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小規模持続化補助金 第20回公募のポイント:変更点と採択に向けた戦略とは

今回は、「小規模持続化補助金第20回公募」についてご紹介します。
今回お伝えしたいポイント1. 第20回公募の概要
2. これまでの公募との主な変更点
3. さいごに
2026年5月27日に公開された小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉第20回の公募要領は、第19回から内容が大きく変わりました。
本補助金の目的は、小規模事業者の販路開拓等の取組を支援することで、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と、持続的な発展を図ることです。
従来のように「販路開拓に取り組む」だけでは不十分で、「補助事業の結果、売上・利益という“成果”がどれだけ増加するか」を、客観的な数字で示すことが求められるようになりました。言い換えれば、「売上・利益を、これまで以上に厳しく問う制度への転換」といえます。
本記事では、第20回公募において押さえるべきポイントに焦点を当てて解説します。
第20回 公募の概要
いずれも小規模持続化補助金の公募要領や、ホームページより抜粋して説明します。
補助枠の全体像
小規模事業者持続化補助金は、自社で策定した経営計画に基づき、以下に取り組む際の経費を支援する制度です。今回も通常枠の補助上限額は50万円となっています。
・新規顧客獲得
・販路開拓
・売上向上
・業務効率化など
補助率・補助上限額
通常枠: 2/3 50万円
インボイス特例: 2/3 100万円
賃金引上げ特例 :2/3(赤字事業者は3/4) 200万円
インボイス+賃金引上げ特例: 2/3(赤字事業者は3/4) 250万円
※通常枠50万円に対し、特例により上限額が加算されます。
対象経費
今回も幅広い経費が対象となっています。以下一例ですが、販路開拓を目的とした投資が中心となります。
機械装置等費: 製造設備、厨房設備、業務用機器
広報費 :チラシ、パンフレット、広告掲載
ウェブサイト関連費: ホームページ制作、ECサイト構築
展示会等出展費 :展示会・商談会への出展
旅費: 展示会参加等に伴う旅費
新商品開発費: 試作品開発、パッケージ開発
借料: 設備・会場等の賃借料
委託・外注費: 専門業者への外注費
スケジュール
申請を予定している方は、商工会・商工会議所との事前相談が必要になるため、早めの準備をおすすめします。
公募要領公開:2026年5月27日
申請受付開始:2026年11月5日
様式4発行受付締切: 2026年12月4日
電子申請締切:2026年12月15日 17時
採択発表予定:2027年3月頃
これまでの公募との主な変更点
第20回公募の主な変更点ポイントについて、下記に整理します。
主な変更項目
1.再申請までの待機期間が延長
2.売上・利益増加要件が新設
3.賃金引上げ特例・加点の考え方が大幅変更
4.補助対象経費のルールが厳格化
5.審査で収益性がより重視されるように
6.新たな加点制度が追加
それでは順番に見ていきます。
1.再申請までの待機期間が延長
過去に持続化補助金を活用した事業者にとっては注意が必要です。
これまでは、補助事業終了後に事業効果報告書(様式14)を提出すれば、一定期間経過後に再申請が可能でした。
しかし第20回からは、報告書の提出完了後、さらに1年間経過しなければ再申請できなくなりました。
実務的には、「前回採択されたので今回も申請しよう」と考えている事業者の中には申請資格を満たさないケースも出てきます。
まずは申請可能時期を確認することが重要です。
2.売上・利益増加要件が新設
今回の改正で最も大きな変更点はここだと考えています。
第20回からは、「補助事業終了後、売上高および売上総利益の増加が見込める事業であること」が補助対象要件として明文化されました。
これまでも審査では売上向上のストーリーが重視されていましたが、今回は要件として明確に位置付けられています。
そのため、以下を踏まえた定量的な説明が必要になります。
・市場分析
・顧客ニーズ分析
・営業戦略
・価格戦略
・販売数量予測
例えば「売上が上がると思います」ではなく、「既存顧客○社への提案により年間○万円増加」、「新規顧客○件獲得により年間○万円増加」という具体的なレベルまで落とし込むことが求められるでしょう。
3.賃金引上げ特例・加点の考え方が大幅変更
これまでの賃金引上げ特例は、「事業場内最低賃金を引き上げる」ことが要件でした。
しかし第20回からは、「従業員1人当たり給与支給総額」で判定する仕組みに変更されています。
具体的には、以下が求められます。
・賃金引上げ特例:年平均3.0%以上増加
・賃金引上げ加点:年平均2.0%以上増加
この変更は想像以上に影響が大きいと感じています。
なぜなら最低賃金だけを引き上げればよかった従来と違い、会社全体の給与支給実績が評価対象になるためです。
さらに対象となる従業員の定義も細かく規定されています。
パート・アルバイトを含む全従業員が対象となるため、申請前に人件費データを整理しておくことをおすすめします。
4.補助対象経費のルールが厳格化
経費区分についても見直しが行われています。特に影響が大きいのは次の3点です。
①広報費の上限設定
チラシ、広告、販促物などの広報費について、上限30万円(税込)が設定されました。
②ウェブサイト関連費の上限変更
従来は補助金交付申請額の4分の1(最大50万円)でしたが、第20回からは一律30万円(税込)が上限となります。ホームページ制作中心 の申請を考えている事業者は注意が必要です。
③相見積もり要件の強化
2社以上の見積取得が必要となる金額が、100万円超 → 50万円超へ引き下げられました。今後は比較的小規模な設備投資でも相見積もりが必要になるケースが増えるでしょう。
5.審査で収益性がより重視されるように
今回の改定全体を通じて感じるのは、「その投資で本当に売上と利益が増えるのか」という視点が非常に強くなったことです。
審査項目でも、以下が明確に求められています。
・売上高増加
・売上総利益増加
・客観的根拠の有無
また、「導入した設備や資産を補助事業終了後も継続的に活用すること」も評価対象となっています。
設備を購入すること自体ではなく、その設備を使ってどのように事業を成長させるのかが問われる時代になったと言えるでしょう。
6.新たな加点制度が追加
第20回から新たに以下の加点制度が追加されました。
・健康経営優良法人加点 : 健康経営優良法人の認定を受けている事業者が対象です。
・地域別最低賃金引上げ加点 : 地域最低賃金の引上げに積極的に取り組む事業者向けの加点です。
加点項目は採択率に直接影響する可能性があります。利用できる加点制度がある場合は、積極的に活用したいところです。

さいごに
今回は「小規模持続化補助金の第20回公募」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
事業戦略の重要な一部として補助金を活用するためには、一貫性を持った事業計画が重要です。
審査の視点を理解し、それに基づいた計画を具体的に示すことが、採択への一歩となります。申請をご検討の経営者の皆様は、ぜひチラシや募集要項をご確認いただき、十分に検討を進めていただければ幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
補助金活用支援会(HKS)パートナー、中小企業診断士