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ものづくり補助金(令和4年度第二次補正予算)の概要を解説!

年明け前後から、中小企業庁のホームページで、令和4年度第二次補正予算に基づく中小企業対策の各種取り組みの詳細が公開されています。HKSブログでは、その中から1月15日に事業再構築補助金の概要を取り上げました。引き続き、今回はものづくり補助金の概要について取り上げます。

ものづくり補助金は、基本的に従前の制度を踏襲していますが、大幅賃上げする事業者を優遇するなど、岸田政権が強く推進する「成長と分配の好循環」の実現を意識した変更がなされています。

変化点の主なポイントは

  1. 大幅賃上げする事業者への特例創設
  2. グリーン枠が3類型に。アドバンス枠は補助上限が大幅増額
  3. グローバル市場開拓枠の拡充

です。それでは詳しく見ていきましょう。なお、今回の内容は、一部を除いて現在募集中の14次公募ですでに適用されています。

スケジュール

ものづくり補助金は、現在、14次公募(2023年4月19日締切)が始まっています。その後も、令和6年度まで切れ目なく公募を実施予定とされています。資料をみると20次までは続く可能性がありそうです。

(出所:中小企業庁ホームページ

制度の全体像は、従前とほぼ同じ

基本的に13次公募までとほぼ同じ類型で、5つの類型(通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠、グローバル市場開拓枠)があります。このうち通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠の3つは、13次から補助上限額、補助率に変化ありません。従業員数で上限額が異なる点も同様です。

制度の拡充があるグリーン枠、グローバル展開枠の変更点(下図の赤字箇所)は、次々節以降で詳述します。

(出所:中小企業庁ホームページ

大幅賃上げする事業者への特例創設

大幅賃上げに係る補助上限額引上の特例が新設されました。補助事業終了後、3~5年で大幅な賃上げに取り組む事業者に対し、従業員数に応じて補助上限が100万円~1,000万円さらに上乗せされます。

(出所:中小企業庁ホームページ

この特例の適用を受けるには、申請時に、補助事業期間終了後3~5年で
①給与支給総額年平均6%増
②事業場内最低賃金を年額45円以上引上げ
の双方を満たしたうえで、賃上げに係る計画書を提出することが必要です。

(出所:中小企業庁ホームページ

留意点は、要件未達の場合は、この上乗せ分は返還を求められるという点です。なお、回復型賃上げ・雇用拡大枠にはこの特例は適用されません

グリーン枠は3類型に

事業者の温室効果ガス排出削減の取り組み状況に応じた3つの類型(エントリー、スタンダード、アドバンス)に分かれました。13次までのグリーン枠は、この中のスタンダードに該当します。

アドバンスに該当する高度な取り組みを実施している事業者は、補助上限額がスタンダードの2倍の4,000万円まで引き上がります。下図にあるようにさまざまな認定・条件をクリアする必要があります。

また、エントリー型は、従来より要件が緩和されています。炭素生産性向上、CO2の年間排出量把握、電気・燃料使用量の用途別把握の3つを満たせばよいですが、補助上限は通常枠と同じで、補助率のみ優遇されます。

また、取引先の事業者がグリーンに係るパートナーシップ構築宣言をしている場合、審査の際に加点が得られます。

(出所:中小企業庁ホームページ

グローバル展開型がグローバル市場開拓枠に

12月に始まった「新規輸出中小企業1万者支援プログラム」の一環として、グローバル展開型がグローバル市場開拓枠と改まり、支援内容が拡充されています。

類型は4種類のまま(海外直接投資、海外市場開拓、インバウンド市場開拓、海外事業者との共同事業)ですが、海外市場開拓類型は、「(JAPANブランド)」の但し書きがつき、ブランディングやプロモーション等に要する費用(広告宣伝・販売促進費)も補助対象となっています。JAPANブランド育成支援等事業費補助金の内容が移管された形になっています。

また、補助下限額が1,000万円から100万円に引き下げされ、使い勝手が向上されました。

(出所:中小企業庁ホームページ

認定機器・システム導入型の新設(次年度以降)

本型に関しては、中小企業庁の資料では「業種・業態に共通する生産性向上に係る課題を解決するため、課題を認定し、当該課題解決に資する機械装置・システムを認定する仕組みを創設」とあります。

まだ、具体的な制度は明示されていないですが、今後、中小企業に共通する課題を認定する委員会が設置され、委員会で認定された課題を解決する機械装置・システムの導入が補助対象となるようです。実際の補助金は次年度以降とされているため、新たな情報が待たれます。

その他

  • 14次公募から、補助対象者に社会福祉法人が追加されました。「介護職員の働く環境改善に向けた政策パッケージ」の一環として、介護事業の生産性向上を支援するものとされています。
  • 「ビジネスモデル構築型」は廃止となりました。

おわりに

ものづくり補助金の継続は、コロナに加え円安、原料高など厳しい事業環境下にある中小事業者にとって朗報です。しかし、各種補助金は、いざ申請しようとするとさまざまな手続きや制約があるのが実情です。来年度、補助金活用をご検討している事業者様においては、早め早めの準備をおすすめします。

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