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【飲食店向け】あなたのニーズにこの補助金

補助金を上手に活用して課題解決

コロナ禍の影響により客足が戻らず、あらゆるものの値上がりにより、収益の低迷や資金繰りにお悩みの飲食業の事業者のみなさまも多いのではないでしょうか。人手不足やインボイス制度の導入など、売上の状況とは別に対応しなければならない課題も多く、その解決のためには資金が必要になってきます。

今回のブログでは、飲食業のみなさんのニーズごとに、資金の補てんに活用できる補助金をご紹介します。

補助金には国の事業として行うものと、地方自治体等の事業として行うものがありますが、ここでは前者を中心に取り上げます。

自分の店を開きたいのですが・・・

独立して新たに店を構えるという夢の実現のために、様々な用途に使えるのが「小規模事業者持続化補助金」です。

この補助金の「通常枠」の補助上限額は50万円ですが、2022年度から創業者を支援する「創業枠」が登場し、上限額が200万円に引き上げられました。

創業開店をめざす方にとっては、魅力的な補助金といえます。

ただ、ご注意いただきたいのは、補助金は後払いであること。応募した事業計画が交付決定されても、補助金が支払われるのは、購入品や購入サービスの支出が終わってからです。補助対象品についても購入資金の準備が必要です。

 

補助金 小規模事業者持続化補助金・創業枠
応募要件 1)小規模事業者(飲食店の場合、常時使用する従業員が5名以内)であること
2)産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を公募締切時から起算して過去3か年の間に受けること
3)過去3年の間に開業した事業者であること
補助上限額 200万円
補助率 2/3
今後の公募予定 第10回:応募締切日 2022年12月上旬
第11回:応募締切日 2023年2月下旬
補助金サイトへのリンク こちらをクリック!

補助金に応するためには法人か個人事業主である必要がありますので、創業を計画中の方は、まず、税務署に開業届を出す必要があります。既に開業済の方で創業枠に応募できるのは、開業後3年以内の方ですので、ご注意ください。

また、応募要件となっている「特定創業支援等事業」による支援ですが、これは自治体が行っている起業塾やビジネスコンテストのような創業者支援プログラムです。店をビジネスとして成功させるためにも、時間のある方はいちど受講を考えられてはいかがでしょうか。

補助対象経費は次のとおりです。

機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、設備処分費、委託・外注費
支出したい経費が補助対象か補助対象でないか確認してみましょう。

クリックすると図が拡大します。
(ここに示しているのは小規模持続化補助金の主要経費のみです。一部、説明を省いている部分がありますので、詳しくは公募要領をご参照ください。)

店のPRや販促がしたいのですが・・・

店の集客のテコ入れをはかるため「看板を新しくしたい」「チラシを作りたい」ときに、使いやすいのも「小規模事業者持続化補助金」です。通常枠は上限が50万円ですが、国の補助金のなかでは比較的採択率も高いため、応募してみる価値があります。

補助金 小規模事業者持続化補助金・通常枠
主な応募要件 小規模事業者(飲食店の場合、常時使用する従業員が5名以内)であること
補助上限額 50万円
補助率 2/3
今後の公募予定 第10回:応募締切日 2022年12月上旬
第11回:応募締切日 2023年2月下旬
補助金サイトへのリンク こちらをクリック!

補助対象経費は以下のとおりです(「創業枠」と同じです)。
ウェブサイト関連費を補助対象費とすることができます。
ただ、ウェブサイト関連費は「ウェブ関連費のみの申請はできない」「ウェブサイト関連額は補助金交付申請額の1/4を上限」など制約も多く、「通常枠」の申請では物足りないかもしれません。

補助対象経費は次のとおりです。

機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、設備処分費、委託・外注費
支出したい経費が補助対象か補助対象でないか確認してみましょう。

クリックすると図が拡大します。
(ここに示しているのは小規模持続化補助金の主要経費のみです。一部、説明を省いている部分がありますので、詳しくは公募要領をご参照ください。)

オペレーションのIT化をしたいのですが・・・

「人手不足対策のためセルフオーダーシステムを導入したい」「売上管理の精緻化のためPOSレジを導入したい」「インボイス制度対応のため会計システムを変更する必要がある」といった店主さんのニーズに対応するのが、「IT導入補助金」です。

2021年度までの「IT導入補助金」は補助対象経費がソフトウェア導入に関する費用だけでした。
2022年度に設定された「デジタル化基盤導入枠」はハードウェアの費用も補助対象となりました。
飲食店のオペレーションのIT化を後押しする、ぜひ使いたい補助金です。

補助金 IT導入補助金・デジタル化基盤導入枠
主な応募要件 中小企業者(資本金の額または出資の総額が5千万円以下の会社、または常時使用する従業員の数が100人以下の会社および個人事業主)または小規模事業者(飲食店の場合、常時使用する従業員が5名以内)であること
ITツールの機能要件 会計、受発注、決済、EC いずれかの機能を保有
補助額5~50万円では1機能以上、補助額50万円超~350万円では2機能以上
ITツールの補助額と補助率 補助額:5~350万円、
補助率:補助額5~50万円部分は3/4以内、補助額50万円超~350万円部分は2/3以内
ハードウェアの機能要件 導入するITツールの使用に資するもの
ハードウェアの補助額と補助率 ・PC・タブレット等 補助額:~10万円、補助率:1/2以内
・レジ・券売機: 補助額:~20万円、補助率:1/2以内
今後の公募予定 12次:締切日 10月3日(月)
13次:締切日 10月17日(月)
14次:締切日 10月31日(月)
15次:締切日 11月14日(月)
16次:締切日 11月28日(月)
補助金サイトへのリンク こちらをクリック!

IT導入補助金は、他の補助金と異なり、事業者が補助金事務局に直接交付申請するのではなく、「IT導入支援事業者」経由で交付申請をします。
「IT導入支援事業者」は事務局に予め登録したITベンダー・サービス事業者です。
飲食店のみなさんは導入したいツールについて「IT導入支援事業者」に相談し、彼らが提供するツールのなかから導入するツールを決めると、彼らが交付申請のサポートをしてくれます。

補助対象経費は次のとおりです。

【デジタル化基盤導入枠】ソフトウェア購入費、クラウド利用費(クラウド利用料最大2年分)、ハードウェア購入費、導入関連費
支出したい経費が補助対象か補助対象でないか確認してみましょう。

クリックすると図が拡大します。
(一部、説明を省いて表記している部分がありますので、詳しくは公募要領をご参照ください。)

新しいビジネスを始めたいのですが・・・

コロナ禍によりお客様の来店が減り、いまだ2019年の水準には戻っていない飲食店も多いものと思います。お客様の嗜好や流れが変わり、元の水準に戻すのが難しいとの判断から、新たな事業を始めることを考えている事業者さんもいらっしゃるでしょう。

惣菜の製造・販売、キッチンカー事業、高齢者介護施設への給食事業など、新分野展開や事業転換など事業再構築の取組を支援するのが「事業再構築補助金」です。

補助金 事業再構築補助金・通常枠
応募要件 1)中小企業等
2)事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】
3)2020 年 4 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019 年又は 2020 年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して 10%以上減少していること等【売上高等減少要件】
4)事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること。補助金額が 3,000 万円を超える案件は認定経営革新等支援機関及び金融機関と策定していること【認定支援機関要件】
5)補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】
補助上限額 【従業員数 20 人以下】  100 万円 ~2,000 万円
【従業員数  21~50 人】 100 万円 ~4,000 万円
【従業員数  51~100 人】 100 万円 ~6,000 万円
【従業員数  101 人以上】  100 万円 ~8,000 万円
補助率 中小企業者等 2/3 (6,000 万円超は1/2)
中堅企業等  1/2  (4,000 万円超は1/3)
今後の公募予定 第7回:応募締切日 9月30日(金)
第8回:応募締切日 未定(年内)
補助金サイトへのリンク こちらをクリック!

「事業再構築」には5つの類型があり、類型毎に事業者の取組が「事業再構築」といえるかどうかの要件が定められています。コロナ禍が始まってからの売上がコロナ以前よりも10%以上減っていることが必要です。

「認定経営革新等支援機関」とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関(中小企業診断士、税理士、商工会・商工会議所、金融機関等)のこと。わたくしたちHKSも「認定経営革新等支援機関」ですので、事業計画策定のご相談にのることができます。事業計画では、補助事業終了後 3~5年で付加価値額の年率平均 3.0%以上となるような計画が求められています。

補助金額の高さで人気を集めた「事業再構築補助金」は、2021年度に5回の公募があり、2022年度は3回の公募予定のうち2回が終了し、残すところ1回です。

補助対象経費は次のとおりです。

建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費
支出したい経費が補助対象か補助対象でないか確認してみましょう。

クリックすると図が拡大します。
(一部、説明を省いて表記している部分がありますので、詳しくは公募要領をご参照ください。)

地域の補助金

以上ご紹介したのは、国(中小企業庁)が主体となっておこなう補助金ですが、都道府県や市町村独自の補助機・助成金もさまざまあります。例えば、以下のような補助金があります。

募集期間が短いケースが多いので、予め関連団体に問い合わせるなどして、公募が始まる前から準備することが肝要です。

地域 事業名
北海道 食の海外展開チャレンジ支援補助金
秋田市 業態転換等支援事業(新型コロナウイルス感染症対策)
東京都 商店街起業・承継事業
神戸市 Makuakeに掲載するプロジェクトページ制作費用の補助
熊本市 ベジタリアン向け商品開発の支援

J-NET21を活用すると、各地域の中小企業支援策が簡単に検索にできますので、一度地元の補助金を探してみてはいかがでしょうか。
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おわりに

今回のブログでは、飲食店のみなさまが活用しやすい補助金をご紹介してきました。私たちHKSは、認定支援機関として事業者様のありたい姿の実現に向けた支援を行っています。何かお困りごとがありましたらWebから問い合わせが簡単にできますので、ぜひご相談ください。

 

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