代表的な補助金
事業再構築補助金
イントロダクション
※こちらの記事は2024年4月23日開始の第12回公募をもとに作成しています。
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売上の回復が期待しづらい中、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の思い切った事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すことが重要です。
そのため、新市場進出、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲的な中小企業等の挑戦を支援することが目的の補助金です。
令和4年度予備費・補正予算では、6,800億円が確保されており、令和6年度についても枠内で確保されています。
事業再構築補助金の概要
第12回公募からは、今なおコロナの影響を受ける事業者への支援及びポストコロナに対応した事業再構築をこれから行う事業者への支援に重点支援を行う補助金となりました。具体的には、類型が以下の3つの区分に整理されており、ポストコロナ社会を見据えた未来社会を切り拓くための取組を重点的に支援していきます。
①成長分野への進出や国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の事業者、グリーン成長戦略に資する事業を実施する事業者など、ポストコロナに対応した事業再構築をこれから行う事業者を支援する「成長分野進出枠」
②コロナで抱えた債務の借り換えを行っている事業者や事業再生に取り組む事業者、コロナ禍が終息した今、最低賃金引上げの影響を大きく受ける事業者など、今なおコロナの影響を受ける事業者を支援する「コロナ回復加速化枠」
③ポストコロナに対応した、国内サプライチェーンの強靱化に資する取組をこれから行う事業者を支援する「サプライチェーン強靭化枠」
令和4年度第2次補正予算では、3回程度実施となります。
ココがポイント!
・個人事業主、中小企業、中堅企業の広範囲を対象とした施策
・1社あたり交付額が最大5億円と高額な補助金交付額
・実施期間2年で応募者数13万社、採択者数が6万社と大規模な施策(第1回~7回実績)
・事業再構築補助金事務局ホームページ |
・第12回公募要項 |
申請のための必須要件とは
必須要件として以下の2つがあります。
1.事業再構築指針沿った取り組みを行う
事業再構築指針に沿った新市場進出(新分野展開・業態転換)、事業・業種転換、事業再編、国内回帰等を行うこと。
2.認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する
補助事業終了後3~5年で、付加価値額の年率平均3.0%~5.0%(申請枠により異なる)以上増加、又は従業員一人あたり付加価値額の年率平均3.0%~5.0%(申請枠により異なる)以上増加の達成を見込む事業計画を、認定経営革新等支援機関と策定すること。
なお、認定経営革新等支援機関とは、中小企業を支援できる機関として、経済産業大臣が認定した機関です。当社も認定経営革新等支援機関として認定されています!
申請枠、補助額、補助率について
事業再構築補助金の申請枠、補助額及び補助率は以下の通りです。(図参照:事業再構築補助金の概要)
必須要件に加えて、以下の①または②を満たすこと
① 事業終了後3~5年で給与支給総額を年平均成長率2%以上増加させること【給与総額増加要件】、かつ、取り組む事業が、過去~今後のいずれか 10 年間で、市場規模が 10%以上拡大する業種・業態に属していること【市場拡大要件】
② 現在の主たる事業が過去~今後のいずれか 10 年間で、市場規模が 10%以上縮小する業種・業態に属しており、当該業種・業態とは別の業種・業態の新規事業を実施すること、又は地域における基幹大企業が撤退することにより、市町村内総生産の 10%以上が失われると見込まれる地域で事業を実施しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の 10%以上を占めること【市場縮小要件】
・補助額
中小企業者等、中堅企業等ともに100万円~6,000万円(7,000万円) 【従業員数20人以下】100万円~1,500万円(2,000万円)
【従業員数21~50人】100万円~3,000万円(4,000万円)
【従業員数51人~100人】100万円~4,000万円(5,000万円)
【従業員数101人以上】100万円~6,000万円(7,000万円)
()内は短期に大規模な賃上げを行う場合
・補助率
中小企業者等 1/2(短期に大規模な賃上げを行う場合は 2/3) 、中堅企業等 1/3(短期に大規模な賃上げを行う場合は 1/2)
※短期に大規模な賃上げとは、事業終了時点で、事業場内最低賃金+45 円、給与支給総額+6%を達成すること。
必須要件に加えて、以下の①と②を満たすこと
①事業終了後3~5年で給与支給総額を年平均成長率2%以上増加させること【給与総額増加要件】
②グリーン成長戦略「実行計画」14 分野に掲げられた課題の解決に資する取組であること【GX 進出要件】
・補助額
中小企業者等 【従業員数20人以下】100万円 ~ 3,000万円(4,000万円)
【従業員数21~50人】100万円~5,000万円(6,000万円)
【従業員数51人~100人】100万円~7,000万円(8,000万円)
【従業員数101人以上】100万円~8,000万円(1億円)
中堅企業者等 100万円~1億円(1.5億円)
()内は短期に大規模な賃上げを行う場合
・補助率
中小企業者等 1/2(短期に大規模な賃上げを行う場合は 2/3) 、中堅企業等 1/3(短期に大規模な賃上げを行う場合は 1/2) ※短期に大規模な賃上げとは、事業終了時点で、事業場内最低賃金+45 円、給与支給総額+6%を達成すること。
必須要件に加えて、以下の①または②を満たすこと
① コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること【コロナ借換要件】
② 再生事業者(Ⅰ.中小企業活性化協議会等において再生計画を策定中の者又はⅡ.中小企業活性化協議会等において再生計画を策定済かつ再生計画成立後3年以内の者)であること【再生要件】
・補助額
中小企業者等、中堅企業等ともに100万円~3,000万円 【従業員数5人以下】100万円~1,000万円
【従業員数6~20人】100万円~1,500万円
【従業員数21人~50人】100万円~2,000万円
【従業員数51人以上】100万円~3,000万円
・補助率
中小企業者等 2/3~3/4(※1) 、中堅企業等 1/2~2/3(※2)
※1 従業員数 5 人以下の場合 400 万円、従業員数 6~20 人の場合 600万円、従業員数 21~50 人の場合 800 万円、従業員数 51 人以上の場合は 1,200 万円までは 3/4
※2 従業員数 5 人以下の場合 400 万円、従業員数 6~20 人の場合 600万円、従業員数 21~50 人の場合 800 万円、従業員数 51 人以上の場合は 1,200 万円までは 2/3
必須要件に加えて、以下の①を満たすこと。②については任意ですが、満たさない場合、補助率が引き下がります。
① 2022年10月から2023年9月までの間で、3か月以上最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員の10%以上いること【最低賃金要件】
② コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること【コロナ借換要件】
・補助額
中小企業者等、中堅企業等ともに 【従業員数5人以下】100万円 ~ 500万円
【従業員数6~20人】100万円 ~ 1,000万円
【従業員数21人以上】100万円 ~ 1,500万円
・補助率
中小企業者等 3/4(※一部 2/3)、中堅企業等 2/3(※一部 1/2)
※【コロナ借換要件】を満たさない場合
必須要件に加えて、以下の①~⑥を満たすこと
①取引先から国内での生産(増産)要請があること(事業完了後、具体的な商談が進む予定があるもの)【国内増産要請要件】
②取り組む事業が、過去~今後のいずれか 10 年間で、市場規模が 10%以上拡大する業種・業態に属していること【市場拡大要件】
③経済産業省が公開するDX推進指標を活用し、自己診断を実施し、結果を独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していること、及びIPA が実施する「SECURITY ACTION」の「★★ 二つ星」の宣言を行っていること【デジタル要件】
④交付決定時点で、設備投資する事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上高いこと。ただし、新規立地の場合は、当該新事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30 円以上高くなる雇用計画を示すこと。【事業場内最低賃金要件】
⑤事業終了後3~5年で給与支給総額を年平均成長率2%以上増加させること【給与総額増加要件】
⑥「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトにて、宣言を公表していること【パートナーシップ構築宣言要件】
・補助額
中小企業者等、中堅企業者等ともに 1,000万円~3億円 (建物費を含む場合5億円)
・補助率
中小企業者等 1/2 、中堅企業等 1/3
なお、サプライチェーン強靭化枠以外の、成長分野進出枠(通常類型・GX進出類型)又はコロナ回復加速化枠(通常類型・最低賃金類型)に申請する事業者は、上乗せ措置である「卒業促進上乗せ措置」又は「中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置」に追加で申請できます。具体的な申請要件については、公募要領をご確認下さい。
補助対象となる費用
事業再構築補助金は、設備費のほか建物の建設費、建物改修費、撤去費、システム購入費も補助される点が特徴です。
また、新しい事業の開始に必要となる研修費、広告宣伝費・販売促進費も補助対象です。
成長分野進出枠(通常類型)については、廃業費も補助対象とすることができ、補助対象額を最大2,000万円増額できます。
<対象経費>
●建物費(建物の建築・改修、建物の撤去、賃貸物件等の原状回復、貸し工場・貸店舗等の一時移転)
●機械装置・システム構築費(設備、専用ソフトの購入やリース等)、クラウドサービス利用費、運搬費
●技術導入費(知的財産権導入に要する経費)、知的財産権等関連経費
●外注費(製品開発に要する加工、設計等)、専門家経費 ※応募申請時の事業計画の作成に要する経費は補助対象外。
●広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)
●研修費(教育訓練費、講座受講等)
●廃業費 (廃止手続、解体/原状回復費、移転・移設費用等)※成長分野進出枠(通常類型)のみ
事業計画の策定について
補助金の審査は、事業計画を基に行われます。採択されるためには合理的で説得力の高い事業計画を策定することが必要です。
そのため、事業計画については認定経営革新等支援機関と相談しつつ策定していきましょう!
事業計画に含めるべきポイントの例・現在の企業の事業、強み・弱み、機会・脅威、事業再構築の必要性
・事業再構築の内容(提供する製品・サービス、導入設備など)
・事業再構築の市場の状況、自社の優位性、価格設定、課題やリスク及び解決法
・実施体制、スケジュール、資金調達計画、収益計画(付加価値の増加を含む)
補助金支払までのプロセス、フォローアップ
・補助金は、事業者による支出を確認した後に支払われます。
・事業計画は、補助事業期間終了後もフォローアップします。補助事業終了後5年間、経営状況等について、年次報告が必要となります。補助金で購入した設備等は、補助金交付要綱等に沿ってしっかりと管理しましょう。
事前着手承認制度
・補助事業の着手(購入契約の締結等)は、原則として交付決定後です。
・第11回公募まで実施されていた、事前着手制度は原則として廃止されています。ただし、第10回または第11回公募にて不採択となった事業者が第12回公募に応募し採択された場合、事前承認される可能性はあります。
具体的事例とは
事業再構築補助金は、コロナの影響による事業環境の変化に対応して、事業再構築指針に沿った新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業転換等の事業再構築に果敢に挑戦する中堅・中小企業等が対象とされています。
事務局から事業再構築の事例が紹介されておりますのでコチラをご覧ください。
(参照元:事業再構築補助金事務局「補助金交付候補者の採択事例紹介」)
申請手続き等について
事業再構築補助金の申請に必要なGビズIDプライムの発行には、申請から通常1週間程度要しますので、時間に余裕をもって申請ください。
本補助金に限らず、今後他の補助金もオンライン申請が増えていくと思いますので、IDの取得がおすすめです。
まとめ
事業再構築補助金の概要についてご紹介しました。
事業再構築補助金は補助額も大きく、対象条件や活用イメージが具体的に示されておりますので申請しやすい補助金であると思います。
また、画期的で挑戦的な企業が通りやすい補助金になっていますので、現状を打破するアイディアがある事業者様はぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
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