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AI秘書のすすめ-補助金を活用して、小さな会社の仕事を変える-

今回は、「AI秘書を活用した中小企業の業務改善」についてご紹介します。
今回お伝えしたいポイント1.AI秘書は、身近な仕事を一つ任せるところから始める
2.本格的な業務改善では、AIだけでなく仕事の流れも見直す
3.補助金はAI・DX導入の目的ではなく、必要な投資を後押しする手段として活用する
昨今、生成AIを業務に活用する企業が増えています。メールの下書き、議事録の作成、資料の要約、企画案の作成など、これまで人が時間をかけて行っていた仕事を、生成AIが手伝えるようになりました。
しかしながら、「どの生成AIを使えばよいか分からない」「一度使ってみたが、思ったような回答が得られなかった」「会社全体に導入するにはハードルが高い」と感じている経営者の方も少なくありません。
そのような中、「人を採用する前に、AIに任せられる仕事があるのではないか」と考える方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、生成AIを経営者や社員の仕事を支える「AI秘書」として活用する方法と、AI・DX導入に利用できる補助金についてご紹介します。
この「AI秘書」は、人手不足に悩んでいる、日々の事務作業に追われている、営業や商品開発に使う時間を増やしたいという中小企業の経営者の方に、ぜひご検討いただければ幸いです。
AI秘書には、まず一つの仕事を任せる
AI秘書が得意なのは、情報を整理し、文章や資料のたたき台を作る仕事です。
例えば、次のような業務が考えられます。
- メールや案内文の下書き
- 打ち合わせ内容や議事録の整理
- 長い資料の要約
- 企画書やブログの構成案作成
- 売上データの集計や分析
- 社内マニュアルやFAQの作成
- やるべき仕事の洗い出し
これらの仕事は、一つひとつにかかる時間は短くても、積み重なると大きな負担になります。AI秘書に下準備を任せ、人が内容を確認して仕上げることで、経営者や社員は、顧客対応、営業、商品開発など、より重要な仕事に集中しやすくなります。
ただし、最初から会社全体をAI化しようとする必要はありません。
まずは、毎週または毎月繰り返している仕事を一つ選びます。そして、その仕事に現在どのくらい時間がかかっているかを測り、AIを利用した場合に、どの程度短縮できるかを比較します。
例えば、議事録の作成に毎回60分かかっていたものが30分になれば、1回当たり30分の削減です。月に10回行う業務であれば、毎月5時間を生み出せる計算になります。
小さな仕事で効果を確認してから、次の業務へ広げることが、無理のないAI活用の第一歩です。
本格的なDXでは、仕事の流れを見直す
生成AIを使い始めると、文章作成や資料整理だけでなく、受発注、在庫管理、予約管理、顧客対応なども自動化したいと考えるようになります。
例えば、FAXやメールで届く注文書をAI-OCRで読み取り、受注システムへ入力する業務です。
しかし、実際の仕事は、注文書を読み取るだけでは終わりません。
読み取った商品名や数量を商品マスターと照合し、在庫や納期を確認します。業種によっては、賞味期限、製造ロット、配送方法などについても、個別の判断が必要です。AIが正しく読み取れなかった場合には、人による確認や修正も欠かせません。
このような業務を改善するには、AIツールを導入するだけでなく、現在の仕事の流れを整理する必要があります。
具体的には、次の内容を確認します。
- 誰が、どの仕事を担当しているか
- 一つの処理に何分かかっているか
- どこで二重入力や待ち時間が発生しているか
- どのような例外処理があるか
- AIに任せる部分と、人が判断する部分はどこか
- 導入後のデータやマスターを誰が管理するか
現在の業務を整理しないままシステムを導入すると、使いにくい仕組みができたり、確認作業が増えたりすることがあります。
DXとは、単に紙をデジタルに置き換えることではありません。AIやITを活用しながら、仕事の流れそのものを見直す取り組みです。
補助金をAI・DX導入のきっかけにする
AIや業務システムの導入には、まとまった費用が必要になる場合があります。そこで活用を検討したいのが、「デジタル化・AI導入補助金」や「中小企業省力化投資補助金」などの支援制度です。
デジタル化・AI導入補助金は、中小企業・小規模事業者が、AIを含むITツールを導入し、生産性向上やDXを進めるための費用を支援する制度です。
一方、中小企業省力化投資補助金は、人手不足の解消や生産性向上につながる設備・システムへの投資を支援します。個々の会社の業務に合わせて設計・開発する受発注システムなども、要件を満たせば対象となる可能性があります。
ただし、「補助金が使えるから、このシステムを導入する」という順番には注意が必要です。
補助金の採択を受けても、システムが現場の仕事に合わなければ使われなくなります。導入後の担当者や運用ルールが決まっていなければ、データの更新や業務の改善も進みません。
補助金を申請する前に、少なくとも次の5点を確認しましょう。
- 解決したい経営課題は明確か
- 現在の業務の流れを把握しているか
- 導入によって削減できる時間を測定しているか
- 導入後に運用する担当者が決まっているか
- 導入費用に見合う効果を期待できるか
また、補助金には、賃上げ、付加価値額の向上、事業実施期間などの要件が設けられる場合があります。原則として、交付決定前に契約、発注、支払いを行うと補助対象になりません。
制度の名称や要件、公募期間は変更されるため、申請する際は必ず最新の公募要領を確認してください。
私自身もAI秘書を活用しています
私自身も、中小企業診断士としての相談業務や会社の運営に、生成AIを「AI秘書」として活用しています。
例えば、経営相談の前には、相談者から受領した資料や過去の相談記録をAIと一緒に整理し、確認したい事項や打ち合わせの進め方を検討します。相談後は、録音した内容の文字起こしを基に、議事録や相談報告書、次回までの課題をまとめています。
売上データを受領した際には、店舗別や月別の推移をグラフにし、変化が起きている時期や確認すべき点を洗い出します。AIが示した内容をそのまま結論とするのではなく、経営者へのヒアリングで事実を確かめながら、課題や改善策を整理しています。
このほかにも、お客様へのメールの下書き、セミナーや打ち合わせ資料の構成、ブログのテーマ出し、スケジュールやタスクの整理など、さまざまな場面でAI秘書を利用しています。
実は、今回の記事もAI秘書と一緒に作成しました。テーマと読者に伝えたい内容を私が決め、AIに構成案や文章のたたき台を作ってもらい、対話を重ねながら修正しています。記事に掲載する挿絵やサムネイル画像の作成にもAIを活用しました。
AIを使って実感しているのは、AIが人に代わってすべてを判断してくれるわけではないということです。
相談者の状況を理解し、何が本当の課題なのかを考え、どの提案を採用するかを決めるのは人の役割です。また、AIが作成した文章や分析には誤りが含まれる可能性があるため、必ず内容を確認しています。顧客情報や機密情報の取り扱いにも十分な注意が必要です。
それでも、情報整理や資料作成にかかる時間が短くなったことで、相談者との対話や提案内容の検討に、より多くの時間を使えるようになりました。
最初から特別なシステムを構築したわけではありません。メールの下書きや議事録の整理など、身近な仕事を一つずつAI秘書に任せ、使い方を改善しながら活用範囲を広げてきました。
まずは小さく試し、効果を確かめる。そのうえで、本格的なシステム化や補助金の活用を検討する。この順番が、中小企業にとって現実的なAI・DXの進め方だと考えています。
さいごに
今回は、「AI秘書を活用した中小企業の業務改善と補助金」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
AI導入の目的は、AIを使うことではありません。
経営者や社員の時間を生み出し、お客様への対応、営業、新しい商品やサービスづくりなど、人にしかできない仕事へ力を振り向けることが目的です。
まずは、身近な仕事を一つAI秘書に任せてみる。効果が確認できたら、業務全体を見直し、必要に応じてシステム化や補助金の活用を検討する。
この順番で進めることが、小さな会社にとって無理のないDXの第一歩になります。
なお、HKSでは、補助金申請や事業計画の作成、AI・DX導入に向けた経営課題の整理など、多くの支援実績がございますので、よろしければご相談ください!
今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。
港区を拠点に、中小企業診断士・起業支援コンサルタントとして活動。起業初期の戦略設計、マーケティング、DX導入、資金調達など、年間100件以上の相談に対応している。
「好きなことで、楽しく起業する」をスローガンに、【スキラク起業家】(=好き×楽しく×継続可能な起業)を目指す方々の伴走支援を行っている。