HKSブログ
社長が「未来」を語れる会社へ ~身近なところから始まる経営改革 ~
今回は、「社長が未来を考える時間を取り戻すための経営改革」についてご紹介します。
今回お伝えしたいポイント1. 中小企業の課題は「業務効率化」「生産性向上」だけではなく「未来を考える時間の確保」である
2.小さな業務改善が、会社全体に大きな変化をもたらすことがある
3.経営改革の第一歩は大きな投資ではなく日常業務の見直しから始まる

筆者が中小企業診断士として、中小企業支援に関わるようになってから、さまざまな経営者の方とお話しする機会をいただきました。
その中で、最近特に感じていることがあります。
それは、多くの経営者が「忙しい」のではなく、「考える時間を失っている」ということです。
もちろん、経営者の皆さんが忙しいのは世の常だと思います。
しかし近年は、人手不足や原材料価格の上昇、採用環境の変化などもあり、以前にも増して目の前の課題への対応に追われているように感じます。
ある経営者の方が、
「毎日、何かの火消しをしている気がする」
とおっしゃっていました。
その言葉が今でも印象に残っています。
納期の確認、顧客対応、従業員への指示、資金繰りの相談、取引先との交渉。
気がつけば一日が終わり、会社の将来について考える時間がほとんど取れない。
そんな状況に心当たりのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一方で、本来の経営者の役割とは何でしょうか。
・会社の未来を考えること。
・どのような事業を伸ばしていくのか。
・どのような人材を育てていくのか。
・5年後、10年後にどんな会社を目指すのか。
こうしたことを考えるのも、経営者の大切な仕事の一つだと思います。
今回は、筆者自身が支援現場で感じていることを交えながら、「社長が未来を語れる会社」について考えてみたいと思います。
経営者が未来を考えられなくなる理由
中小企業の経営者は、本当に多くの役割を担っています。
営業部長であり、人事部長であり、時には現場責任者でもあります。
大企業であれば複数の部署に分かれている仕事を、一人で抱えていることも珍しくありません。
だからこそ、経営者が忙しくなるのは当然です。

ただ、支援現場で感じるのは、「忙しさ」の原因が必ずしも仕事量だけではないということです。
例えば、
「その案件は社長しか分からない」
「その取引先との経緯は社長しか知らない」
「最終判断は必ず社長がする」
といった状況です。
もちろん、会社をここまで育ててこられたのは経営者自身です。
だからこそ、多くの情報や判断が社長に集まるのは自然なことでもあります。
しかし、その状態が長く続くと、社長がいないと仕事が進まない会社になってしまいます。
すると、社長はますます忙しくなります。
その結果、未来を考える時間が失われていくのです。
筆者自身、いくつかの会社や組織で働く中でも似たような場面を見てきました。
優秀な人ほど仕事が集まり、さらに忙しくなる。
そして、将来のことを考える余裕がなくなってしまう。
企業規模に関係なく起こる現象なのかもしれません。
また、支援先でよく感じるのが、経営者の知識や経験が社内に十分共有されていないケースです。
創業から長年にわたり会社を成長させてきた経営者ほど、多くの知識や経験を持っています。
取引先との関係性、過去の経緯、価格交渉の背景、現場の特徴など、社長の頭の中には膨大な情報が蓄積されています。
そのこと自体は会社の強みでもあります。
しかし、その情報が社長の頭の中だけに存在していると、会社としては大きなリスクになります。
社員は判断できず、何かあるたびに社長へ確認することになります。
結果として社長はさらに忙しくなり、社員も成長する機会を失ってしまいます。
特に最近は事業承継や人材不足が大きな課題となっています。
次の世代に会社を引き継ぐためにも、「社長しか分からない状態」を少しずつ減らしていくことが重要なのではないでしょうか。
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身近な改善が大きな変化を生む
経営改革という言葉を聞くと、大掛かりなシステム導入や組織改革をイメージされる方もいるかもしれません。
しかし、筆者が支援現場で見てきた変化は、もっと身近なところから始まることが少なくありません。
例えば、
納期管理の方法を見直す。
会議の進め方を少し変える。
情報共有のルールを決める。
担当者の役割を整理する。
こうした取り組みです。
一つ一つは決して派手ではありません。
しかし、こうした改善が積み重なると、社長への問い合わせが減り、判断のスピードが上がり、現場の混乱が少なくなっていきます。
以前支援した企業では、納期に関する問い合わせが頻繁に発生していました。
営業担当者も製造担当者も、それぞれ懸命に仕事をしているのですが、情報がうまく共有されていなかったのです。
そこで、まずは工程の見える化と情報共有の方法を整理するところから始めました。
すると、すぐに劇的な変化が起きたわけではありませんが、
「社長に確認しなくても進められる仕事」
が少しずつ増えていきました。
その結果、社長が現場対応に費やす時間も減っていったのです。
筆者は、この変化がとても重要だと思っています。
なぜなら、経営改革の成果は売上や利益だけではないからです。
社長に時間が生まれる。
未来について考える余裕が生まれる。
そのこと自体が、大きな成果なのではないでしょうか。
このような課題は、日本の中小企業だけに見られるものではないと思います。
筆者自身、海外勤務を通じてさまざまな企業と接する機会がありました。
国や文化が異なっても、成果を出している組織には共通点がありました。
それは、「仕組みが人を支えている」ということです。
もちろん優秀な人材はどこにもいます。
しかし、優秀な人に頼り切るのではなく、組織として情報共有や役割分担ができている会社ほど安定して成果を上げています。
一方で、「あの人がいないと分からない」という状態が続く組織は、どこの国でも苦労していました。
これは中小企業でも同じように思います。
例えば、業務マニュアルを作ることは地味な作業かもしれません。
会議の進め方を見直すことも、すぐに売上につながるわけではありません。
しかし、そうした取り組みが積み重なることで、組織全体の力は確実に高まっていくのではないかと思います。
そして最終的には、社長が現場対応に追われる時間を減らし、本来考えるべき経営課題に向き合えるようになると言えるのではないでしょうか。
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経営改革は特別なことではない
最近では、補助金やDX、AI活用などの話題を耳にする機会も増えました。
もちろん、これらは企業の成長を支える重要な手段です。
一方で、それらを導入する前に考えたいことがあります。
それは、
「自社はどんな会社になりたいのか」
ということです。
補助金もDXもAIも、あくまで手段です。
目的は、会社が目指す未来を実現することです。
そして、その未来を考えるのは経営者の役割です。
だからこそ、まず必要なのは「未来を考える時間」を確保することなのかもしれません。
経営改革というと難しく聞こえますが、必ずしも大きなことから始める必要はありません。
毎日の業務の中で、
「この仕事は本当に社長でなければできないだろうか」
「もっと簡単にできる方法はないだろうか」
そんな問いを持つだけでも、一歩前進だと思います。
小さな改善の積み重ねが、結果として会社の未来を変えていく。
筆者はこれまでの支援経験を通じて、そのような場面を何度も見てきました。
筆者は中小企業診断士として活動する中で、多くの経営者の方とお会いしてきました。
その中で感じるのは、優れた経営者ほど謙虚であり、自社の課題を冷静に見つめているということです。
一方で、経営者は孤独な立場でもあります。
社員には相談しにくいこともありますし、取引先や金融機関には見せられない悩みもあります。
だからこそ、時には社外の第三者と話をすることも有効だと思います。
必ずしも大きな改革案を求める必要はありません。
「何となく忙しい」
「最近、未来の話をする時間が減った」
そんな小さな違和感からでも十分です。
第三者と対話することで、自分では当たり前だと思っていたことが、実は克服すべき問題であった、ということに気づくこともあります。
また、自社の強みを再認識することもあります。
経営改革という言葉には少し身構えてしまうかもしれません。
しかし実際には、
「今より少し良くする」という積み重ねなのだと思います。
その小さな改善が、やがて大きな変化につながっていくのではないでしょうか。
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さいごに
今回は、「社長が『未来』を語れる会社へ ~身近なところから始める経営改革~」についてご紹介しました。
中小企業には、それぞれ独自の強みがあります。
高い技術力を持つ企業もあれば、地域に深く根ざした企業もあります。
そうした強みをさらに伸ばしていくためにも、経営者が未来について考える時間を持つことは大切ではないでしょうか。
もちろん、日々の業務は待ってくれません。
だからこそ、まずは身近なところから。
例えば・・
情報共有の方法を見直してみる。
会議の進め方を工夫してみる。
役割分担を整理してみる。
そんな小さな一歩が、結果として経営者の時間を生み出し、会社の未来につながっていくのだと思います。
筆者が支援現場でお会いする経営者の皆さまは、例外なく会社や従業員、そして地域に対する強い思いを持っておられます。
その思いを形にするためにも、まずは未来について考える時間を確保することが大切なのかもしれません。
経営改革とは、特別なプロジェクトではなく、明日、いや今からできる小さな改善の積み重ねです。
本稿が、皆さまの会社の未来を考えるきっかけになれば幸いです。

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なお、HKSでは〇〇において、多くの支援実績がございますので、よろしければご相談下さい!
今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。
1970年生まれ。
大学院機械工学専攻卒
プラントエンジニアリング会社、電機会社を経て、現在は貿易会社に勤務。
海外駐在歴は現在のところ足かけ8年半。
2020年東南アジア赴任中に中小企業診断士登録。
現在は複業(パラレルキャリア)として、企業での仕事に従事しながら、企業コンサルティングや経営に関する執筆、キャリア相談などの業務に従事。
関わった業種は、卸売業、福祉業、建設業、教育産業、電機、金属加工業、精密部品加工業、人材派遣業など多数。
中小企業診断士として経営支援、英検1級を活かして海外市場開拓や海外パートナー探し支援、国家資格キャリアコンサルタントとして従業員のキャリア支援、1級FP技能士として経営者個人の資産管理支援、と日本を支える中小企業をトータルサポートするサービスを構築中。直近では全国通訳案内士(英語)及び主任旅程管理者資格を取得し、増加するインバウンドを日本の力に変えることも真剣に検討中。