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【注目の補助金】中小企業省力化投資補助金の概要について解説します!

今回は「中小企業省力化投資補助金」について解説いたします。

本補助金は新設された「中小企業省力化投資補助事業」に位置づけられ、「賃上げ支援」及び「人手不足対策」を実現するカギとなる「省力化」を実現するものです。

ポータルサイトがオープンし、公募要領や製品カタログなどの公開がはじまっており、新たな事業として注目されています。

 

今回お伝えしたいポイント1.   本補助金の概要

2.製品カタログについて

3.本補助金を利用したいときは

中小企業省力化投資補助金ポータルサイトのリンクはコチラ

なお、当ブログではこちらの記事で中小企業省力化投資補助事業について解説しており、よろしければ併せてお読みください。

中小企業省力化投資補助金とは

本補助金は、経済産業省の令和5年補正予算により導入された補助事業です。

中小企業省力化投資補助事業は、IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を「カタログ」に掲載し、中小企業等が選択して導入できるようにすることで、簡易で即効性がある省力化投資を促進する事業です。

(出所:中小企業庁ウェブサイト

 

省力化をテーマにした補助金では、これまで、「ものづくり・商業・サービス補助金 省力化 オーダーメイド 枠」では導入環境に応じたオーダーメイド型の製品導入や、「IT導入補助金」でソフトウェアのみで構成される製品導入の支援が行われてきました。

本補助金はそれらと異なり、導入事業者毎の新たな開発が不要な汎用品であり、ハードウェアを伴った製品を対象とする位置づけです。

公募要領のポイント

令和6年3月29日に本補助金の公募要領が公開されました。

ポイントを以下の通り示します。

目的

本補助金の目的は以下の通りです。

中小企業省力化投資補助事業(以下「 本事業 」 という。) は、 令和5年度からの3年間を変革期間とすることを踏まえ、 中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするため、人手不足に悩む中小企業等が IoT ・ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を導入するための事業費等の経費の一部を補助することにより、省力化投資を促進して中小企業等の付加価値額や生産性向上を図るととも に、賃上げにつなげることを目的とする。その際、IoT・ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品で補助の対象となるものを あらかじめ 登録・掲載し、中小企業等が選択して導入できるようにすることで、簡易で即効性がある 省力化投資を促進する。

省力化投資を促進することで、①中小企業の付加価値額・生産性向上を図り、②賃上げにつなげることを目的としています。それに当たり、汎用製品を選択導入する形式にすることで即効性を狙っています。

補助対象

従業員数別の補助率及び補助上限額は以下の通りです。

カッコ内は大幅な賃上げを行う場合に引き上げられる補助上限額です。

従業員数 補助率 補助上限額

(大幅な賃上げを行う場合)

5人以下 1/2以下 200万円

(300万円)

6~20人以下 500万円

(750万円)

21人以下 1,000万円

(1,500万円)

基本要件

本補助金は、カタログに登録された省力化製品の導入を、販売事業者と共同で取り組む点が特徴的です。

事業計画に含まれる基本要件として、以下の2つの目標が挙げられています。

①労働生産性の向上目標

補助事業終了後、3年間で毎年、申請時と比較して労働生産性を年平均成長率(CAGR)3.0%以上向上

②賃上げの目標(補助上限額の引き上げを希望する場合)

申請時と比較して、

  1. 事業場内最低賃金を45円以上増加させること
  2. 給与支給総額を6%以上増加させること

の双方を補助事業期間終了時点で達成する見込み

 

達成できない場合に、補助金の減額や返還を求められる場合があるようです。

注意点

本補助金についてはいくつか特徴があり、注意点があります。

1.導入する製品があらかじめ補助対象としてカタログに登録されている必要がある

本事業の対象となるためには、導入する製品・販売店があらかじめ補助対象としてカタログに登録されている必要があります。また、省力化を目的とすることから、新規事業は対象とはならないようです。

2.人手不足の状態にあることを確認する必要がある

以下のいずれかから当てはまるものを一つ以上選択し、省力化を進める必要があることを事業計画の中で説明する必要があります。

①限られた人手で業務を遂行するため、直近の従業員の平均残業時間が30時間を超えている
②整理解雇に依らない離職・退職によって従業員が前年度比で5%以上減少している。
採用活動を行い求人を掲載したものの、充足には至らなかった
④その他、省力化を推し進める必要に迫られている。

3.保険への加入が必要な場合がある

補助額が500万円以上(購入額1 000 万円以上)となる場合、保険又は共済への加入が必須となります。

4.他の補助金との重複等が理由で補助対象外となる場合がある

ものづくり補助金や事業再構築補助金などの他の補助金で交付決定を受けた実績があると、補助対象外となるケースがあるようです。

細かく定められているため、詳細は公募要領の該当箇所を抜粋しましたのでご確認ください。

詳しくはコチラ(押すと開きます)
(1)過去に本事業の交付決定を受けた事業者
(2)過去に中小機構の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の交付決定を受け、それから10ヶ月を経過していない事業者
(3)過去3年間に、2回以上、中小機構の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の交付決定を受けた事業者
(4)中小機構の「事業再構築促進補助金」に採択された事業者であって、その補助対象である事業に用いるための機器を本事業で導入する事業者
(5)観光庁の「観光地・観光 産業における人材不足対策事業」により設備投資に対する補助金の交付決定を受けた事業者、あるいはその申請を行っている事業者
(6)その他の国庫及び公的制度からの二重受給
・間接直接を問わず、(過去又は現在の)国(独立行政法人等を含む)が目的を指定して支出する他の制度(例:補助金、委託費、公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等)と補助対象経費が重複しているもの。
・補助対象経費は重複していないが、テーマや事業内容が中小機構の「 IT導入補助金」と同一又は類似内容の事業(同じ業務プロセスに省力化製品を導入するもの)。
・なお、これまでに交付を受けた若しくは現在申請している(公募申請、交付申請等すべて含む。)補助金及び委託費の実績については、必ず申請し、これらとの重複を含んでいないかを事前によく確認すること 。
(7 )本事業の製造事業者、販売事業者に該当する場合

 

製品カタログについて

本補助金の対象は、あらかじめ補助の対象として登録された「省力化製品」のリスト(カタログ)に掲載されているものの本体価格及び導入経費に限られます。カタログに掲載がない製品や、製品を取り扱う事業者として登録がない販売店からの購入は認められませんのでご注意ください。

令和6年4月に製品カタログが公開されました。4月30日付のカタログでは、以下の通り、機器カテゴリ、対象業種、対象業務プロセスが規定されています。ロボットや無人搬送車、券売機や自動精算機など、省力化につながりそうな機器が、その対象となる業種・業務プロセスと併せて掲載されていることが分かります。

(出所:中小企業省力化投資補助金ポータルサイト

今後、追加がされていく見込のため、最新情報はポータルサイトの登録カタログをご覧ください。カタログのリンク先はこちらです。

本補助金を利用したいときは

本補助金の申請フローとスケジュールは以下の通りです。

申請フロー

簡易申請フローがポータルサイトに掲載されています。

省力化製品販売事業者や導入製品を選定し、販売事業者と共同での交付申請が必要です。

その後、交付決定・補助事業実施・実績報告に進みます。補助金交付後も、効果報告が5年間必要です。

(出所:中小企業省力化投資補助金ポータルサイト

スケジュール

中小企業省力化投資補助金は令和8年9月末頃までの間に、複数回の公募が行われる予定です。現時点(令和6年5月12日現在)でスケジュールは公開されていませんが、公募要領・カタログの掲載など少しずつ準備が進んでいるようなので、こまめに最新情報をご確認いただくとよいでしょう。

また、申請には「gBizIDプライム」アカウント(ID・パスワード等)が必要となりますので、お持ちでない場合は取得し、準備されることをおすすめいたします。

おわりに

今回は中小企業省力化投資補助金について解説いたしました。いかがでしたでしょうか。生産性向上や人手不足に課題をお持ちの中小企業事業者様は多くいらっしゃると思います。政府が強く後押しする本事業を活用することで、成長につなげられる可能性があり、是非ともご検討頂ければ幸いです。

HKSでは、多くの補助金で支援実績があり、専門家がしっかりとサポートいたします。

本補助金は新しい事業であるため、理解が難しい部分などもあるかもしれません。ご興味をお持ちの事業者様はお気軽にご相談下さい!

今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。

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