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【新設補助金を徹底解説!】中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金について
今回は、「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」についてご紹介します。
今回お伝えしたいポイント1. 今回新設の大規模成長投資補助金はどのような補助金か?
2.建築費(新築・増築)も補助対象になるなど、幅広い経費が対象。
3.今後も継続する見通しの大型補助金であり、是非活用して頂きたい!
大規模成長投資補助金は、2024年3月6日に概要資料が公開された、経済産業省が主体となっている補助金です。この補助金は、『中堅・中小企業の大規模投資に対して支援することで、継続的な賃上げを実現すること』を目的としています。
そろそろ大規模な工場や倉庫等の新設や増設、大規模な設備投資をしないといけないと考えられている中堅・中小企業は多いのではないでしょうか。その際に課題となる資金面を支援してくれる補助金であり、『自社に活用できるか』という視点で本サイトをご覧いただけますと幸いです。それでは補助金の説明に進みましょう。
補助金のホームページのリンクはコチラ
補助金の概要
<概要>
以下のとおり、最大で50億円まで補助金が支給される大型補助金となっています。一方で最低投資額も10億円以上となっており、事業として大型の投資が前提となっていることが分かります。
<事業スキーム>
本補助金は経済産業省が、事務局となる「博報堂・TOPPAN」に運営等を委託するスキームです。
事務局が採択される事業者の書面審査、採択、事業実施状況及び賃上げのフォローアップを行いますが、書面審査通過後の2次審査(プレゼン審査)は地域ごとに審査会を設置する予定です。
※出典:中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金 概要資料
公募要領はこちらを参照ください ⇒ 公募要領
次に公募スケジュールを見ていきましょう。
公募スケジュール
※出典:中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金 概要資料
2024年4月30日17:00までが1次公募の締め切りとなっています。
締め切り後は事務局にて提出された申請資料に基づき書面審査を実施し、1次審査を通過した申請について、地域単位で外部有識者による2次審査(プレゼンテーション審査)を行います。
2次審査は2024年5月中旬~6月中旬を想定しており、提出された成長投資計画を用いて経営者自身によるプレゼンテーション及び外部有識者との質疑応答が実施されます。※プレゼンテーション審査があるのも、本補助金の特徴です。
その後2024年6月下旬頃に採択事業者が発表され、以降交付が決定されるスケジュールとなっています。
次は具体的な本補助金の対象事業者のイメージです。
具体的な対象事業者のイメージ
※出典:内閣府「国内投資促進パッケージ(施策集)165頁」
本補助金は、「持続的な賃上げを目的として、足元の人手不足に対応した省力化等による労働生産性の抜本的な工場と事業規模の拡大を図るために行う工場等の拠点新設や大規模な設備投資に大使の補助」するとされています。
そのため、具体的な対象事業者のイメージとしては、上図のとおり、製造業や卸売行を営む事業者が、「生産工程の抜本的な改革」や「最新設備を導入した物流センターを新設する」ことで、賃上げや省力化が図れる投資を行う事業者が想定されています。
■補助金概要等から想定される対象企業のポイント
・常時使用する従業員数が2,000人以下の事業者(個人・法人問わず)※みなし大企業は除く
・成長産業に属する製造業や卸売業、物流事業者等
・地域の雇用を創出する事業(地域への波及効果が高い事業)
・大型投資が可能な財務基盤を有している事業者
次は補助対象経費についてご説明します。
補助対象経費
※出典:中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金 概要資料
補助対象経費は上図に記載のとおりですが、建物等が対象になる補助金は少なく、魅力的な補助金であると言えるでしょう。
最後に審査基準及び対象要件についてご説明します。
審査基準・要件
※出典:中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金 概要資料
本補助金は、上図の項目を『定量的・定性的』に審査した上で、採択事業者が決定されます。
また、採択要件として以下の項目が挙げられています。
①投資額が10億円以上であること
これは、専門家経費・外注費を除いた経費であり、上述した補助対象経費である、1.建物費、2.機械装置費、3.ソフトウェア費の合計で10億円以上となる必要があります。
なお、投資場所が複数地域になる場合も対象となりますが、補助事業の目的や内容が一体的であることが必要です。
②賃上げ要件を達成すること
これは、『補助事業の終了後3年間の補助事業にかかわる従業員及び役員1人当たり給与支給総額の年平均上昇率』が、『補助事業実施場所の都道府県における直近5年間の最低賃金』の年平均上昇率以上であることが必要というものです。
具体的には、申請時に基準率以上の目標を掲げ、その目標を従業員等に説明の上、達成することが要件となります。
分かりやすく説明すると、以下計算式及び事例(注意点あり)となります。
さいごに
今回は「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
この補助金は、今回新設された補助金であり、過去の採択実績がありません。
第1回目の締め切りまでは時間がないという方もいらっしゃると思いますが、今回採択された事業者や事業内容を見た上で第2回目の公募に向けた戦略を練るというのも一つの方法かもしれません。
なお、HKSでは各種補助金において、多くの支援実績がございますので、よろしければご相談下さい!
今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。
補助金活用支援会(HKS)パートナー、中小企業診断士、認定経営革新等支援機関
ひとこと:資金繰り、事業計画の策定支援を得意としています。補助金制度を活用して、中小企業やスタートアップ企業の事業成長や経営改善、課題解決に貢献できるよう、分かりやすく役立つ情報を提供します。