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【来る補助金公募に向けて】公募開始前に準備しておきたい政策加点項目

今回お伝えしたいポイント・補助金の審査が有利になる「政策加点項目」とは

・補助金と併用するとお得な「政策加点項目」とは

現在、国(中小企業庁)の補助金の多くは、今年度の公募が終了したため、冬眠状態となっております。当HPでご紹介している代表的な補助金も同様であり、来年度の公募開始待ちの状態です。

そのような中、「来年度の補助金公募が始まる前に何か準備しておくことはないか」と考える事業者様も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、補助金の採択可能性を高めることができる 「おススメの政策加点項目」 をご紹介します。

ご紹介する政策加点項目は、補助金応募時の審査が有利になるだけでなく、様々な経営上のメリットがあります。ぜひお読み頂ければ幸いです。

政策加点項目とは

補助金の多くは、『審査項目』『政策加点項目』の2つの項目が審査されます。

そのうち、審査項目は“必須項目”であり、「申請要件を満たしているか」等の基礎審査に加え、「事業計画が優れているか」等の書面審査が行われます。

一方で、政策加点項目は“任意項目”であり、指定された政策への取組みを実施していなくても補助金の申請は可能です。

(参照:ものづくり補助金_公募要領概要版_18次締切)

しかしながら、一つでも多くの政策加点項目に取組み、審査上の加点を得ることができれば、採択の可能性が高まります。そのため、 比較的負担が少なく、事業者様に有益な政策加点項目にはぜひチャレンジ していただきたいと思います。

そこで、当HPで紹介している代表的な補助金の中で、おススメの政策加点項目をご紹介します。

※事業再構築補助金は次年度も公募が継続されるか不明のため省いています。

・おススメ度:★★★(3つ星)、★★(2つ星)、★(1つ星)

※2024年10月28日時点で各補助金の最終公募回の情報を元に作成しています。必ずしも次年度の加点項目として継続されるとは限りませんので、あらかじめご了承ください。

※持続化補助金は、「小規模事業者持続化補助金(一般型)」を省略しています。

★★★ 経営力向上計画

経営力向上計画は、国(中小企業庁)に申請して認定を受けると、「持続化補助金」「事業承継・引継ぎ補助金」で加点されます。また、税制措置や法的支援、金融支援を受けられるというメリットがあります。

経営力向上支援 | 中小企業庁

補助金の申請と併用することで最も大きなメリットは、 法人税(個人事業者は所得税)の節税 です。機械装置や設備等を導入する場合、その資産を即時償却もしくは7~10%の税額控除ができます。

(例)法人が500万円の設備を“即時償却”した場合

500万円×法人税=約116万円

経営力向上計画が認定された年度に500万円を一括償却できるため、通常の減価償却よりも節税効果があります。

※法人税23.2%で計算

※取得初年度に一括償却するため、2年目以降の減価償却の節税はありません。

経営力向上計画は、 申請から1か月程度で認定 されることが多いです。

また、申請書様式が3枚程度となっており、それほど難しくはありません。補助金の加点だけを目的として取得する場合には2~3週間程度の準備期間で大丈夫です。

ただし、税制支援を受ける場合には事前準備期間が必要です。

具体的には、経営力向上計画を申請する前に「認定支援機関からの確認書」や「経済産業局等からの確認書」を取得する必要があります。確認書の発行に1か月程度要しますので、2か月程度の準備期間が必要です。

繰り返しになりますが、経営力向上計画は設備等取得時の節税に大きなメリットがあります。今回おススメ度★★★(3つ星)としている理由は、 補助金の加点目的だけではなく、節税対策としても活用して頂けるため です。補助金を使って機械装置や設備等の取得を検討している事業者様は早めに準備しておくことをおススメします。

詳しくはこちら👇の記事をご参照ください。

★★☆ 事業継続力強化計画

事業継続力強化計画を策定して、国(中小企業庁)に申請して認定を受けると、「ものづくり補助金」「事業承継・引継ぎ補助金」で加点されます。また、金融支援のほか、防災・減災設備への税制優遇が受けられるというメリットがあります。

事業継続力強化計画 | 中小企業庁

昨今は、コロナウイルスの長期化や地震や水害等の自然災害の影響によって、緊急時の事前対策を実施されている中小企業様も多いのではないでしょうか。そのような対策を更にブラッシュアップする意味でも、補助金の申請を機会として国が認める事前対策計画を作成しても良いかもしれません。

事業継続力強化計画は、 申請してから2週間~3週間程度で認定 されることが多いです。

ただし、自然災害等の被害や影響の想定、対応策などの内容については、初めて事業継続計画に取り組む事業者様にとっては取っつきにくいと思います。

そのため、計画作成の着手から認定まで1.5か月~2ヵ月程度の準備期間は見ておく必要があると思います。

詳しくはこちら👇の記事をご参照ください。

★★☆ パートナーシップ構築宣言

パートナーシップ構築宣言を以下のポータルサイトに登録・掲載することで、「ものづくり補助金」で加点されます。

「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト

パートナーシップ構築宣言は、経済産業省で実施している取組です。一言で言うと「良好な取引関係を築くことに協力的な事業者である」ことを宣言する制度です。

 ものづくり補助金の加点以外にも以下のメリットがあります。 

・ロゴマークを名刺等に使うことができ、取引先との共存共栄の関係を築こうとする会社(ホワイト企業)であることをアピールできる。

・「宣言」の取組を実践することで達成できるSDGsの目標(17:パートナーシップで目標を達成しよう)があり、同時達成ができます。

また、中小企業庁の補助金では「ものづくり補助金」と「事業再構築補助金」が加点項目の対象ですが、 他にも多くの省庁・自治体等の補助金で加点項目の対象 となっているためおススメの制度です。

宣言するメリット:「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト

パートナーシップ構築宣言の申請から約1週間程度でポータルサイトに掲載されます。

詳しくはこちら👇の記事をご参照ください。

★☆☆ くるみん・えるぼし認定

くるみん認定及びえるぼし認定は、厚生労働省で実施している取組みです。いずれかの認定を受けると「持続化補助金」「IT導入補助金」で加点されます。

くるみん認定は「子育てサポート」に焦点をあてた認定制度。えるぼし認定は「女性の活躍推進」に焦点をあてた認定制度です。

子育て支援や女性の活躍推進を強化する企業にとって、企業の社会的信頼を高め、採用活動や企業イメージの向上にも寄与します。さらに、賃上げ促進税制を活用することで、税額控除を受けられるメリットもあります。

認定の難易度は、これまでご紹介した政策加点項目と比べてやや高いですが、 補助金・助成金の活用以外にも、採用や従業員満足度など人事・組織面のメリット も多く、おススメです。

詳しくはこちら👇の記事をご参照ください。

(全補助金対象)賃金引上げ加点

賃金引上げについては、非常に重要な政策となっており、全ての補助金が加点項目になっています。

内容としては、以下2つの要件を補助事業期間中に達成し、採択後の“実績報告”あるいは“事業化状況報告”の際に報告(※賃金台帳などを提出)する必要があります。

①最低賃金引上げ

事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にすること。

②給与支給総額の増加

給与支給総額を年平均成長率1.5%以上向上させること。

補助金別の要件は下図の通りです。

「持続化補助金」と「事業承継・引継ぎ補助金」については①の要件のみでOKですが、「IT導入補助金」と「ものづくり補助金」については①と②の要件いずれも達成する必要があります。

※上表は2024年10月28日時点で各補助金の最終公募回の情報を元に作成しています。必ずしも次年度と同一の内容とは限りませんので、あらかじめご了承ください。

賃金引上げの経営判断は、事業者様の悩みの種であると思います。しかしながら、毎年10月頃に最低賃金の改定があることを踏まえると、 補助金の申請・獲得を契機として、事前に最低賃金の引上げを計画することは戦略の一つ ではないでしょうか。

賃金引上げに関する支援について詳しい内容は👇の記事も参照ください!

さいごに

今回は「政策加点項目」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

補助金の公募を待つだけでなく、事業者様の経営上メリットの大きい政策加点項目がありましたら、事前に準備して頂けたらと思います。

なお、ハイブリッド経営サポートは認定支援機関に登録されており、多くの支援実績がございますので、よろしければご相談下さい!

今回は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございました。

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