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宇宙・暑さ対策・温泉地再生まで?注目したいユニークな補助金5選

補助金・助成金というと、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金などを思い浮かべる方が多いかもしれません。これらは知名度が高く、幅広い事業者が活用しやすい制度です。

一方で、国や自治体の補助金を見ていくと、「こんな分野にも補助金があるのか」と感じる制度もあります。宇宙ビジネス、都市課題の解決、サイバーセキュリティ、海の観光振興、温泉地の廃屋再生など、対象分野は実に多様です。

補助金は、単に事業者の資金負担を軽くするためだけのものではありません。国や自治体がどの分野を成長産業と見ているのか、どの社会課題を解決しようとしているのかを知る手がかりにもなります。

今回は、募集中または今後公募予定の制度を中心に、特にテーマ性があり、事業の新しい可能性を感じさせるユニークな補助金を5つ紹介します。

今回お伝えしたいポイント1.  ユニークな補助金5選

2.有名な補助金より、専門テーマ型の補助金が向いている場合もある

3.まとめ:補助金を見ると、これから伸びる分野が見えてくる

 

ユニークな補助金5選

助金・助成金 公募状況 補助の特徴 主な対象・使い道
航空宇宙産業への参入支援事業(宇宙製品等開発経費助成) 受付中。令和8年6月25日から8月14日17時まで。 中小企業やスタートアップが宇宙産業への参入を目指せる。

助成率は対象経費の2/3以内。機器開発助成は最大1億円、ソリューション開発助成は最大2,000万円

ロケット、人工衛星、探査機、地上施設関連機器、制御・管制ソフトウェア、衛星データ利活用サービスの開発・改良など。
課題解決型技術開発促進事業 第1回は終了。第2回は令和8年10月9日から11月13日17時まで受付予定。 熱中症対策、防災、介護、DXなど、東京が抱える都市課題をビジネスで解決する制度。

助成限度額は最大2,000万円。助成率は2/3以内

安全・安心、高齢者・介護・障害者、DX、暑さ対策など、都市課題の解決につながる製品・サービスの開発・改良。
サイバーセキュリティ対策促進助成金 第1回は終了。第2回は令和8年9月9日から9月15日17時まで受付予定。第3回も令和9年1月に予定。 機器導入だけでなく、標的型メール訓練のような実践的対策も対象になる。

助成率は1/2以内。助成限度額は最大500万円、申請下限額は10万円

UTM、FW、VPN、EDR、EPP、SSO、アクセスログ管理、暗号化製品、サーバーOS更新、標的型メール訓練など。
ブルーツーリズム推進支援事業 二次公募中。令和8年7月1日から7月31日18時必着。 海の観光振興、地域活性化、環境認証を一体で支援する。

補助率は8/10

海水浴場等の受入環境整備、海の体験コンテンツ造成、プロモーション、ブルーフラッグ認証取得に向けた取組など。
廃屋撤去・再生による地方温泉地等のまちづくり支援事業 受付中。令和8年7月1日から令和9年2月26日12時まで。申請があったものから随時審査・採択。 老朽化した廃屋を撤去・再生し、温泉地のにぎわい回復につなげる。

1次支援ではエリア再生計画策定等を支援。特設サイトでは、2次支援について補助率1/2、コア事業は2/3・上限1億円とされている。

温泉街等の中心地に残る廃旅館・廃ホテル等の撤去・減築、再生計画策定、周辺事業との連携など。

中小企業も宇宙ビジネスに挑戦できる補助金

まず注目したいのが、東京都中小企業振興公社の「航空宇宙産業への参入支援事業(宇宙製品等開発経費助成)」です。

この制度は、今後の市場拡大が見込まれる宇宙産業において、都内中小企業やスタートアップ等のビジネスチャンス獲得を後押しするものです。対象には、ロケット、人工衛星、探査機、地上施設に関連する機器類の開発・改良のほか、人工衛星による通信・観測・測位などのデータを活用したサービスの開発・改良も含まれます。申請受付期間は令和8年6月25日から8月14日17時までで、機器開発助成は最大1億円、ソリューション開発助成は最大2,000万円、助成率はいずれも2/3以内です。

宇宙産業というと、大企業や研究機関の領域という印象を持たれがちです。しかし、実際には部品加工、精密機器、センサー、通信、制御ソフトウェア、データ分析など、さまざまな中小企業の技術が関わります。

たとえば、精密加工技術を持つ製造業であれば、宇宙関連機器の部品開発に展開できる可能性があります。ソフトウェア企業であれば、制御・管制に関わるシステムや、衛星データを活用したサービス開発が考えられます。

既存事業だけでは成長余地が限られている企業にとって、宇宙分野は新しい市場を開拓するきっかけになり得ます。補助金を活用して開発・改良に取り組むことで、自社技術の用途を広げることもできます。

暑さ対策や介護、DXなど都市課題を解決する補助金

2つ目は、東京都中小企業振興公社の「課題解決型技術開発促進事業」です。

この制度は、東京が抱える都市課題を解決し、都内産業の活性化を図るため、製品・サービス等の技術の新規開発または改良から販路拡大までを促進するものです。支援テーマは、持続可能で安全・安心な東京の実現、高齢者・障害者のニーズや介護従事者の負担軽減、DXの推進、暑さ対策の4分野です。助成限度額は最大2,000万円、助成率は2/3以内です。第1回は終了していますが、第2回は令和8年10月9日から11月13日17時まで受付予定です。

この制度の特徴は、「都市課題」を起点にしている点です。単に新製品を開発するだけでなく、防災・減災、セキュリティ、子どもの安全、高齢者支援、介護負担軽減、業務自動化、データ活用、熱中症対策など、都市生活に関わる課題解決が重視されています。

たとえば、暑さ対策の分野では、熱中症リスクを検知するセンサー、屋外作業者向けのモニタリングシステム、遮熱・冷却機能を持つ製品、施設管理者向けの温度管理サービスなどが考えられます。高齢者・介護分野では、見守り機器、移動支援、介護記録の効率化、障害者のアクセシビリティ向上なども対象になり得ます。

社会課題を起点に製品・サービスを開発する企業にとって、自社の技術を「何の課題解決に使うのか」を明確にしやすい制度です。

ランサムウェア対策や標的型メール訓練にも使える補助金

3つ目は、東京都中小企業振興公社の「サイバーセキュリティ対策促進助成金」です。

中小企業にとって、サイバー攻撃はもはや大企業だけの問題ではありません。ランサムウェア、標的型メール、情報漏えい、不正アクセスなどの被害は、企業規模を問わず発生します。取引先との関係や事業継続にも影響するため、セキュリティ対策は経営上の重要課題になっています。

この助成金では、サイバーセキュリティ対策に必要な機器等の導入やクラウド利用に係る経費が対象です。具体的には、UTM、ファイアウォール、VPN、不正侵入検知システム、ウイルス対策、EDR、EPP、シングルサインオン、アクセスログ管理、暗号化製品、サーバーOS更新、標的型メール訓練などが挙げられています。助成率は1/2以内、助成額は最大500万円です。第2回の電子申請受付は令和8年9月9日から9月15日17時まで、第3回は令和9年1月8日から1月15日17時まで予定されています。

特徴的なのは、機器やソフトウェアの導入だけでなく、標的型メール訓練も対象に含まれている点です。サイバー攻撃への備えでは、システム面の対策だけでなく、従業員が不審なメールやリンクに気づけるかどうかも重要になります。

セキュリティ対策は、売上を直接伸ばす投資ではないため、後回しにされがちです。しかし、ひとたび被害が発生すれば、業務停止、信用低下、取引停止、復旧費用の発生など、事業への影響は大きくなります。補助金を活用して事前に備えることは、事業を守るための現実的な選択肢です。

海の観光を盛り上げるブルーツーリズム補助金

4つ目は、観光庁の「ブルーツーリズム推進支援事業」です。

この事業は、ALPS処理水の海洋放出による風評への対策として、海の魅力を高め、国内外からの誘客と観光客の定着を図るために実施されています。令和8年度は二次公募が始まっており、公募期間は令和8年7月1日から7月31日18時必着です。支援対象には、海水浴場等の受入環境整備、海の魅力を体験できるコンテンツの充実、海にフォーカスしたプロモーション、ブルーフラッグ認証の取得に向けた取組が含まれます。

補助率は8/10で、対象は岩手県、宮城県、福島県、茨城県における市町村、観光協会、登録DMOです。支援の具体例として、トイレ棟の改修、案内看板の設置、バリアフリー設備の導入、SUPなどの体験コンテンツ造成、旅行博への出展、Web・SNS広告、ブルーフラッグ認証取得に向けた取組などが示されています。

ブルーツーリズムとは、海や海辺の地域資源を活用した観光のことです。海水浴だけでなく、マリンアクティビティ、漁業体験、地域の食、環境学習、海辺の滞在環境づくりなど、幅広い取組が考えられます。

この補助金の特徴は、観光振興と地域ブランドづくり、環境配慮を組み合わせられる点にあります。たとえば、海水浴場の設備を整えるだけでなく、SUPやカヤックなどの体験コンテンツを作り、SNSで発信し、環境認証の取得にも取り組むことで、地域全体の魅力を高めることができます。

温泉地の廃屋を撤去・再生する補助金

5つ目は、観光庁の「廃屋撤去・再生による地方温泉地等のまちづくり支援事業」です。

この事業は、温泉街などの中心地に残る大規模な廃旅館・廃ホテル等を撤去・減築し、新たな宿泊施設や観光施設等への再生につなげる取組を支援するものです。公募期間は令和8年7月1日から令和9年2月26日12時までで、申請があったものから随時審査・採択されます。予算の上限に達した場合は、受付が終了する場合があります。

地方の温泉街では、かつて団体旅行向けに建築された大規模旅館が廃屋化し、景観悪化や安全性低下の原因になっているケースがあります。こうした建物は大きく堅牢であるため、解体や減築に多額の費用がかかります。その結果、再生したくても撤去費用が重く、次の投資が進みにくいという問題が生じます。

本事業では、廃屋の物理的な除去だけでなく、エリア再生計画の策定、廃屋の構造調査、撤去・減築、周辺事業との連動などを通じて、地域全体のにぎわい回復を目指します。特設サイトでは、1次支援としてエリア再生計画策定等を支援し、2次支援では補助率1/2、コア事業については補助率2/3・上限1億円とされています。

温泉街の再生は、単に古い建物を壊すだけではありません。空き地や廃屋を新しい宿泊施設、飲食、体験コンテンツ、交流拠点などに変えていくことで、観光地全体の価値を高めることができます。老朽化した廃屋が地域の課題になっている温泉地にとって、まちづくりと観光振興を一体で進める制度といえます。

有名な補助金より、専門テーマ型の補助金が向いている場合もある

補助金を検討する際、多くの事業者は、まず有名な制度から探し始めます。IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金などは、対象範囲が広く、使いやすい制度です。

一方で、事業テーマがはっきりしている場合は、専門テーマ型の補助金の方が制度の趣旨に合いやすいことがあります。

たとえば、製造業が高精度部品や制御ソフトウェアの技術を持っている場合、通常の設備投資補助金だけを見るのではなく、航空宇宙産業への参入支援事業を確認する価値があります。自社技術を宇宙関連機器や衛星データ利活用に応用できれば、単なる設備更新ではなく、新産業への参入という方向性を打ち出せます。

また、温泉地で廃旅館や廃ホテルが地域課題になっている場合、通常の観光プロモーションや施設改修だけでは十分に対応できないことがあります。廃屋撤去・再生による地方温泉地等のまちづくり支援事業であれば、観光地の再生に向けて、建物の撤去・減築や周辺事業との連動まで含めた取組を検討できます。

補助金は、有名な制度に事業内容を合わせるよりも、自社や地域の事業テーマに合った制度を探すことが重要です。専門テーマ型の補助金は対象が限定される分、事業の目的、社会的意義、成長可能性を明確に示しやすいという強みがあります。

まとめ:補助金を見ると、これから伸びる分野が見えてくる

今回紹介した補助金を見ると、宇宙、都市課題、サイバーセキュリティ、ブルーツーリズム、温泉地再生など、国や自治体が重視している分野が見えてきます。

補助金・助成金は、資金調達の手段であると同時に、社会課題や成長産業を知るヒントでもあります。自社の事業と直接関係がないように見える制度でも、技術やサービスの応用次第で、新しい事業展開のきっかけになるかもしれません。

特に、専門テーマ型の補助金は、対象分野が絞られているからこそ、事業の方向性と制度の目的が一致したときに力を発揮します。自社の強みをどの成長分野や社会課題に結びつけられるかを考えることで、補助金の活用可能性は大きく広がります。

さいごに

今回は「ユニークな補助金5選」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

なお、HKSでは様々な補助金・助成金申請において、多くの支援実績がございますので、よろしければご相談下さい!

今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。

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