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2025年度 ものづくり補助金最新情報
今回は、「2025年に実施されるものづくり補助金」についてご紹介します。
昨年3月以来、ものづくり補助金の公募はありませんでしたので、活用したい事業者の方々も多いことと思います。早期の準備として少しでも参考になれば幸いです。
また以前に以下のブログで2025年の経済産業省系補助金の全体感と新設補助金についてお伝えしておりますが、本記事にてものづくり補助金についても昨年までの違いと併せてご説明します。
2025年度ものづくり補助金の概要
ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等の生産性向上や持続的な賃上げに向けた新製品・新サービスの開発に必要な設備投資等を支援する補助金です。
応募枠
応募枠は2枠が設定されています。以前は5枠ほどありましたが、統合されてシンプルになっています。
補助対象経費
対象経費は以下のように幅広い経費が該当しています。留意点としてあくまで設備やシステムを導入を補助することがメインですので、機械装置・システム構築費は必須となっていることに注意しましょう。
またグローバル枠は追加で海外市場獲得のための経費も補助対象経費として認められています。
補助金額
金額の上限は応募枠や従業員数によっても異なりますがほぼ昨年規模の補助金額となっております。また補助率は中小企業は1/2、小規模事業者等は2/3となっています。
基本要件
応募するために必要な基本要件は以下の通りです。
中小企業・小規模事業者等が、革新的な製品・サービス開発を行い、
①付加価値額の年平均成長率が+3.0%以上増加
②1人あたり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上又は給与支給総額の年平均成長率が+2.0%以上増加
③事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+30円以上の水準
④次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等(従業員21名以上の場合のみ)
の①~④の全て満たす3~5 年の事業計画 に取り組むこと。
※最低賃金引上げ特例適用事業者の場合、基本要件は①、②、④のみ。
2024年度からの変更点
昨年までとの大きな違いとして特に注意が必要な点が3点あります。
- 基本要件である1人あたり給与支給総額の年平均成長率が1.5%から2.0%にUP
- 基本要件として従業員数21名以上の場合、次世代法に基づく一般事業者行動計画の公表が追加
- 収益納付が不要
それぞれ留意点を含め解説していきます。
給与支給総額の年平均成長率条件が厳しくなっている
政府主導の賃上げが進んでいるの流れを受け、2024年度でも基本要件であった計画終了時の1人あたり給与支給総額の年平均成長率が、2024年度の1.5%が2025年度は2.0%(もしく事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上)と増加しています。
【留意点】
- 3~5年の事業計画終了時に、賃上げ目標未達の場合、補助金返納が求められます。
- 年平均成長率2.0%だとすると3~5年の計画終了時で6%~10%の1人当たり給与支給総額の増額が必要となります。(現在年間400万円であれば、424万円~440万円)
- 東京都の最低賃金の直近5年間の年平均成長率で見ると、1013円から1163円と5年で14.80%、年平均2.96%ですので、2.0%のほうを満たせば問題ありません。
※ほとんどの自治体で直近5年平均で2.0%以上最低賃金は上昇しているため、2.0%要件を満たせば問題ないと思いますが、申請される事業者様の所在地となる各県の労働局が発表している最低賃金の推移からご確認ください。
次世代法に基づく一般事業者行動計画の公表
この計画は、仕事と家庭の両立支援を行う企業の取組計画のことであり、現在、従業員101名以上の事業者においては義務化されているためすでに作成、公表済みとなっていると思います。
一方で従業員100名以下の事業者については、「一般事業者行動計画の公表」は努力義務となっているため、従業員21名以上100名以下の事業者様で、まだ計画の策定及び公表ができていない場合は、こちらの厚生労働省のHPにある作成手順やモデルケース別の作成例を参照しながら早めの準備を進めていきましょう。
<一般事業者行動計画のモデルケースの一例>
収益納付が不要
昨年までのものづくり補助金は、補助金で得られた設備や技術を使用して収益が生じた際に、補助金の一部を納付する収益納付の対象となっていました。
これが2025年のものづくり補助金では、納付の必要がなくなったことで、補助金を活用することで得られる収益をそのまま享受できるため、賃上げ等の目標達成や企業の成長によりつなげていくことができるようになっています。
さいごに
今回は「2025年度ものづくり補助金」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
前回の公募から9カ月経過しており、活用をお考えだった事業者さまにとっては待ちかねたものづくり補助金ともいえるのではないでしょうか。2025年1月現在では、事務局公募も終了しており、詳しい公募内容やスケジュールについても、そろそろでてくる頃かと思いますので、申請をご検討されている事業者様はそろそろ準備に取り掛かるタイミングと思います。
HKSでは常に補助金に関する最新情報を入手しており、昨年からの変更点などにもしっかりと対応し、補助金の活用方法から採択後のフォローまでサポートいたします。補助金活用はぜひHKSまでご相談ください。
今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。
補助金活用支援会(HKS)パートナー、中小企業診断士
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