのため、中小企業診断士は、理論を現実に一方的に当てはめる存在ではありません。

現場が忙しく、改善に時間を割けない現実、社内の合意形成にかかる労力、社長が多くの判断を同時並行で担っている状況―そうした現実を理解したうえで、経営者の思考整理を支援します。

理論を学んでいるからこそ、現場に合わせて使い分ける。

これが、中小企業診断士が「理論を知る実務家」であるゆえんです。

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中小企業診断士は、多くの中小企業の現場を見ています

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自社の経営に集中していると、他社の業務内容や意思決定の過程を知る機会は、ほとんどないかもしれません。その点、中小企業診断士は、企業診断や助言業務を通じて、複数の中小企業の現場を横断的に見ています。

実際に顧問として事業者支援をしている中小企業診断士はもとより、企業で勤務する中小企業診断士も、資格更新の要件として、一定期間、診断助言業務に従事することが求められているため、どの中小企業診断士も何らかの形で必ず企業の現場に立ち会っています。

そして、各社の課題を整理し、改善に向けた助言を行う訓練を重ねています。

見ている企業の数や業種は診断士ごとに異なりますが、課題解決の引き出しを多く持っていることは、経営支援を受ける事業者さんにとっても大きな安心感です。

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中小企業診断士は、経営者の「壁打ち相手」です

企業が事業を継続し、成長していくためには、外部環境がどう変化しているのか、自社の強みはどこにあるのか、投資によって何を実現したいのか、といった点を整理し続ける必要があります。

これは、新しいことを考える作業というよりも、日頃考えていることを言葉と数字に落とし込む作業と言えるでしょう。

中小企業診断士は、そのプロセスにおいて、経営の考えを第三者視点で整理する、将来像をより明確にする、社内や金融機関に説明しやすい形にする、などの支援を行っていきます。

補助金は、資金面での支援であると同時に、経営を立ち止まって見直すきっかけにもなります。

採択後も続く「経営との向き合い」-中小企業診断士が寄り添います

補助金は、採択された時点で役割を終えるものではありません。

事業を進める中では、想定と異なる状況が生じる、市場環境が変化する、計画の修正が必要になる、といったことが起こり得ます。

中小企業診断士は、こうした場面で経営者と一緒に状況を整理し、次の判断を考える伴走者となります。

「補助金で終わらせない」とは、補助金をきっかけに、経営の見通しをよりクリアにすることと言い換えることもできます。

中小企業診断士は、経営全体を俯瞰しながら、必要に応じて専門分野につなぐ役割も担います。

経営者にとって、「誰に何を相談すればよいか」を整理する存在とも言えるでしょう。

おわりに:補助金を、経営の力として活かすために

中小企業診断士は、経営者の意思決定をお手伝いする存在です。

現在の状況を整理し、将来起こり得ることを見据え、実務の現実を踏まえて一緒に考える、そうした「思考の整理役」として、経営者に寄り添う役割、と言えるでしょう。

事業者さんが中小企業診断士へ支払うフィー(対価)は、経営を整理するための時間、判断の選択肢を増やすための思考、将来を見据えた視点の獲得、といった、経営判断の質を高めるための対価だと言えます。

短時間の相談で十分な場合もあれば、一定期間、継続的に壁打ち相手として関わる方が効果的な場合もあります。どこまで、どのタイミングで関わるかは、経営者ご自身が選ぶことができます。

補助金をきっかけに経営を整理したいとき、あるいは、次の一手を考える際の思考パートナーが欲しいとき。

その選択肢の一つとして、中小企業診断士をうまく活用頂ければ幸いです。

補助金は1つのきっかけに過ぎません

経営をどう前に進めるかを一緒に考えることが、中小企業診断士の本質的な役割です。

その役割を果たせる存在であり続けられるよう、私たち中小企業診断士は、事業者の皆さまに寄り添いながら日々研鑽を重ねていきたいと考えています。

 

今回は以上です。最後までお読み下さりありがとうございました。

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